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無題(2023)の所感と解説

まずは例大祭お疲れ様でございました。
私見ではありますが、今年は近年最高クラスの盛り上がりであったように思われます。
お蔭様で深夜放送も過去一の販売数を記録いたしました。お越しいただきました皆さん、本当にありがとうございます。
ちなみに商品の陳列は過去一で汚かったです。

この度の新譜、無題(2023)はお聴きいただけましたでしょうか。
例によって歌詞もなければ表題もない、伝わる情報といえばジャケットがキショい事くらいである本作の説明というほどでもない文章を書き置きして逃げようという記事です。
これを読むと場合によっては私より理解が深まるかもしれません。頑張ってください。

【曲】

1.不自然な自然

本作は全体で捉えると割とチルい仕上がりになっているのですが、明確な理由がありまして、「制作の時期にあまりにも体調が芳しくなくLo-Fi Hip-Hopしか脳が受け付けない」という期間があったためです。しばらくインプットがLo-Fi Hip-Hopのみであった為にそうなりました。そしてその副産物的に「体調が良くない時に深夜放送のようなアレンジはマジで無理」という新たな知見も得られました。マジで無理でした。
そんなわけで1曲目から5分もある激チルアレンジで幕を開けます。チル過ぎてアコギなんて使ってますね。このサークルも変わっちまったな…
左ギターのアタックがギリギリ聴き取れるくらいのリバーブ調整がなかなか難しかったです。原曲の表題通りの雰囲気を目指しましたが不自然が優勢過ぎますね。

2.稲田姫様に叱られるから

このアレンジだけは体調激悪ジジイと化す前に出来上がっていたので唯一やかましい曲調になっています。今回のコンセプトの1つであった「1サイクルが短い原曲を選ぶ」を思いついてから真っ先に作り始めたのがこのアレンジです。原曲が短い分、必然的にどう伸ばすかを考えるわけですが、結果として1サイクルごとに音色を大きく変えるというほぼ手癖のような手法に落ち着きました。いつもDAW上のトラック数はかなり少ない(方だと勝手に思っている)のですが、この曲に関してはやたら音色を増やしてしまったばっかりにトラック数が嵩んで調整に必死でした。この曲でもアコギが各所に使われていますが、動画の7:28からの主旋律もアコギの音です。プラグインの力は凄いですね。ちなみに8:00頃からのやかんのお湯が沸騰したような音はベースのそれです。同じく凄いですね。鬼余談ですが、今作でクラッシュシンバルが使用されているアレンジはこの曲のみです(厳密には違うのですが、妖魔夜行のラストで一度だけ叩かれている以外は未使用です)。

3.妖魔夜行

「人力ディレイをやってみよう」のコーナーです。
ディレイの遅れてくる音色やフレーズが若干違ったりしたら面白そうだなと思い、3トラック用意して同じフレーズを録音し、それぞれ波形をずらして再現しています。完璧過ぎてもただのディレイになってしまうので、ちょっとミスっているテイクをそのまま採用しました。各トラックで奥行きやパン振り、歪み具合なども変えてあります。最初は聴くに堪えなかったのですが、あらゆる手を講じて何とか世に出せるくらいの状態になりました。
後半からはバッキングに徹していたディレイ軍が一斉に三者三様の主旋律を弾き始め、前半で主旋律を弾いていたギターが渋々バッキングに周ります。圧力を掛けるような行為は控えましょう。
ドラムが一生単調なのは前述のLo-Fi Hip-Hopの影響でリズムマシンを意識していた事、後続のアレンジのリズムが大変気持ち悪いのでそれを際立たせたいという意図によるものです。

4.虹色の世界

私の好きな5kaiというバンドの楽曲を大いに参考にさせていただきつつ制作しました。今作のコンセプトであったはずの「音数はなるべく抑える」が全く達成されていない事に気が付き、このアレンジは何とか実質3トラックで完成まで漕ぎ付けました。ドラムはもちろん、ギターもどういうリズムで弾いているのか分かっていません。各小節の頭だけ合ってればいいやくらいのノリで作ってしまいました。曲の拍子自体は最後まで4/4です。左でベースが主旋律を弾いているのですが、350澗回くらい録り直しました。この曲だけはライブで演奏したくありません。
後半は力尽きたかのようにドラムが無機質なビートを叩き始めます。果たして後半のギターのコードは合っているのでしょうか。不協和音を好むために頻繁にこうなってしまいます、ご容赦ください。「虹色の世界」というタイトルに対してほぼモノクロしか見えなさそうな質感なのが面白いですね。
あと全編を通して言えることなのですが、今回は良い感じのルームリバーブを掛ける事に成功してとても満足しています。狭いスタジオで録ってます感をやたら出そうとする癖があるので、この点に関しては納得の仕上がりになりました。

5.神社から見える月

短命要素回収と言わんばかりに25秒で終わります。
Gilla Bandという海外の激推しバンドがかつて発表したアルバムのラストトラックが30秒ほどで終わる(しかも死ぬほど音量が小さい)のですが、それが個人的にあまりにも格好良かったのでまるまるパクってしまいました。いつかやってみたいとは長らく考えていたのですが、コンセプトや流れ的にここしかないと思い、この度実行に至りました。
何かの終わりは往々にして突然訪れるような気がします。
5つの原曲は引用元の作品において全て最初と最後に位置しています。

【曲以外】

・ジャケット

背景素材(ぬっきーさんありがとう)→9つの短命→前面素材(ぬっきーさんありがとう)によって構成されています。
今回やたら擦られていた短命という単語ですが、なぜここまで多用していたかというと「原曲が短いから」です。きっかけのみで言うなら本当にそれだけです。まさかここまでカラフルなそれを生み出す事になるとは思っていなかったのですが…
せっかくなので動画と一部の短命素材を使って1週間掛けて新譜情報の公開予告を試みたのですが(1週間分の予約ツイートを事前に設定してありました)、0時になる度に「短命」と書かれた紙の写真を呟くだけのマジで気持ち悪いアカウントと化してしまい凄く嫌な気持ちになりました。TLの皆さん、その節は申し訳ありませんでした。
一応の段取りとしては最初に何かを書き始める動画→それによって書かれたと思しき短命群→最後にそれらが重ね合わさる→本告知でジャケットがドーンみたいな流れを想定していました。無理がありますね。
ジャケットのデザイン自体は割と気に入っています。

ジャケット素材と盤面で使用したラメ入り色筆ペン(Water Color Melody.の蒼さんより寄贈)
短命オールスターズ

・盤面

案の定盤面にも「短命」とだけあらゆる手法で書き殴られているのですが、いくつかレア個体があります。大丈夫です、当たりもはずれもありません。レアなだけです。
ただその中に一つだけ明確に当たりとして用意してしまった「レインボー短命」が存在するのですが、ありがたい事にこの度の例大祭で準備した新譜は完売になりましたので間違いなくどなたかの手に渡っているかと思われます。あなたですか?おめでとうございます。カラフルですね。

レインボー短命
ふざけるな
ふざけるな2

・BOOTHでの取り扱い

始まりました。ぜひどうぞ!


例大祭での出来事などを書き始めると5桁字ほどの文章量になってしまいそうなので一旦この辺で終わろうと思います。
即売会やライブイベントが頻繁に開催されている昨今の環境がとても励みになっておりますので、私も引き続きやっていきます。
健康第一!!!!!!!!!

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