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俺たちが変えられるのは未来だけだ!“無難な結末アニメへの警告”

地球外少年少女

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Netflixで限定配信の国内アニメとして2022年に披露された。

宇宙ブームは一定の落ち着きを取り戻したようにも思うが、
コロナ禍において、外へ…何処か遠くへ…という希望からか、また毎度のように淡い思いを私達は抱く。地球以外で住めたら、と。

そんな未来を手っ取り早く可能にしてくれたアニメ。
その輪郭線の線幅や塗りと色彩の豊富さ、キャラクターの眼の輝きと大きさ、口角の角度、肌の統一された質感、現実的なツールを使った宇宙への旅、、
このアニメの中でスポンサーが多く宇宙船についているが、ほとんどがファストファッションや格安チェーンなどのロゴに似せたもので、親近感と僕にも私にも宇宙に旅行へいける、、と思わせてくれる。
そんなコスパの良い宇宙旅行を演出してくれる。
そう、宇宙にはコロナウイルスも花粉もないしね!でも、僕ら私らは宇宙に行ってもマスクはするしフォロワーの数を気にする。

ラストがファイナルファンタジーに酷似しているという記事を読んだが、
こちらはイデオンでいきましょう。

宇宙で漂う健康体な男女のイデオンに対して、

2022年のアニメ地球外少年少女は、文字通り肉体がまだ覚束無い少年少女。

どちらも発光してます!
希望の光を視覚化したのでしょうか。

●疑問1●

結論こそ真逆ですが、
上記の表現はオマージュでしょうか。
オマージュはこのアニメの全体にいえることですが、何故オマージュをしなければならなかったのでしょう?
宇宙ってそもそも、だれも何もよく分からないですよね。分からないなら、なにをやってもいいのではないでしょうか。。
大きなロボットを宇宙に浮かべてみたり、太陽に衝突してみたり、本棚と宇宙を繋げてみたり、、まだまだ沢山とんでもないことやりたい放題イメージし放題なはずなのに。オマージュって宇宙に必要でしょうかね。


●疑問2●

ネタバレですが、5人の少年少女達は地球のオピニオンリーダーとして地球を守り続けるという戦隊モノのキャストで飾る終わりで、ハッピーエンドでしたが、あまりにも幼稚な解決で地球は救われた訳です。
僕ら私らにも地球を救えるんだ!というメッセージでしょうか、、
もちろん現実でも少年少女たちには時間的に未来があって可能性は多くに開かれています。
途中で少女が息絶えそうになるシーンがありましたが、割と根性論で少女を救ってしまい、その感動で渋谷等の人々が、世界が歓喜していましたが、そんな簡単なことでしょうか。。
リアリティの軽薄さが随所にみられるのに未来は俺らが作れるって言い放つメッセージがあまりにも乱暴で、そのある意味で暴力的な行為がこのアニメで問題にしている人口を増やした理由の1つなんじゃないでしょうか。
根本的な解決法があまりにも使い古され、理にかなわないことから、作り手はいったい何を伝えたかったのか終始謎です。

●疑問3●

勧善懲悪ならまだしも、唯一の悪役のナサは声や姿が可愛すぎるし、悲劇のヒロインにもなりきれない。
このアニメが好きな人はきっと多いと思います。しっかりと哲学的なこともいっていますし、所謂考察もある程度ならできそうです。
その「無難さ」が今に求められているものだとするならば、それは誰も傷つかない誰も死なない現代的といえる作品で、そういった「無難さ」を狙って制作されているのなら、手放しに讃頌しますが、それがなにか行き違った正義感、例えば小学校で教わったことが全てで、友達を助けましょう、いじめはよくないです、と只々近道で正論をいっているだけでそれじゃあそれで成功してきましたか、という話です。突貫工事で付け焼き刃的に話を終わらせても、大きな問題はただ後回しにしただけで、その事に触れない点が実に日本的だなということ。
それを制作者側は意図していたか否か全く不透明です。

●良い点●

長々と斜め目線で語ってきましたが、
第一話は心が勝手に躍るし、キャラクターの動きの滑らかさに快感を覚えます!
あまり何も起きない宇宙で色々とこの世界の取説を読み上げてくれる感覚は、
箱を開けてバラバラな部品のガンプラを組み立て始める瞬間に似ています。(またガンプラって…笑)

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