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ただ、やれる限りの精いっぱいで向き合っていこう~仲良しさんクラスプロローグ(1)~
今回からの話は、2の3の前に綴った、6の1の卒業後から始まります。
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6の1の子たちが卒業し、中学校への連絡会や、
新一年生について保育園や幼稚園へのヒヤリングなどをしていると、
あっという間に学年末、一年が終わった。
講師の身は、契約が単年なので、来年度の契約がどうなるのかは、
年度末の、正規教員の内示の後にわかることになる。
そんな内示後の終業式の午後、校長先生から呼び出しがあった。
この流れは、来年度も残留だ。校長室へ入る。
「ととろん先生、今年度は6の1の子達を最後までありがとうございました。今、委員会から連絡があって、来年度もうちの学校で常勤講師として、働いてもらえたらと思います。よろしいでしょうか。」
「もちろんです。ありがとうございます。」
「そしてね、内示が出た段階でこんな話までするのは本来はない事なのだけれど、今年度の先生の仕事ぶりを見て、どうしてもお願いしたいことがあります。」
この流れは初めてだ。どういうお願いだろう。
「実は、先生には来年度、仲良しさんクラスの担任をお願いしたいのです。やっていただけますか?」
予想だにしていないお願いにちょっと戸惑いながら応える。
「あの、校長先生。僕は特別支援教員の免許を持っていませんが、引き受けられるのですか?」
「そこは大丈夫。仲良しさんクラスは、情緒さんの学級なので、通常の免許で受け持つことができます。」
「そうですか・・・。えっと、で、僕でいいんですか?」
「はい、実はどう考えてもあの子たちはととろん先生しかいない。そう判断しまして。ただ、仲良しさんクラスの1組さんですが、新6年生8人の支援学級としてはMAXの状態ですので、先生のクラスにほぼ専任の形で、補助の先生を付けますので、お引き受けしてもらえませんか?」
なるほど、校長先生の来年度に向けての思案の中で、
今年度の3学期の仲良しさんクラスのあの子達が、
安心して落ち着いた学校生活を過ごせるかは、
大きなカギになっているということだと察した。
「校長先生が、僕でやれると見込んでのお話だと思いますので、お引き受けいたします。」
後にも先にも、内示の日に来年度の受け持ちが決まるなんてことは
この時だけだった。おそらくこの依頼は、
校長先生もまず打つべき一手と、腹を括っていたにちがいない。
あの子達を任されることへの期待とともに、
初めての特別支援のクラスの担任を、
どうやって取り組んでいくのがいいのだろうかという不安も交じりながら
この年の春は近づいてくるのだった。
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