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予定日超過、誘発分娩でも安産になった話



この度、第一子となる長女を出産しました。
つわりはありつつも大きなトラブルなく順調な妊娠の経過を辿っていた私ですが、結果として出産予定日超過による誘発分娩となりました。振り返ればなんてことのないお産だったのですが、せっかくなのでここに記録を残しておこうと思います。




臨月を迎えた6月


・出産予定日を月末に控え、気温もだんだんと高まっていた頃。お腹がかなり重くなり多少の吐き気はあったものの、存外フットワーク軽く過ごす。

・そのためこの頃は早く産みたいなどとは微塵も考えておらず、何なら産休が短いと損だよな〜と思っていた。

・まあでもウォーキングと胸のマッサージはしなきゃね、とぼちぼち取り組む。が、暑さもありウォーキングは正直サボり気味。

・37週頃までは1人で映画館に行ったり、片道20分程度の場所にガンガン外出。38週に入るとお腹が下がってきた感覚があり前駆陣痛のようなものも出始めたため、自宅で漫画を読んでのんびりと過ごすことに。

・まさか自分が予定日を大幅に超過するとは夢にも思っていなかったため、陣クスと言われるカレーや焼き肉を存分に満喫。


39w6d健診

赤ちゃんは推定3200g、NST異常なし。予定日を翌日に控えた健診で、初めての内診グリグリというものを体験。穏やかな院長の診察で「子宮口は指2本入らないくらいだけど進みは悪くない、頭もいい感じに降りてきてます。お母さん身長あるし焦らなくていいです。余裕があれば運動できたら良いですね」とのこと。優しいコメントに安堵しつつ、運動せねばな……と焦り始める。

・この頃になって吐き気が再燃、もう産まれてくれてもいいな……と思い始める。妊婦の身体はやはりしんどい。

・次の健診は5日後ということで、腹を括って運動に取り組む。1日5000歩目標のウォーキング、階段昇降、陣痛を促す運動など……とにかく暑い。夏の臨月妊婦は暑い。

・ここへきて時々あった前駆陣痛らしきものが消失。大丈夫なのか!?と思っているうちに予定日を超過。出産日に合わせて育休取得予定の旦那さんに罪悪感を覚えるとともに、メンタルが曇り始める。



40w4d健診

まさかこの健診を迎えることになるとは……と思いつつ、産まれる気配もなし。娘は元気だけど、のんびりしてるのかNSTでもなかなか起きない。内診をした副院長は即「だいぶ進んでますよ〜これなら数日中には産まれます!」とのコメント。「万が一週明け(41w2d)までに産まれなければ入院しましょう。一応入院案内します、まあ無駄になると思いますけどね〜」と朗らかに言われ、もはや胎児や子宮の状態については特に触れられず。そうなの!?という気持ちとほんまか!?という気持ちで動揺し、何も質問せずノコノコ帰宅。

・この日から急に水っぽいおりものが出る。高位破水なのか??と1日中心配になり、翌日の深夜産院を受診。結局何事もなく、安心するとともに何だか情けない気持ちになってくる。

・夜な夜な近所の歩道橋へ赴き階段昇降を繰り返す日々。どうして陣痛が来ないのか?怠惰のせい?身体に問題があるのか?診察ではもうすぐって言われたのに?とモヤモヤが募る。やらないけど、いま歩道橋から飛び降りたら人生全部パアだなあ、などと考える。

・実父から『まだ?』『いつ?』『大体いつ?』等のLINEが届く。元々デリカシーがない人なのはじゅうぶん分かっていたが、こっちが知りたいわ!と怒りそうになり自分の余裕のなさを痛感。

・誘発についてネットで調べ、安心したくて検索するはずが不安が勝る。バルーンやラミナリアのおそろしさよ……。一方SNSは『誘発の予定でしたが直前に陣痛きました!』という投稿が圧倒的に多い……。

・日増しにメンタルが曇り、陣痛すら起こせない無能な身体だと思われたりするのだろうか……とメソメソ。旦那さんにヨシヨシされるが、旦那さんの育休が10日もズレる申し訳なさ等からまた自責が強まる。

・今なら分かるが、超過のメンタルの曇りの1番の原因は暇なこと。暇は敵なので、重たい腹を括って外出や外食を楽しむのが私には1番よかった。



41w2d誘発入院

前日は眠れず、ほぼ徹夜で入院当日を迎える。腹は括ったが、バルーンやラミナリアはやっぱりちょっと怖い。いや、でもやっと産めるんだ。結局自力では産めなかったけど、産んでしまえばオールオッケーなのだ。そう自身に言い聞かせ旦那さんと産院へ。9時に入院し、陣痛室へ案内された。


9時20分頃

尿検査、着替えを終えNSTの器械を装着。助産師さんの内診を受ける。さて、どんな処置になるのか……

「子宮口、結構柔らかいですね。2.5cmくらい開いてます。陣痛促進剤の点滴でいきましょう」

点滴!!
あらゆる子宮口こじ開けの処置を想像していた私にとっては、まさに青天の霹靂。器具を挿れずに済む……!!
やや浮足立ったまま陣痛促進剤の同意書にサインをし、ほっと胸を撫で下ろしたのであった……。


10時頃

点滴の滴下開始。かなりルート確保がしにくい腕をしているため、スタッフ2人がかりで悪戦苦闘しながら刺入していただく。献血も断られるレベルの人間なので、20Gの(太い)針を留置するのは人生初。貴重な血管だから、陣痛がきても駄目にしないように……と気を遣う。
はじめはごく少量からの滴下で、特に変化も感じず旦那さんと雑談。旦那さんは朝食も食べずに来ていたので、どのタイミングで帰されるんだろうね〜説明とかないんだねえと呑気に会話。3.40分おきに助産師さんが顔色を見に来て、滴下数を少しずつ上げていく。実母と義母にLINEで連絡を入れると、『促進剤は陣痛が強く出るから頑張って』と返信を頂きやや慄く。


11時30分頃

少しずつ子宮収縮の痛みを実感。元々生理痛が重めの人間なので、まだ余裕で話せる。旦那さんはNSTの見かたを会得。食事が豪華な産院という前情報があったため、陣痛中でも昼食とか出るのかな?と気にする。(※出ませんでした)


12時頃

陣痛の波をはっきりと感じ始める。まだ理性的に会話できるが、時々深呼吸したくなる感覚。これ以上進むとご飯食べる余裕ないけど昼食出るのかな……と気にする。(※出ませんでした)この頃が陣痛間隔10分程度だったとの推定。


13時頃

このあたりから少しずつ余裕がなくなっていく。ベッド柵を掴み大きく息を吐くが下腹部と腰が痛い。助産師さんのアドバイスで旦那さんに腰を押してもらう。個人的にはテニスボールより手の方がよかった。唸るような声が出て汗をかく。水を飲む余裕もなくなってきて、もしやこのままハイペースで進む感じ?と旦那さんとやや動揺。もはや昼食どころではなくなってきた。そんな私を横目に助産師さんはどんどん点滴の滴下数をアップしていく。しんどいけど、生殺しにされるよりひと思いにやってもらった方がいい……と全てを諦める。


13時30分頃

陣痛の波が来ると下半身がとれるのか?というくらい痛い。ベッド上で力なくのたうち回りながら、胎児が急激に降りてきているのを感じる。助産師さん曰く、子宮口開大は4.5cm。まだ半分なのかとしょぼくれそうになるが、進み自体は早いから全然前向きでいいですよと励まされる。
旦那さんに腰を押してもらうが、すごいペースで痛みの位置が下がっていく。そのため「もうそこじゃなくなった」を連発、違う位置を押されると叫ぶほど痛い時がある。申し訳ない……。どんどん間隔が短くなり、寝不足も相まって意識がぼんやり。痛みが弱まったタイミングで正気に戻っては、左腕のルートが大丈夫か気にかける。陣痛中は点滴が入っていることを忘れて動いてしまい、完全に余裕がなくなる。


13時45分頃

次第に唸りと叫びが増えていく。助産師さんに「声は出しちゃ駄目、大きく息を吐いて」と言われるがままならない。我慢したいが、叫ばずにはいられない。もうやめたいけどやめられない、無痛にするべきだったかも、とどうにもならない後悔が出てくる。一刻も早く終わってほしい、そのために必死で叫ぶのを我慢しようとするが、どうしても声が出てしまう。旦那さんはなす術なく静かに手を握ってくれていて、結果これが1番落ち着けたかもしれない。


14時15分頃

胎児の頭がもうすぐそこまできている感覚がする。これは大丈夫なやつなのか?進み具合的にまだまだなの?と思ったところで助産師さん訪室。「頭が出たり入ったりしてます〜」と嘆くと「分かるの!?」と言われ子宮口チェック、全開大になっていた。急に分娩室に行くことになり、陣痛の波を見てなんとか歩いて移動。ここでトイレでおしっこできる?と訊かれたが「導尿がいい〜」とべそをかき、分娩台に上がってすぐ導尿(膀胱に管を入れ尿を取る)してもらう。管が入る痛さももはや気にならなかった。
頭は本当に出たり入ったりしていたらしく、ほどなくして人工破水。ダバァと温かい羊水が出て、ダイレクトに『子宮の中に物体が居る』感覚に。スイカみたいに丸かったらいいけど、なんだかデコボコしていた(当たり前)。
「もういきんでいいよ!」と言われるも、どうしていいか分からない。「レバーをグッと握って、目は大きく開いて、腹筋丸めて」とのことで、これTwitterで見たサンシャイン池崎のやつか!と思い出す。
目をガン開き、へそに立てたロウソクを吹き消すイメージで何度か踏ん張る。もう早く出したい、ただその一心。
何度目かで胎児がおなかあたりまで出てきて、そこで止まった。ズルンて一発でいくものじゃないんか……と思うとともに、そのデカさにビビる。とにかく排出したくて、力を振り絞って下半身も押し出した。

14時59分、3470gの女児誕生。分娩所要時間2時間53分。


待ちに待った出産は、あれよあれよという間に終わったのだった……。




おわりに

だらだらとした文章でしたが、ここまでご拝読頂きありがとうございました。
私がこのnoteを書こうと思ったのは、出産予定日超過、誘発分娩についてのインターネットでの情報が少ないなと感じたためです。
予定日を超過してモヤモヤした気持ちで誘発について検索すると、『誘発入院直前で陣痛きました!』という投稿がほとんどでした。実際に誘発入院された方のレポでは、さまざまな処置を受け何泊もかけて大変な思いをされたものが多く、正直怖い印象が強かったです。
勿論お産は十人十色、全く同じ状況になることはないと思います。
でも、

予定日超過の誘発入院でも、入院から6時間足らずで産めた私みたいな人もいます!!


なんなら私は会陰も裂けず切らずでしたし、出血も少量で回復もスムーズでした(これは本当に運が良かった)。点滴もしっかり管理して頂けてトラブルはなかったです。

なんなら、誘発で点滴が良く効いたおかげで初産にもかかわらずスムーズな安産になったんじゃないかと思っています。



陣痛は自然なものより強くでたのかもしれませんが、個人的には痛みが強くても短時間で終わったほうが性に合っていました。こればかりは感覚の個人差が大きすぎますけどね……。



そんなこんなで、本日赤子は無事に生後1ヶ月を迎えています。
超過のアドバンテージのおかげか、身体がしっかりしていて育てやすいようです。(初産なので比較対象がありませんが……)
出生時3470gでしたが、1ヶ月健診では4800gになり、他のお子さんよりむっちりと貫禄を出しています。

本当に、産んじゃえば超過でも誘発でも、なんら変わりなかったなあ。

1ヶ月前の私、お疲れ様。
誘発分娩、悪くなかったと思うよ!



私のこの体験が、誰かの心を少しでも軽くできれば幸いです。


ありがとうございました!







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