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"お金"と人の"心"

よく『あの人は、いい人だ~』
『ほんと、神様みたいな人ね~』と言う言葉を
耳にする時がありますが
そう言われる"人"と言うのは
具体的にどんな人なのでしょうか?

それは、"自分にとって"なのか
"誰からも、そう思われている"のか
一体、何を基準にそう思うのでしょうか?

こんな事がありました
受験を半年後に控えた子供を持つ専業主婦の方が
散々考えた末、いきなり子供を連れ
主人と別居をする事になりました

結婚して20年
どうしても耐えられない事があったとか
在宅で少しの収入しかない彼女が
無謀にも受験生を連れて別居を
選んだ事に誰しも驚いていました
『辞めた方がいいよ、何もこんな時に出て行かなくても』と言う
方がほとんどの中、彼女は
『大丈夫、母が死んで身寄りの無い私を
本当の子供みたいに大切にしてくれる親戚の方がいて
好きなだけ居ればいいって言ってくれているのよ』と
詰めるだけの荷物を車に運び入れ
二度と戻るまい誓い、住み慣れた我が家を後にしました

親戚の家には
彼女の子供には受験を控えているからと
空いていた1部屋を子供のために用意し
彼女にも1部屋を与え
温かい食事と、ふかふかの布団が準備されていたそうです
その時彼女は思ったそうです
『ほんと神様みたいな人だわ』と・・・

『新しい家も決まり、就職先も決まったから会わない?』と
彼女に呼び出されたのは
別居をしてから1ヶ月程過ぎたくらいの日でした

待ち合わせの場所には
何もかも順調そうに事が運んでいる様には見えない程
暗い表情になった彼女が待っていました

話しを聞くと
初めは『好きなだけ居ていいよ』と
言ってくれていた親戚の方は
日が経つにつれ
『いつ出て行ける?』と聞かれ
『困っているなら新しい家も借りてあげる』
と、あれよあれよと言う間に
新居をその人の名義で
借りる事になったそうです

更に『仕事でいると思うから
なんだったら車も買ってあげると』言われた様ですが
さすがにそれは断ったそうです

彼女の暗い表情は、ここからが原因でした

新居への引っ越しも無事済ませ
しばらくすると
親戚の方から
請求書と書かれた紙が届いたそうです
中には彼女が、その家に住まわせてもらう様になった日から
出て行くまでの
食費に始まり、新居にかかった費用、全てが事細かく
金額と共に書かれていたそうです

家を飛び出し、離婚に向け新しい仕事も見つけ
全てが順調そうに思えていた事が
親の様に慕い
神様の様に思っていた相手によって
崩れようとしていたのだから
落ち込むのも無理はありません。

請求され提示されていた毎月の返済額は
彼女の収入の1ヶ月分全てでした

そこから彼女に会ってはいないので
どうなったかは、分かりませんが
別れ際に彼女は、こう言っていました

『親と思っていたのは自分だけで
 向こうはそうと思っていなかった』

本当にそうなのでしょうか?
親の様に思っていたのがダメだったのでしょうか?
それとも
例えどんな感情があるにせよ
何もかも"タダ"で提供してくれると言う
甘い考えが間違いだったのでしょうか?

今回の"学び"
人が『あの人は○○の様な人だ』と思う事には
"根拠"というものが
存在しない事が多いそうです
『きっとそうだろう』
『そうに違いない』と言う"思い込み"が
頭の中を締めるからだとか
『親の様な、神様みたいな人』と言う記憶は
その人と付き合いが減っていても
思い込みという記憶に塗り替えられ
強くなっていきます
年月が経つ間に、自分の事を含め
人がどのように変わって行くかなんて
分かりませんからね