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不登校先生 (55)

※今回第55話には、ドラマ【ひきこもり先生】のネタバレが含まれます。ご了解ください。


何度も何度も、繰り返し。観ている。

観るたびに、涙が止まらなくなりながら、頬が痛くなりながら。

それでも、そんな風に感じることが嬉しいと嚙み締めるように。

【ひきこもり先生】は、本当に、今、自分が共感しすぎるほどしてしまい、

何度も見るうちにその共感は、立場の違う登場人物にまで、

感情移入をしてしまうようになり、そしてまた涙があふれる。

やはり一番気持ちが深く入り込んだのは、

主人公のひきこもり先生である佐藤二朗さん演じる上嶋陽平さんの

子ども達との関わり方、自分との向き合い方だ。

上嶋さんは、11年のひきこもりからようやく焼鳥屋の店主となって、

少しずつ社会とつながり始められるようになった。そんな矢先、

いきなり非常勤講師として目を付けられる。

「僕には関係ないので」

そう言って断っていたが、不登校で家にも居場所のない

奈々ちゃんと出会い、関わることで、非常勤講師の話を受ける。

自分の娘を傷つけて手放してしまった過去にも、

未だに自分を責め続けている彼は、学校で居場所の無くなった子たちに

寄り添うように、時を紡いでいく。一人一人のことを理解するうちに

自分にできることは何だろうかと考え、行動に移す。

その積み重ねの中で、上嶋さんの心にも成長が生まれて・・・・

そんな姿を最後まで追っかけると、

今の自分が情けないという侘しさ

今までの自分は子どもたちにちゃんと向き合っていただろうかという疑念

自分は、本当にこれからも先生であり続ける資格があるのかという自問

次から次に湧いて出てくる、ネガティブな気持ちは、

今回完全に心が壊れてから、このドラマを見るまで、

目の前に転がっているのに、目を背けていた感情たち。

自分は、子どもたちにこれまでどんな風に接してこれただろう。

そう思うと、反省しか出てこない。懺悔しか出てこないほどに。

上嶋さんの子どもへの向き合い方には、生徒への優しさがある。

「本当に強い人は、だれにでも優しく、人の弱さに寄り添える人だ。」

そう感じるくらいに、だれよりも優しい上嶋さんは、だれも責めないで、

自分自身を責める。だから生徒は、上嶋さんが向き合っているときに、

笑顔を出せるし、安心する。同じ気持ちで、上嶋さんに向き合おうと、

子どもたちが、積極的に上嶋さんを心配し、寄り添う。

支え合い助け合うということは、こういうことなんだ。そう思わされた。

そして、何度も何度も繰り返し視聴するうちに、

視聴する自分の感情の変化に気付く。

一番つらいと思っていた第4話が、

一番好きな話に感じるようになっていたのだった。

もう一人、このドラマで、自分が心を打たれた登場人物

それが玉置玲央さんが演じる、上嶋さんのひきこもり仲間の、

『ヨーダ君』こと、依田君だ。

↓次話






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