2023年8月6日
もうすぐ下弦の月になりそうな月が、
朝焼けの反対側で涼しそうな青空に浮かんでいる。
月の燭台のような雲は、瞬間瞬間で形を変化させて、
大きな口を開けている恐竜の顔のような形になった。
月を頂く天使が翼を目いっぱいに広げたようにも見える。
8月6日。今日は早起きができてよかったと思いながらの朝散歩。
帰ったら、そのまま起きたままで、8時15分に、原爆祈念の黙祷ができる。
戦後78年になる年は、原爆投下から78年でもある。
朝散歩から戻ってきて、祈念式を見ながら黙祷をして、市長の言葉をきいたあと。
目に留まったニュースは、
横浜の中学生が、修学旅行で訪れた長崎で、語り部の方に暴言を吐いたというものだった。
教員の立場にあるものとして、語り部さんに申し訳ない気持ちを感じた。
どういうつもりで、長崎に来たのだろうと思ってしまったが、当人たち以上に、彼らに関わってきた教育者たちの責任は大きいように感じてしまった。
と同時に、僕らが生まれる前の頃にヒットした「戦争を知らない子どもたち」のメロディーが頭に流れた。教育する側も今や、戦争を知らないのである。
2度と戦争を起こさない国にしていこうと、戦争を体験した世代が作り上げてくれた今のこの国は、78年たって、その願いが叶った面もあれば、想定外の問題も浮き彫りになってきている。
繰り返してはならない歴史を学ぶために、残り続ける史跡はあれど、それがなぜ残り続けるのかを、残さなくてはならないかを、実体験として知る人は少なくなっていく。時の流れが止まらない限り。
受け継ぐ思いが時と共に薄まっていくのは、無常ではあるけれど止めることはできない。
けれどその思いの色はずっと引き継がれて、これから先も1年でも長く残り続けてほしい。