大失敗も大成功も味わい尽くそう(2)
家庭科の教科書の素敵なところは、2年間分の学習の内容が、
一冊にまとめられているところだ。
特の今回のように、子ども達が学習の機会を失していた時などに、
「教科書でもおさらいしてみようか。」
という風に、知識の振り返りもすぐにできる。
かくして、仲良しさんクラス1組の子ども達は、あゆ先生との授業で、
ご飯の炊き方、みそ汁の作り方、野菜の茹で方を、
自分立ちでもできそうだと安心できるほどに振り返ることができた。
「おみそ汁の具は何にしようか。」
と、尋ねると、みんなそれぞれに好きな具材はある様で、
だいぶたくさんの具材が出てきたのだが、
今回は一番王道で、と言う事で、豆腐とわかめの味噌汁に、
ねぎを小口に切ってトッピングとなった。
わかめは使いやすい乾燥わかめにして、
子ども達が活動をしやすいように材料の段取りも考える。
ゆで野菜は苦手な子が多いので、ほうれん草にして、
食べるときに味がぼやけないように。
卵料理は、朝食で簡単だと『目玉焼き』だが、
あゆ先生が実演して見せて、みんなもチャレンジしてみようと言う事で、
卵焼きになった。
ご飯に味噌汁に卵焼き。そろえばもう立派な朝ごはんだ。
子ども達がどんな様子で調理していくのか。楽しみは大きくなりながら、
材料の買い込みや、器具の確認をあゆ先生と準備していく。
そうこうしているうちに、あっという間に、調理実習当日はやってきた。
家庭科室には8班分のテーブルがある。
仲良しさんクラスだと1人で1台使えるのだが、
さすがに個人戦で全部の段取りを時間内にやり切るのは難しいだろうと、
今回は2つの班にして、活動することにした。
1班は、あんちゃん、まなさん、そうくん、あまくん。
2班は、はやくん、かずくん、かいくん。
指示を出すのが上手いあんちゃんのチームは、
指示される方が心地よく活動できる、そうくんやあまくんを。
慎重派のはやくんとかずくんに、ちょこちょこ休みがちのかいくん。
こうくんは学校には一度も来ていないので、もし来れた時は、
プライベートで少しだけ遊びに行っているかいくんの班に入る予定にして、
全員が仲良しの仲良しさんクラスだけど、
みんな、自分たちが全部の工程ができる今回の調理実習である前提で、
性格の相性などを考えての2グループだ。
時間もエプロンの時と同じように4時間ぶち抜きで確保し、
慌てなくてよいように、時間と場所、グループの工夫を行って。
自分で作ったエプロンと、三角巾を付けて、
ワクワクしているのが一目でわかる様子をあゆ先生と見守りながら。
「美味しくできるといいですね。」
「大丈夫でしょ。みそ汁とご飯だから。あゆ先生の卵焼きのお手本も楽しみにしてるよ。」
腕まくりのジェスチャーで
「まかせてください!」
と、きりっとした声で返事をくれる、あゆ先生の顔もイケメンな笑顔だ。
さぁ、調理実習。怪我無く事故なくに気を配って。
子ども達の自信が、また一つ増えますようにと願いながら。
みんなで家庭科室に、足を運ぶのだった。
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