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「変態」という褒め言葉

「あっこの店主、変態でしょう?」

私が地元に帰ったときに必ず行くご飯屋の亭主にそう言われた。
その店主はワイン屋を営んでおり、イタリアのワインを輸出入している。
私がそのお店に行ったことをご飯屋の亭主に伝えた時に言われたのだ。


先日実家に帰ったとき新しいワイン屋ができていたので、ワイン好きの旦那と入ってみた。
入るとすぐにショップカードが並んでおり、
久しぶりに実家に帰ってきた私には知らないお店が多く、いろんなデザインのショップカードにワクワクした。

眺めていると
「うちのワインを卸しているお店なんですよ」と店主。

「おすすめなお店ありますか?」

「このお店の名前は〇〇と言って息子さんの名前から来てて・・・
 こういう意味合いがあって・・・
 シェフはイタリアで4年間修行していて・・・」

と一つ一つのお店を事細かに説明してくれて、
気づけば私の手にはたくさんのショップカードが。

ワインを買いに来たことを思い出し、
私たちの好きなワインのテイストやボトルを見せた。

「あーこっち系ですね!だったらこれなんがどうでしょう」
と出してくれ、1本ずつ説明してくれた。
生産地の話、生産者の話、葡萄の品種の話、
このワインに合うご飯などなど。 
聞いているだけでワクワクした
旦那の目なんて小学生のようにキラキラさせていた。

7,8本紹介してもらった。
旦那の手には5本のワイン。
(多いな。)
と思いつつも許してしまうほど、
飲んでみたいと思わせる魅力的な説明だった。



そんな話をご飯屋の亭主にしたものだから、
「変態」というワードが出てきたのだろう。



再びワイン屋に行く機会があり、
「変態って言われてましたよ」なんて伝えると



「彼も変態でしょ?」



ご飯屋さんの亭主は相当なこだわりを持っている人で、
だからこそ、地元に帰るたびに必ず行きたくなる。
味はもちろん、盛り付け、素材の活かし方、スタッフの対応など全てにおいて満足いくお店で、とっても居心地がいい。



変態だからこそ、その道の専門を突き詰めた知識があり、こだわりがあるからこそ、信頼できもう一度行きたくなる。


「変態」=「リスペクト」の思いが見え、
褒めあっている二人が微笑ましく思えた。


そんな「変態」仲間に私もなりたいなと思った、
先日の帰省でした。

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