著作権

喜んで。
以下、大いにネタバレを含みます。


ICO(イコ)。
ソニー・コンピュータエンタテインメントより2001年12月6日発売。
ジャンルは謎解きアクションとかになるのだろうか。

このゲームを知ったのは2008年の冬頃、高校2年の時だったと思う。
自分は子供の頃からあらゆるジャンルのゲームが絶望的に下手であった。
プレイした全てのRPGで世界は救えず、俺より強い奴に会いに行けばもれなく国に帰った。シューティングゲームなど全て弾が明後日の方向に飛んでいき、ハンドルを握れば免許返納は免れなかった。
今でもそうだが、得意なゲームなど無に等しい。

そしてゲームのスキルは学生生活の命運を大きく左右する。
小学校時代はスマブラが強くなければ人権は無かった。
中学校時代はリオレウスを倒せない奴に人権は無かった。
高校ともなれば人権を奪う友達すら居なかった。
17歳、最速帰宅RTAの自己ベストを叩き出していつもの様にガラケーでネットの海を彷徨っていた私がふと目にしたのが「ICO」というゲームだった。
何故興味を持ったのか細かくは思い出せないが、多分某掲示板で話題に上がっていたとかだと思う。

少し調べると、何でもこのゲームに細かいアイテムやパラメータの類は一切なく、目的としては「城から脱出するだけ」なのだと言う。これならクリア出来るかもしれないと、私は心底惹かれた。
そして何より、ガラケーの荒い画像で見た劇中のスクリーンショットの世界観が本当に素晴らしかった。当時の乏しい感性でも衝撃を受けるくらいには、美しかった。
「クリア出来るかもしれない」から「クリアしたい」に変わるまでのスパンは非常に短かった。

埃を被っていたPS2の動作を確認し、休日になって一目散にゲーム屋というゲーム屋へと自転車を走らせる。が、無い。
2008年時点で既に中古は殆ど出回っておらず、新品ともなればプレミア価格が付いていた。それでも諦めずに走り回った。コミュ障が震えながら店員に在庫を尋ねるまでした。どうしてもこのゲームを自分の手でプレイしたかった。ここまでゲームの入手に尽力した事は後にも先にもこの時しか無い。
もう何件目か分からない、今なら車でも行きたくない様な距離のゲオへと足を踏み入れ、遂に発見した。
2008年12月23日、中古3980円。私はICOを手に入れた。

ワンチャン事故る勢いで帰路に就き、ひとしきりパッケージを眺める。この表紙のデザインがまた素晴らしい。今画像検索してきたがやはり素晴らしい。読むのは後でいいので是非見てきて頂きたい。
そしてパッケージを開くと説明書とソフトが何日ぶりかの外気に触れる。説明書の表紙には「取扱説明書」などと野暮な事は書かれていない。カタカナで「イコ」とだけ記載がある。そして中身はさながら絵本の様な装丁でストーリーの紹介と共に操作説明が為されていた。この時点で私は心から思った。最高のゲームに出会った、3980円という大金を支払った価値は大いにあった、と。

満を持してゲームを起動する。
夢にまで見たOPムービーが始まった。無論飛ばさない。
角の生えた少年が馬に乗って城へと連れていかれている。生贄なのだという。
ムービーが終わると、音も無く「ICO」という大きなロゴと選択の余地の無い「はじめから」だけが表示される。既に世界に飲み込まれている。

ゲームは入城後、石のカプセルに入れられた少年が何とかそこから抜け出すシーンから始まる。
凄い。本当に体力ゲージも何も無い。出来るのは今のところ移動と、ジャンプだけ。
前述の通り、このゲームの大きな要素の一つとして「謎解き」がある。私はこの謎解きにこの先散々苦しめられる事になる。

ゲームを少し進めるとヒロインが登場する。ヒロインはエグい鳥かごの中に収監されており、少年がそれを壊して脱出させる。
このヒロインがまた衝撃的で、何を話しているのか全く分からないのである。
そもそもICOというゲーム全体でキャラクターは架空の言語を使用しており少年は日本語字幕が付いているが、ヒロインは少年と言語が違うために字幕はあるが全く読めない。それでも少年は必死にコミュニケーションを図り、ヒロインの手を取って最後の最後まで共に行動する事になる。


ここまでオタク特有の早口熱弁を奮う事になるとは思わなかったので後半に続きます。


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