日本語の妙

「A and B」と「A or B」は当然別物のところを、これを日本語で端的に書くと混じることがあるなという出来事があった。
具体例で書くと、例えば「時間とお金の両方がないと辛い」の文章を噛み砕くと、2パターン。

①時間がない、お金がないの「両方を満たしたら(and)」辛い

②時間がない、お金がないの「どちらかを満たしたら(or)」辛い

一般的にはどちらの解釈が素直なのだろう。
例えば「両方がないと」を「両方が揃っていないと」の記載にすると、②に誘導しやすくなるような気がする。

動画や短い文で直感的なメッセージが多い今の時代においては、文字数を削れば削るほど良いとされているような風潮があり、そういった場合に躓くのが、この部分だ。
短く書いた結果として、読み手に誤解を与える・書き手の意図と異なる解釈がされる、これらの事実に直面することになる。

文章の中で、言葉の係る部分が分かりにくいときに、句読点を打つという手段がある。今回の場合はどうだろうか。
1「時間と、お金の両方がないと辛い」
2「時間とお金の、両方がないと辛い」
3「時間とお金の両方が、ないと辛い」
4「時間とお金の両方がないと、辛い」
いずれのパターンもあまり変わらない気がするが、強いて言うと、2については①の解釈に誘導しやすいだろうか。3は比較的②に誘導しやすいのかもしれない。

そんなことを考えていると、いつまで経っても文章は完成せず、時流に乗り遅れる。
誤解を与えずに端的に伝えるというのは難しいな…という感想を抱いた話、終わり。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?