見出し画像

暫定一位の夏の冷房対策

夏用の冷房対策になる上着を購入した。
新調したいと思ってから3年…いや、3年前といったらすでにコロナ禍だったんだから、それ以上か?今までは綿アクリルの紺色のニットショート丈カーディガンを使っていたが、綿混なので色褪せとほっこり感がもう気分ではなく、着る度に次に買うときの条件をリストアップしていた。


・黒(注意※場合よって他の色も検討する。色だけで射程外と決めつけない。)
・ポリエステル100%(色落ちしないから)
・クシャクシャにまとめてバックに入れてもシワにならない生地
・寒くて袖を通したときに、腕に安心感があり、着心地がいい(綿アクリルのニットカーディガンではこの安心感に救われていたので、接触冷感ではだめ)
・汗の湿度が適度に逃げる通気性のある生地(冷房対策とはいえ夏だし汗っかきだし)
・Vネック(似合う)
・ボタンあり(安心して暖まりたいので、前ボタンを締めたい)
・脇にゆとりがある(脇汗が気になるのと、ドルマンスリーブの上からも着れるように)
・ショート丈(バランスが取りやすい)

このように、コンセプトよりも利便性を重視して探していた。(ちなみに、コンセプトは進化して胡蝶蘭ではなくなり、シン・コンセプトで夏の制服上下を購入出来たのだが、それはまた別に書くとする。)



これが、全然ない。
あったのかも知れないけど、見つけられない。
そもそも、ポリエステルで皺にならないのに安心感の得られる通気性のある生地ってどんなの??想像つかないけど、この条件の物がいいし、私には必要だ、と自問自答ファッションに出会った去年の秋から本格的に探し始めた。しかし、一向に見つからない。三越、伊勢丹、バーニーズNY、GINZA SIX、新丸、大丸、ルミネ…etc これらのデパートを季節ごとにグルグルグルグル彷徨った。その内に夏の制服1セットは購入出来たので、それに合うものにしようと条件以外の軸も出来、さらに彷徨っていたところ、ふらりと立ち寄ったジーナシスで出会った。


ジーナシスなんて高校性ぶりじゃないか?
そのジーナシスのお店は、春頃前を通ったときに、柄物の雰囲気とか好きだったな〜と眺めていたら、目の前にヴィトンのスニーカーが現れた店舗だった。ファッションプレスかなんかで見たやつだ!と思い目線を上に上げると、鞄はマーク・ジェイコブス。他の着てるもののブランドは分からないけれど、スポーティで格好良くてキマってるファッショニスタなお姉さんがジーナシスで服を見ていた。「あきやさんの言う通り、お洒落な人はハイブランドからハニーズまで見てるんだ…」と、釣られるようにふらふらと店内に入った。見ていると、当時から柄は好きでも生地感が苦手で着られなかった物が多かったことを思い出しつつ、ブランドの雰囲気が地続きであることを感じられて、何だか嬉しかった。

今回の上着は、そのお店で出会った。


夏のセール真っ盛りの店頭を素通りしようとして、上記の風景を思いだし、引き寄せられるように入って行った。本当に「見るだけ」のつもりだった。

ぐるりと店内を見回して、カーディガンぽいものはないなあと肩を落としつつ、目に止まったシャツがあった。黒だし、ポリエステル100%っぽい…でも探してるのはシャツじゃなくてカーディガンだし…と他所に目をやると、店員さんが何かお探しですか、と声を掛けてくれた。カーディガンを探していて、と伝えると、やはり今の時期はないと。ジャケットなら…と紹介してくれるも、バックに入れて持ち歩くような物ではないのでお断りする。条件と全く違う上着を見ると、あのシャツ、条件は結構当て嵌まりそうだぞ、と認識を改め、試着するだけさせて貰おうと思ったのが切っ掛けだった。

着てみて、バシッ!と来た訳ではない。
けれど、条件が次々とクリアされていった。

・黒→ OK
・ポリエステル100%→ OK
・クシャクシャにまとめてバックに入れてもシワにならない生地→ OK
・寒くて袖を通したときに、腕に安心感があり、着心地がいい→ OK
・汗の湿度が適度に逃げる通気性のある生地→ OK
・Vネック→ OK
・ボタンあり→ OK
・脇にゆとりがある→ OK
・ショート丈→ ☓ミディアム

難題だったのは、ポリエステル100%なのに安心感があり、着心地がよく、汗の湿度が適度に逃げる通気性のある生地であること。なんとそれがクリアされていた。そんな生地が存在するのか!世界ってすごい。モケモケしてる部分があるお陰で着たときに暖かさと安心感が得られ、それ以外はとても薄いので自分の汗の湿度でムッとすることもない。今までだったら、絶対に買ってないデザインだったが、とにかく試着!着てみなくては!と強く思っていたから出会えた。試着って大事だ…!

ショート丈ではなかったが、前を締めたときの安心感がよかった。寒いときはお腹冷えるのも心配になるし、有りだな…となる。ボタンを掛け違えてつければショートっぽくも着れるし、どうしても嫌ならリメイクすればいい。たくさん試着して来たからだろうか、「わー!欲しい!!」というテンションではなく、「うん、うん、(要所をチェックして)……今出会える中での暫定一位はこれだ。間違いない。これにします。」と、私らしい坦々とした買い物だったが、今、じわりじわりと嬉しさが膨らんでいる。

ボタンはプラボタンから家にあったビンテージ()のシルバーボタンに付け替えた。元々付け替え前提で購入したが、帰宅後に家でもう一度着たらパキン、とプラボタンが割れてしまった。なるほどお値段相応…。付け替えはモケモケが邪魔して手間取った。この生地を自分で裁断して縫うの絶対に嫌だな…と思うと、つくづく買うことで手に入れられてラッキーだったなあと思う。私の代わりに作ってくれた人、ありがとう。

さて、カーディガンを探していたのに、シャツを買ってしまった。セールでとんでもなく安かったものの、今後しくじったな〜と思うことがあるかも知れない。だが、ここまで条件の合う物に出会えたのだから、しっかりPDCAを回して自分の糧に出来ると思う。


この上着のお陰で、探してる物はこの世にきっとある!と思えた。大袈裟に聞こえるかも知れないが、希望が見えた。あとは、私が自分としっかり向き合って、本当に欲しい物は何なのか、洗い出すことだ。これからが自問自答ファッションのスタートのようにすら思う。この上着購入熱が冷めない内にしっかり自問自答していきたい。


追記
ひと夏過ごしてみて、着る度に嬉しさが高まっている。冷房効きすぎの店内はもちろん、美術館などでもサッと着れる。絵画や観劇の世界観を壊すような色でないことも、何となく着やすい。※
この夏一番満足度の高い買い物となった。


(注※私が着やすい気持ちになるだけです!皆さんは美術館も観劇も好きな服を着て下さいね!)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?