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子どもの興味を形にするには。「気付けば大イベントのまちたんけん」(前)

子ども達のまちたんけんは、3クラス一緒に進めていく体験学習で、

先生達の準備や段取りで、どんなことをしなくてはいけないのか、

それを大いに学ばせてもらった、自分自身の学びの経験としても、

非常に有意義だった記憶がある。その後中学年、高学年と受け持つ中でも、

その時の経験が、そういった下準備の仕事に取り掛かるとき、

よりスムーズに、抜かりなく進めていくのに、役に立って行ったからだ。

子ども達が興味・関心をもって臨んでいる事を、

どうしたらより充実させて体験させてあげられるか、

それは、教師側の準備と段取りでどこまでも高めていくことができる。

そんなことを学ばせてもらえた経験だった。

3クラスそれぞれで、住んでいる校区のまちたんけんで、

みに行きたい場所を上げたところたくさん上がってきた。

中学校、美容室、スーパー、市民センター、整骨院、

豆腐料理の割烹料亭、駄菓子屋さん、幼稚園、病院。

なるほど、住宅街にある小学校だけれど、

色々なお店が、校区の中にはあるのだなと感心させられながら、

3人の担任の先生で、出てきた場所を確認し合う。

まぁ色々な場所が上がったけれど、さすがに、

市民センターや、幼稚園、中学校くらいだろうと思っていたら、

O先生、まちたんけん候補のリストをしばらく見つめてから、

「9つか・・・うん、全部面白そう。全部行かせてあげよう。」

全部?ん?どうやるんだ?と思い、

「どうやって行くんですか?」

と、思わず訪ねてみると、なるほどそういう事かと、

O先生は説明してくださった。

9つの場所は、全員で全部見学に行くのはさすがに無理である。

美容室や駄菓子屋さんなどは、子どもが80人近く押しかけるほどに

お店は大きくないのだからとんだパニックになってしまう。

そこで、子どもたち一人一人が一番行きたいところ一か所を選んで、

それぞれ行きたい場所のグループに分かれて、

9つの場所で見学させてもらい、それぞれが見学して分かったことを、

発表し合って、まちたんけんとして得た知識を共有し合うという手順で、

進めていこう。O先生の提案は、想像もしていないほどに、

大きな企画として、提案されたのだった。

驚きを押し殺しながら話を聞いていると、一つ一つの段取りが見えてきた。

まずは、9つの場所への、了解を頂くための連絡とごあいさつ。

次に、担任3人と、担任外の先生だけでは当然足りない引率者を、

保護者ボランティアを募ってお願いするための呼びかけとそのお手紙。

さらには、9つの場所に同時間に向かう日程の中で、

なるべく移動時間の短いところは、

保護者ボランティアの方に引率してもらい、

遠い場所、希望者の多い場所には、教員の引率を当てるその割り振り。

一つ一つの段取りを説明されていくうちに、

「そんなの無理だろう。」と思っていたまちたんけん計画は、

「これは相当面白い体験学習になるな。」という風に、

気付いたら自分の中でも『実現可能なより充実した体験学習』へと、

まちたんけんはシュミレーションできるものになっていた。





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