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#104 ASMR(アスマー)

ASMR(エーエスエムアールまたはアスマー)という言葉を最近よく耳にします。

これは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略で、直訳すると「自律的感覚頂点反応」となります。「自律的~」などと書くとよく分からないですが、一般的には聴覚や視覚への刺激で、心地よくなったり、触感がゾワゾワするといった反応のことです。このASMRな内容を含む動画をASMR動画といい、動画投稿サイトでは今や一ジャンルとして確立されていますね。

どんな動画が具体的にはあるかというと、物を食べるときの「サクサク」という咀嚼音を強調した動画であったり、ひたすらパソコンをタイピングする動画、ただ焚火が「パチパチ」燃えているだけの動画などが挙げられます。ASMR動画を見る(流す)目的としては、「ストレス解消」や「作業の集中力アップ」、「睡眠導入補助」などに使われるようです。

癒やし効果や快眠効果があると言われているASMRですが、その理由についてはまだはっきりとしたことはわかっていません(マジか)。焚火の燃える音やタイピング音のように、聞いていて心地よい音はいわゆる「1/fゆらぎ」の解釈で説明できそうですが、咀嚼音のような普段聞いていてあまり心地のよくないと思われる音についても、ASMR動画で人気なのはどのような理由があるのでしょうか。

人間の脳の中で聴覚と触覚の処理をする部分がとても近い場所にあるので、音を聞いて聴覚が刺激されることで触覚の処理にも影響を与え、ゾワゾワっとした感覚が起きているという説があります。咀嚼音については、その音を聞きつつ、食べている映像を見ることによって、聴覚と触覚が刺激され、人が食べている音というよりは、自分が食べている音として聞いているのかもしれません。

動画を見ることによって、その音から揚げ物のようなサクッとしたものを食べたときの歯触りを思い出して、心地よくなるのではないでしょうか。ASMRを使って食品の販促を行う場合、誰でもわかる芸能人のようなインフルエンサーを起用するよりは、あえて誰だか特定できない一般の方を起用した方が、見てる側が自分に置き換えやすく、より高い効果を望めるのかもしれません。 

食品の写真は「シズル感」が大切ですが、これについても実際目の前にその食品があるかのように見せるための手法であり、その「音」番がASMRなのではないでしょうか。食品の販促を考えた場合、美辞麗句を並べるより、実際に一口食べてもらうのが一番手っ取り早いです。しかしそれが無理な場合、美味しそうな見た目や食べている行為、そして食べている「音」を見せたり聞いてもらったりすることによって、ユーザーの「体験価値」を提示することが大切なのだと改めて思いました。



と、ここまで一般論を書いてきましたが、実際自分はというと、やはり咀嚼音は苦手です。いわゆる「クチャラー」と言われる人たちには、申し訳ないですが不快感を感じてしまいます。自分はクチャクチャ食べないので、違和感を感じているのかもしれませんね。

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