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穴を埋めてこんもりとさせる(2024/1/7)

これは育休前、育休中、育休後の2023年8月10日から2024年3月5日に僕が付けていた日記を、振り返りながら、1日分を毎日更新しているものです。(149日目)


 僕の父とワン氏は、誕生日が同じだ。父が死んだのは2017年、ワン氏が生まれたのが2021年なので、2人の誕生日を一緒に祝うことができたことは残念ながらない。父は露骨に「孫の顔が見たい」という欲求を僕にぶつけてきた唯一の人だ。長女は未婚で、長男は子を持つ気がなく、僕が父にとって残された希望であったわけだ。父が胆管がんで入院することになった時、手紙で「現在妊活中、孫の顔が見たいでしょ!!」と励ました。だが、本当にあっけなく、ガンが発見されてから1ヶ月も経たないうちに、父は死んでしまった。それから、4年後にワン氏が生まれたのだから、全然間に合わなかった。
 今日、夕方ワン氏と2人で公園に遊びに行き、帰りに父の墓を参った。ワン氏に「おじいちゃん、がいこつさんになっちゃって土の中にいるから、お話してあげて」と伝えると、
「おじいちゃんきたよ。ぼくはのりものとへりこぷたーがすきなんだよ」
とお話してくれた。僕が手を合わせていると、ワン氏も真似をして手を合わせてくれる。
「ばいばいまたくるね!!」
と二人で元気に手を振って家に帰る。
 穴は大きいが、僕たちはこうやって土をかぶせて日々を生きていくのだ。

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