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最高の喜び 29 大嫌いや!

いつも読んで頂きありがとうございます。

ピカピカの一年生の、長男康輔こうすけ。
いつもの通り、次の朝、学校へ。

とは、いえ、生後2ヶ月半の双子の駿しゅんと環かん。相変わらず、まだ、まだ、3時間授乳なんで、母に手伝って貰いながら、やってます。

したくはなかったけど、どんなにドタバタしても寝てくれる状態にしたかったのに、少しでもうるさいと、泣き出す状態なんよね。

双子を育ててきた母も

この子達、ほんまによく泣くよねーー。
あんたらは、こんなに泣かなかったわ。

男の子と女の子はちゃうんかな?
 
で、シワ寄せは、康輔へ。
というのも、やっと寝てくれた朝方、そっとあたしが起き出して、朝食の用意をして、

康輔、康輔おきや、起きてや!と、
小声で起こす。

起き出した康輔に、サッサと制服に着替えさせて、台所で、顔を洗わせて、うちの台所には、食べるようなダイニングではなく、調理台に
ご飯を並べて、シィってさせて、ご飯を食べさす毎日。

起きると、又、泣き出すと、何も出来なくなるので、そんな状態になっていった。

ごめんな、康輔!

でも、母ちゃんが側で康輔見てるよ。
許してな。

何故そこまで泣かすのを気を使うか?

それは、夜中に泣くと、隣のおばはんが、必ず家にやってくる。

で、そのおばはんは、昨夜も泣いてたな!
泣いたらちゃんと抱いてるの?

判で押したように毎朝言いに来る。

これにあたしは、毎朝毎朝、心がやられるようになってた。追い詰められる気分。

最近引っ越してきたお隣。

勘弁してくださいの毎日やった。

それでも、康輔は、元気で学校へ出かけていった。

そんな日が何日か過ぎた頃。

またもや、康輔が、項垂れて帰ってきた。

えっ?又?どうした?

お帰り!なんかあった?

なーんもなーんも言わない康輔。

自分の机まで行った康輔は、あたしの事をキッと見て、そして言った。

お父ちゃんも、お母ちゃんも、大嫌いや!!

そう言うと、奥の廊下に隠れた。

えっ?何?どうしたん?康輔?

側へ寄って行くと、シクシク泣いてた。
嫌がる康輔を無理やり膝に乗せて、

しんどかった?父ちゃんと母ちゃん、なんか腹立つん?

なーんも言わん。

これは、これは、なんかえらいことになっとる。

すぐ、東京の、単身赴任中の旦那げんちゃんに電話した。携帯もない頃やから、丁寧にげんちゃんを呼び出して

あっ!お父さん、康輔が、おかしいねん。
今夜にでも帰ってきてくれる?
帰れる?

わかった!!

こんな切迫詰まったあたしに、危機感感じたんやろな、仕事ほったらかして、その夜に帰って来た。

父ちゃん帰って来たときの、康輔が喜んだ事。

お父ちゃん!!!!!って、走って行ってしがみついて、離れへんかった。

でも、康輔は何も話さない。

まぁ、こちらも聞かなかったから、何か、康輔が、思い詰めてる事だけは、ハッキリ分かる。

父さん、明日、学校行って話し聞こう。

その夜、康輔は宿題も時間割りもしたけど、
朝、布団から出てこない。
優しく声かけても起きない。

その朝から、不登校になった。

学校に電話を入れて、休む事と、放課後に、担任の先生に面談を、約束した。


#単身赴任 #夜泣き #放課後 #シクシク

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