シュペルターと歩む15年記 #6
コラム3:我愛広州
🛫銭ファー、前回は対談お疲れさまでした。初note登場どうだった?
👌5㎏減…
🛫えっ?
👌わたしゃー広州の水道水を飲んで、ちゃんとお腹こわしてたよ‼
5㎏も体重減ったんだからね!繊細なんです。アナタと違って!
🛫あーーー。
らっ、Lineインタビューの編集の都合でそういう書きぶりにっ!
しばらくお待ちください。
気を取り直して、
今回は“役に立たないAll about 広州”やっちやいますので
ご協力おねがいしま~す。
トトムの知らない広州!探訪編
🛫えーつと日本人の奥さま方の集まり、アレなんていう名前だったっけかな?広州婦人倶楽部?
👌広州日本人会?やったけ名前忘れたわ
🛫う~ん、広州婦人会じゃなかったけ?
👌そうだった、そうだった。
🛫お堅い名前だけど、実体どうなん?
マダーム的なリーダーがいて、
『新入りさん!しきたりには従っていただきますわ。』
みたいな儀式あったの?
👌うん、全員頭巾かぶって目だけ出してね。ってそんな訳!
みんな、なんか良い人が多くて
小さい赤ちゃんがいるママたちのサークルとか教えてくれたり、
駐在が長いママさん達が色々おしえてくれてランチ一緒にいったり
段々楽しくなったよぉ~
🛫それはよかったです。ほっ
特に面白かったこと教えてください
👌そうですねぇ~。初めてのお買い物ツアーが楽しかった!
万菱広場に行ったときは雑多なものがもう沢山あって
目がチカチカしました。
🛫あー、万菱はこの後の解説編で
👌それ、やたら文字数多くて、絶対読めないやつじゃん!
🛫読まれるために書いているのではないのだ!(悔し紛れ)
👌一人行けない遠いところにある淡水パールの養殖場と真珠アクセサリ工房の見学をしたり、
(🛫『遠いところ』⁉たぶん場所がどこかもわからず行ったんだろうなぁ。)
👌市内観光とかもいったなぁ~。
(🛫市内いったのかぁ~)
👌お茶市場もすごかったぁ~
(🛫すごかったんだなぁ~、語彙よ!語彙。)
🛫そういえば何とか城で、公安のガサ入れに遭遇したんだったっけ?
👌あ~~革城ね~~、鞄屋さん一斉に閉店していたよぉ。
確かママ友と5,6人位で行って、『この鞄が~』とか言ってたら
急にお店の人が入口のガラスドアの内側にあるカーテンを閉めだして、
私たちはお店の中に残ったままなんだけど
店員さんが入り口に鍵をかけて(笑)
『今公安が来てるから静かにしてて』と言われた。
(最初の頃で中国語わからなかったけど、そう友達が教えてくれた!)
🛫あっ、公安が来ると静かにお出迎えするのがしきたりなんだね。
銭ファーが、急にブッ飛ばしてしゃべってくれたので、
かなり??が増えましたね
ここからは解説編(文字数多いやつ)です。
広州の街
《〇〇城》
特定の種類の商品を売っているお店屋さんが
テナントとして集結したビルを、その商品の種類の名前を冠して
〇〇城と呼ばれています。
売ってるのが靴なら『靴城』とか、前出の鞄の『革城』とかですね。
中国語で『城』というのは姫路城みたいな城郭ではなく、
一つの都市を表すのですが、
都市のように何でも揃うということを表すのでしょうか?
ビルは大厦(ダーシャ)が一番フラットな(特別な意味を持たせない建築物の種類としての)使われ方です。
他にも〇〇広場という名前が付けられているのもよく見かけます。
日本だと“なんとかプラザ”というような、みんなが集う所を、
中国では“〇〇広場”というのですが、
例えそれが広い公園のような場所ではなくても、
ビル自体が〇〇広場という名前になるので、最初は少し戸惑います。
《万菱》
“城”も“広場”もつけずに日本人の間では万菱(中国語ではワンリンですが、”マンビシ”)と呼ばれて親しまれているビルがあります。
おもちゃ、雑貨の卸売りのビルです。
卸売りといっても観光客にも開かれており、
おみやげに1個から買う事ができますが、
中にはまとまった数量での卸売りのみしかやらない店もちらほら見えます。
このビルには1階から6階(が最上階だったかな?)まですべての階に
おそらくこの世の中にある“どうでもよいクダラナイもの”が詰まっています。
ものすごくクダラナイものなのですが、いつもその熱量に圧倒されて…
何回か行ったのですが、写真が全く残っていません。
ネットで“広州 万菱“で調べてみると、ありました。
ネットでは”万菱広場”と記載されていますが、写真で見るとビル入口の表示は万菱玩具精品 華南総匯と書かれていますね。
最後の匯はフイと読みまして、”集まる、集合する”という意味でして、
西洋風にいえばcinema complex(シネコン)のコンプレックスくらいの
意味といえば良いのでしょうか?
私が赴任していた4年間の間にも、どんどんと
新しいショッピングモールがオープンしました。
それらは多くが“〇〇匯”という名前で、
雑然とした万菱と違い、
名前にふさわしい超近代的且つおしゃれなものになり、
それはそれで大歓迎ですが、中国らしからぬ。というのがちょっと惜しい。
でも”中国らしい”を日本人のイメージで決めつけてはいけません!
中国の大都市はやはり巨大マーケットとあって、
グローバルなブランドもここをターゲットにして
どんどん進出し、国際的になっているんですね。
”大古匯”には当時日本にはほとんど進出していなかったZARA HOME
があり、IKEAだらけの中国インテリア界に一石投じておりました。
いやホントに最初のころはどこへ行っても、
IKEAのプラスチックのイス、食器や
スポットライトみたいな照明器具(すぐ電球が切れる)
ばっかりだったんですよね。
また既に日本からは撤退しているハーゲンダッツカフェも
マンション併設の商業エリアに入っており、
アイスに埋もれたい時には、Must Goです。
《芳村》
村と言ってものどかな田園風景ではありません。ビルが立ち並んでいます。
行政区画上“村”という位置づけなのですが、
芳村はお茶の村として有名で茶葉や茶器のお店でいっぱいなのです。
といいつつ私はもっぱら中国茶は広州市内のお店で調達しており、
芳村へは行ったことがないので、
ここは実際に芳村経験者の銭ファーさんに解説してもらいます。
👌ここはいきなりおいそれとは行けないので
駐在歴の長いママさん関係で、連れて行ってもらいました。
一つのビルだけでも中はお茶の店だらけ!
茶葉だけじゃなく、茶器やお茶関係の道具なんかがいっぱいです。
そんなビルがいくつも並んでいて、もう
そんなにたくさんお茶の店ばっかり集まって
お客さんは足りているのかと心配してしまいます。
もう店が多すぎて、どこが良いか選びようがないので、
代々の日本人駐在者の奥さんで、
茶葉はこの店がいいよ、とか、
茶器だったらこの店!とか語り継がれているみたい。
店ごとに品質とか値段とか比べてたらそれだけで
一日が終わってしまう。
お茶界のルーブル美術館とでも言っておきましょう。
そういう私はお薦めの店で杯子(べいず:中国茶の湯飲みですね)とか買いました。
広州市内のお茶屋さんと何が違うかといえば、品揃えだけじゃありません。
普通、『これちょっと買って帰ろ!』とか思わないような
でっかいお茶専用の机がダーって並んでいるお店は圧巻でした。
🛫それって温具とか洗茶とかの時にお湯流せるようになってるやつでしょ。いいな、いいな!それって幾らやったん?
👌言うと思った。トトムそんなん好きやからね。
でもゆめゆめ買おうなんて思わないので値段なんて見てません。
🛫なーんだ!
ショッピングモールなどへの移動はタクシーが基本です。
初乗り運賃は地域によってます違いが、
郊外では4元くらい、
都市部でも10元以下だったと思います。
当時1元=約13円なので、近い距離なら50円~100円そこそこで利用することができる便利な足です。
ちょっとの距離でも広州は暑くて汗ダラダラになるので、
気合を入れて汗をかくつもりでなければ、タクシー必須です。
タクシーの運転手さんによっては、
視界に入るくらい近距離にある、ショッピングモールと駅の間を往復する
(要は駅前の一方通行のでっかいロータリーみたいな道での循環かな)
短距離専門で回転率を上げて稼ぎたい人もおり、
かえって遠くに行く場合のほうが、
『ここまで行きたいのだけど大丈夫?行ってくれる?』
とお願いする必要があります。
中国茶の世界
我々にとってお茶といえば日本茶ですが、種類としてはどれも緑茶ですね。
緑茶は茶葉を発酵させないようにして作るのですが、
中国茶では発酵度や加熱方法により
白茶、黄茶、緑茶、青茶、紅茶、黒茶と6つの区分があり、
それぞれの区分の中に、更に様々な茶の種類があります。
有名なものといえば
緑茶では西湖龍井や恩施玉露
青茶はなんといっても烏龍茶(鉄観音は福建省産の烏龍茶です)
黒茶はプーアル茶です。
ちなみに紅茶はそのまんま紅茶ですけど、
中国のレストランで食事をしていると、
美味しいお茶に巡り合うことがあり、
自然と自宅でも飲んでみたくなります。
ただなかなかレストランで飲んだような味わいにならない
と首をかしげてしまいますが、
やはり茶の淹れ方、以前に茶葉の質が大切。
またまた奥様ネットワークの力を借ります。
マンションの近所に日本人が経営している中国茶のお店があるということで行ってみました。
比較的地元の人向けのマンション(中の廊下が暗い)
の普通の一室がお店になっており
ドアを開けるまでは怪しさ満点ですが、これは中国では以外と普通。
お茶屋さん以外にも〇賊版DVDなどを売っている、
マンションの普通のお部屋っぽいお店もありました。
(やっぱり怪しく感じますね。)
その中国茶のお店は大高勇気さんの経営する店、Chinese Life。
途中でちゃんと店舗が借りられたということで
普通の怪しくないお店になっており、
好んで怪しい雰囲気にしているわけではなさそうです。
芳村のところで書いた、
”中国茶をいつも買っていた市内のお店”というのがChinese Lifeです。
大高さんは中国のお茶農家さんを勢力的にまわって、
普通ならほとんどがヨーロッパに流れる最高品質の茶葉を確保すると同時にお茶農家さんの経済支援もするカリスマ茶芸師なのですが、
気さくな方でいろいろと中国茶について教えてもらったり、
奥さんは茶芸を習い、中級茶芸師の資格も取りました。
茶芸というのは、作法に則って美しく、おいしくお茶を入れる技術です。
中国では急須ではなくガイ碗という蓋つきのお椀を使います。
お椀に茶葉とお湯を入れ、蓋をして蒸らし、
蓋をわずかにずらして、茶葉を出さないようにしてお茶だけを
茶海(ワインでいえばデキャンタ的な容器)へ移すのです。
茶芸の技術として片手で優雅にガイ碗から蓋をずらしてお茶を淹れるのを習得する以前に、指が熱いのなんのって、
猫舌、猫指の私には到底真似はできません。
では中国では急須はないのかといえば、あるんですよ。最高のやつが!
その名も紫砂壺(ズシャフー)
これは宜興(イーシン)という場所でのみとれる紫砂という、
砂と泥の中間的な粒度の土で作られたものです。
素焼きよりも小さいミクロの穴があり、
使い続けるうちにお茶の味と色を吸収して、
使えば使うほど成長していく壺です。
紫砂壺を育てることを“養壺(ヤンフー)“という
紫砂といっても色は紫ではなく、赤味の強い茶色、オレンジが買った茶色、黄土色、黒(天青泥)などいろいろで、
デザインも伝統的なスタイルから前衛的なものまでさまざま、
まさにコレクション心をくすぐるのですが、
普通急須を何個も置いてあるご家庭ってないですよね。
それがまた紫砂壺ではうまく(理屈が)出来ておりまして、
色と味を吸収するので、
一つの壺につき淹れるのは1種類の茶葉に限る!
というのが基本になります。
しかも前述のごとく中国茶はお茶の種類が豊富。
安からぬ壺を買い集める怪しい趣味の後押しをしてくれる設定
となっています。
コレクションした(いや中国茶をたしなむのにやむなく必要となる)
紫砂壺は、マンションの部屋の作り付けの棚に
飾っていました(いや使わない時に収納していたんです)が、
ママ友のご自宅に素敵なお茶道具収納専用棚があったということで、
その家具屋さんを紹介してもらいました。
普段あまり行かないマンションの南西にあるお店で、
店の中に細い用水路が流れていて金魚が泳いでいる
なんとも風流な家具屋さんです。
家具は基本受注生産と聞いたので、設計図も用意していきました。
①②紫砂壺
③お茶を淹れる時につかう台
④プーアル茶の固まりである茶餅
⑤その他茶器
のサイズに合わせた仕切りと
常温保存できる紅茶や黒茶の茶葉を入れる引き出しを
効率的に配置した設計にしたつもりです。
値段を見積もってもらうと4300元=6万円くらいでしょうか?
オーダーメイドにしては妥当なお値段ですので
製作してもらうことにします。
棚は完成次第、配達していただけます。
完成直後は接着剤、ニスの匂いが強いので
気長に匂いが取れるのを待つ必要がありました。
1週間かそこらで、匂いがそこそこ収まると早速茶道具を収納
いや~、設計通り!非常にいいですね。
我々が中国から帰任した後も中国に引き続き駐在されていたママ友様
から情報が入ったのですが、トトム設計のこの棚、
使い勝手でなかなかの人気らしく、
同じ設計のコピー品が出回ったそうです。
広東料理
食の街広州!広東料理は日本人の好みにもピッタリでとてもおいしいです。
広東料理とは、一口でいうと
四川料理のように辛くなく!
蘇州料理のように甘くなく!
日本人の好みにピッタリで。(さっき聞いたぞ!)
だって日本料理だって一口で言えないでしょ。
一口で言うと『一口で言えない』ってことで、
一口で言えないから日本人にぴったりなんです!
ふー、なんとか誤魔化したぜ。
マンション併設のレストランや周辺のおすすめレストランなども
奥様ネットワークの情報に基づきGo to Eatです。
いや中国語だから“去吃吧(チーチーバ)”…食べに行こう。
おすすめはなんといっても点心、小籠包は上海が元祖ですが、
広東料理もおいしくてかわいい点心がいっぱいです。
また甘くはないのですが、点心の一種の腸粉もおすすめ。
名前はエグイですが、米粉をベースにした蒸しクレープです。
料理の方はといえば、親しみやすいところでは、お粥(ジョー)も絶品です。
神戸元町大丸の近くにある、香港甜品の店、甜蜜蜜では、
腸粉、広東風お粥と、厳選中国茶がお楽しみいただけます。
(香港は広州と同じ広東料理圏になります)
特別な日にはちょっと高級料理を食すのも吉
フカヒレ、アワビなどの高級食材も日本で食べるよりは安く、
少しは身近に感じますが、やはり頻繁に食べるというわけにはいきません。
注文方法はテーブルに着くとわかります。
紙とちびた鉛筆が置いてあります。
(べつにちびてなくてもいいんですけど、だいたいちびてます)
料理名が書いてある用紙に注文する数を書いて店員さんに渡すだけ。
メニューに写真が載っている場合は、
どんな料理か見てわかるのでそれと同じ番号を選んだり、
料理名の漢字でどんなものか想像しないといけないこともあったりと
お店によっていろいろ違いはあったように思いますが、
基本、おいしくないものはないので、
当たって砕けろ(いや喜べ)でどんどん頼めば良いのです。
ちなみに店員さんを呼ぶときは『服務員(フーウーユェン)』
と声を掛けます。(ふくむいん!日本語だと硬いな)
服務員もこれまで書いてきたその他中国語もすべて標準語です。
広東語だと『ランニュー』、漢字では『美女』!だそうで、
漢字から見ても女性の店員さんに対する言葉なんだと思いますが、
どんないきさつで店員さんをそこまでヨイショするのか?
男性店員は何と呼べば良いのかなど謎が多すぎ。
ただ広東省に住みながら、広東語には少しも手を出さないのが
正しい中国生活だとつくづく思っています。
だって標準語の四声(しせい)
一声:高く引っ張る
二声:尻上がり
三声:全体的に低めで下がって上がる
四声:尻下がり
は中国語を習う人ならば必ず苦労するアレですが、
広東語はある程度省略化が進んでも六声、
香港は古くからの広東語のままで八声か九声あるらしいので、
絶対に日本人には聞き分けられないし発音もできない世界です。
なお中国語では標準語のことを標準語といわず
“普通話(プートンファ)”といいます。
ちなみに量産型ザクも中国語では”薩克 普通型”と書きまして、
標準とも量産ともいわず、普通に“普通”と
さらっと言っちゃうところが、さり気にカッコいいです。
ザクは現在では扎古とか渣古などという表記になっているようですが、
30年前に見た、中国海賊版ガンプラの記憶では薩克でした。
しょせん近い発音の漢字で当て字をしているだけですので
漢字表記はタイトルのガンダムですら高達だったり鋼弾だったり
変わり放題。
だいぶ話が横道にそれましたが、広州でおいしいものを食べるには
地球の歩き方に書いてあるような、食べ方マニュアル不要!
料理も適当に選んでも損はなし
店員を呼ぶには服務員でなくても、美女でも薩克でもいいんです。
(ザクはまずいか?)
おいしいものを食べたい!という気持ちがあれば、
中国語がわからなくても思い切って部屋から一歩外へ踏み出し、
安心してレストランのドアをくぐりましょう。
👌ちっちっちつ、君は知らんのだよ! 広州レストランの光と影を
🛫うわっ ビックリした!銭ファーまだいたんですね。
ハイなんでございましょうか?
👌レストランへの”持ち込み”に関わる”光と影”です。
🛫へー
👌まずはレストランをより楽しむ光サイドから、
食事といっしょにお茶を飲むのが良いのだけど、
レストランのメニューのでなくて
普段から飲んでいる気に入ったお茶を飲みたい人は
茶葉の持ち込みが出来るんだよ。
私はちっちゃいビニール袋に茶葉を入れて持って行って、
『これでお茶淹れて』って店員さん(広東語で薩克だったっけ?)
に渡してました。
ちゃんとポットでお湯を入れて持ってきてくれるんです。
🛫会社の近くにある安い食堂なんか、
宴会するときにビールを何ケースも持ち込んでたな。
食事代で割安感をもたせて、飲み物で利ザヤをかせぐ日本式飲食店に対してなんとおおらかなことでしょう。
👌次はダークサイドだけどぉ~
私らはそこまでしませんでしたが、
中国人のお金持ちは料理用の油を持ち込んで、
頼んだ料理を炒めるのに持ってきた自分の油を使うように
指定するのだそうな。
🛫それってまさかあの、地溝油(ディーゴウヨウ)伝説ですかい?
都市伝説のように現地の人(中国語の先生)から聞いた話で、
ドブに浮いている油(必ずしも食用だったとは限らない)をすくって、
精製し、食用油っぽくした”地溝油”というものがあるのだとか。
屋台なんかで売っている炒め物はかなり危ないので買わないように、
といわれましたが、ある程度しっかりした店(このあたりの感覚は微妙)
ならば大丈夫だろうと聞いていたのですが。ガクブル、ガクブル。
まぁ繊細な銭ファーが広州のレストランで食べて
お腹を痛くしたことはないので大丈夫なのでしょう。
なお広州では高級料理店をふくめても大陸的合理主義は一貫しています。
多少縁が欠けている食器でも普通に使われていますし、
お手拭きをくれる時でも、ちょっと遠くければポイって投げてくれます。
だって縁が欠けていたって料理はこぼれませんし、
近づくため数歩、歩くよりも投げたほうが早いんですもの。
慣れれば気になりません。
あと食べ残しはどんな店であっても、『打包(ダーパオ)』と言えば、
容器に入れて持ち帰れるようにしてくれるのが普通なので、
フードロスもミニマムですね。
身だしなみは足元から始まり、〇〇で終わる
中国生活で困ることといって、一番に思い浮かぶのはトイレ事情!
はないかと思いますが、
少なくとも広州の街中にいる限りはトイレはきれいですし、
使用料もいりません。
“大”の個室にもちゃんとドアがありますし、
ほとんど困ることはありません。
でも慣れないとなかなか難しいのが散髪事情
散髪というと日本でも初めての理髪店にいくとなるとハードルが高いです。
自分の髪を客観的に把握して、こうしてくださいと適格な指示を
皆さん、よく出せますよね。
あと知らないヘアースタイルの名前を聞かれてもね。
新型コロナが一番深刻だった頃、行きつけの散髪屋さんが
”マスクしていない”というので、バリカンを買って、
家で銭ファーに刈ってもらっていましたが、
だいぶコロナが収束したってんで、
いつもとは違う近所の散髪屋さん初挑戦。
『髪型どうしますか?』
『あー、適当に短めにしてください。』
『ツーブロックですか?』
『いや会社員がツーブロックだったらまずいでしょう。』
『でも、今ツーブロックですよ。』
『えっ?これは、暫くの間家で
奥さんにバリカンで刈ってもらってたんで。』
『上手に刈られてますやん。』
ツーブロックの正体よくわかりません。
こういった日本語でも微妙にわからない会話が
中国語で出来るわけがないのです。
最初のうちは日本に帰国する度に散髪屋さんに行ってたんですが、
だんだんと長期休暇は中国内外で旅行するようになって、
日本への帰国頻度も減ったため、中国の散髪屋さんに挑戦することになりました。
散髪料金はというと
郊外にある散髪屋さんが15元くらい
広州の都市部だと60元~45元。
(駅から離れるにつれてだんだんと安くなります)
そして駅前のビルに入っている日本人理髪師なんかがいる散髪屋さんは
100~150元
ちなみにこれらの選択肢とは別に
普通は日本人の選択肢にはない『橋の下の床屋さん』も存在します。
川を渡る大きな橋のたもとから、橋に上がらず川に突き当たる側道には
民家というか、地元の方の住むおうちが並んでいますが
そんなところにある床屋さんです。
橋の下に限らず広州の地元の人の家の作りは
二階が住居で、一階がシャッターのないガレージ
というかタイル張りのオープンスペースになっていることがよくあります。
そこにプラスチックのテーブルやイスを2セットくらいならべて
食堂をやったり、
食料品を売っていたりと
お店をやっている人もいるのですが、
イスをちょこんと置いただけのほぼ青空床屋さんもあるわけです。
日本人が行けるようなところとはおおよそ思えないわけで、
遠くから見るだけで、その橋の下の床屋さんはまったくどんなものかわからなかったのですが、
会社の中国語の堪能な同僚日本人が、
なんと!橋の下の床屋さんの常連さんだったのです。
(私より後に広州に来たので、前人未到地を開拓した
というべきでしょうか)
髪型が坊主頭というか”雑”になったので、
『散髪、家でやってるの?』と聞くと
『橋の下の床屋さんに行ってみた。』と
えっ!どんなん、どんなん?
料金は1元くらいって言ってたかな?13円です。
同僚は中国語がうまいけど当然発音が広州訛りではないので、
『お兄ちゃん(中国の)北の方の人?』と聞かれ、
『日本人です。』と答えると
『えっ⁉日本人なんか来たことないで!』と大いに驚かれたらしい。
日本人が中国の文化に驚くのが普通なのに、
日本人が広州の人を驚かせてどうするよ!
『でも中国語がペラペラだから、散髪具合も伝えられるんだね。』
というと
『髪型なんか、どう指定しても坊主頭に刈られるだけなんで、
中国語が話せるかどうかなんて、関係ないですよ。』
『まぁ散髪中はもっぱら世間話してます。』ということでした。
ちなみに例の島の問題の時なんかは広州でもデモがあったんですが、
その床屋さんでは
『あれは政府が勝手にやっているんでな、わしら日本人には何も思っとらんで』という心温まるお話があったというのは、本人から聞いた事実です。
ところで私はというと60~45元のカテゴリーの散髪屋さんに
行っていました。中間レベルを選ぶ日本人精神発揮です。
さらに駅前のマンションから歩いて理髪店のある方向に進んでいき、
1件目60元、2件目55元、3件目50元とだんだん安くなるお店の
またまた2番目を選ぶ徹底した中間(というか上から2番目主義)
の私なのです。
そういったクラスの散髪方式は特に予約なしで、店に入り、
請剪頭髪(パーマや髪染めをせず刈るだけ)
そこで理髪師を指名するか、
その時手の空いている理髪師に任せるかを選びます。
理髪師指名時は指名料金がかかりますが、わたしは理髪師はお任せです。
指名料金をケチるというよりも、
前行った時の理髪師さんを覚えているわけでもなく、
細かい指示もできないので、
誰にでも、どんな髪型にでもして!という感じだからです。
会社の通訳の人に聞いて覚えた最低限のリクエストとして
両辺短一点点(横は短めに)
前面、上辺不太短(前上と上は短くし過ぎないように)
を伝えた後はもう”まな板の上のコイ”。
目をつむってお任せするばかりです 拜托你了
メインの道具はハサミではなくバリカン。
それが刃先の潤滑が悪くて刃の摩擦で発熱して、熱い熱い!
髪を刈ったあとは洗髪もしますが、
普通のシャンプーですか?
それとも理容師お薦めのスペシャルシャンプーにしますか?
と湖に落とした斧を拾ってくれた神様のように聞かれます。
理容師の指名も髪型の指定もできない私としては
慎み深く『普通のシャンプーです』と言うべきかもしれませんが、
やっぱりシャンプーだけに強力な洗浄力をもつ床掃除用洗剤
みたいなのを使われてもイヤなので、
追加料金をはらってもこの時ばかりは理容師お薦めのに替えてもらいます。
散髪の仕上がりは理容師によって大きな違いがあります。
(これは技術ではなく美的センスの違いなのでしょう)
ある時、いつもの如く目をつむっておとなしく刈られていたのですが
途中でパチッと目を開けると、
南国でも過ごしやすい、小ざっぱりとした髪型に近づきつつある。
うん、良い良い。
また目をつむって終わるのを待つ
ウィーン(バリカンなのでチョキチョキではないんです)
ブィーン
ムイーン
ん?このペースでのバリカン刈りがいくらなんでも長すぎるんでないかい?と気づき
目を開ける。アーレーほとんど丸刈りじゃん!
これでは橋の下の床屋さんと同じであるが、
まぁなってしまったものは仕方がない。
家に帰って、『ただいまー』と玄関ドアの陰からチラ、と顔をだす。
奥さん、娘は『髪がない!』『ヒー、ヒー』と大うけ。
ただ会社に行くと、みんなノーリアクションでした。
後で聞くと別に気まずくて黙っていたのではなく、
フツーに似合っていたのだそうです!
うん、それも辛いな!
またある時は
『仕上げに整髪料のスプレー使いますか?』と聞かれ、
スプレー代は幾ら?
『これは無料です。』
『じゃあ(試しに)お願いします。』 (やめとけばいいのに!)
シュワー、シュワー、スパパパ
ハイ完成!
オゥッ‼ なんとボリューミーな前髪!
毛先生の毛の横のところみたい。
ある意味、坊主頭よりもこちらのほうがヤバイ!
あれだけの髪の長さで、よくこれだけボリュームを出せたな!
理髪店から出てすぐに、手で髪をくしゃくしゃしたけど、
自分の技術ではどうやってもアレの再現は不可能。
写真を撮っておけばよかった。
街に出かけるのに疲れた時は近所の公園でくつろぎの時間を。(暑いけど)
前にも書きましたが、とにかく広州の人は老若男女公園に集うのが大好き。
昔の中国であれば老人が太極拳をやっているイメージですが、
当時はエアロビとかが流行ってまして、
数名から十数名のチームで、ラジオ体操の如く整然とならび、
その前にインストラクター(チームリーダー?)が立って
みんな一心不乱に踊っています。
そのチームの中におじさん、おばさんもいれば、若者、お姉さんもいる
という謎なメンバー構成なのですが、
そういうチームが何チームもあり、
どういう募集の仕方をしているのかは全くもっての謎です。
ちなみに中国のラジオ体操は、私が赴任していた当時は
ラジオ体操第七で、会社の始業前などみんなで体操していましたが、
信頼筋にきくとラジオ体操第八が現在の最新にして主流だそうです。
(全く流行らないラジオ体操第二までしかない、日本とは大違い)
朝は公園の地面にタイルで引かれた線をなぞって、
後ろ向きに淡々と歩く人をよく見かけます。
これは何かの健康法なのでしょうか?
あと水でタイルに書をしたためるおじさん。
近寄ってみてみるとあまりの達筆さに驚愕。
これまでの公園で広州の皆さんがくつろく様子は
人にカメラを向けるのも失礼なので、
撮影は控えていましたが、
このおじさん、
他人に自分の技を見てもらいたい気持ちもあるのでしょうし、
兎に角凄いので一枚写真を撮らせていただきました。
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