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文化の浸透の功罪は

6月18日の記念日【国際寿司の日・持続可能な食文化の日】
奇しくも同じ日に重なっていた二つの記念日は、色々な事を考えさせられます。
国際寿司の日は、SNSの中から生まれた記念日のようで、Facebook「寿司」創設者であるクリス・デメイ氏によって制定されたという事のようです。世界中で愛されるようになった寿司について、より多くの人に知ってもらい好きになってもらいたいという願いが込められています。

一方、持続可能な食文化の日は、2016年に国連総会で制定された記念日です。農業開発による環境破壊との兼ね合いや安全で安定的な食糧生産について考えたり、有限である水産資源などの保全と食文化の兼ね合いについてなども考えたりします。食文化は、環境、教育、国際融和、経済などの分野とも深く関わり合う問題だけに、国連の中の様々な機関が複合的に取り組んでいくことになっている問題のようです。

食文化の持続可能性を話すときに、いつも例に挙げているのが寿司の話です。

もっと日本の素敵な文化である「寿司」について世界中の人に知ってもらいたいと、寿司職人たちは海外に行き、そして見事にその目的を達成させて寿司は世界中の人が気に入る料理になった。その結果、外国の人も見よう見まねで出来る「寿司」のお店を展開。寿司はそれぞれの国の食材に合わせて進化を遂げていく。その結果、外国でも生食で食べられる魚の漁獲量が爆増。水産資源である魚介類は、絶滅の危機に瀕する者が続出し、国際間で漁獲量の制限を取り決めたりすることなってしまった。「寿司」の魅力をたくさんの人に知ってもらえたのだけれど、今度はそのせいで「寿司」を食べるのが難しくなってしまう。これは、果たして良い結果だったと言えるのかどうか。そしてその結果が現在だとすると、これからどんな未来にしていく工夫が考えられるだろう。

と、そんな話をすると、子ども達も、思い思いに色々なアイデアや取り組みを考え出してくれます。大部分の子ども達は、お寿司は好きなので、どうしたらいいこうしたらいいと話し合いはいつも盛り上がります。

ですがこれはいわゆる想像した未来の話では無く、見通して見える一つの未来の話なので、世界中の人に愛されるようになった「寿司」の食文化が、永く多くの人が楽しめるものであり続けてほしいと願うばかりです。


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