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短編小説

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ジャンルがよくわからない短編小説です。あなたの脳をこねる。
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記事一覧

果ての世界の水族館

 もはやこの水族館には魚も人もいない。いや志保という青年と名も知れない彼が殺すべき男だけ…

ここは粥と龍の街

海龍街は名前のとおり海の側にある。大きな港が近く、あらゆる生き物が行き交っている。 そし…

ニールと結晶の乙女たち

金属の大顎が砂漠の熱風で回り続ける風車の根元に食らいつく。突如、空中から飛来した油圧シャ…

タイガー走る竹林へ

↑これのスピンオフです。 ◇ ここにトラジロウという虎がいる。まだ若い虎の男だ。背中に墨…

往生!月面コンビニ事故物件 #パルプアドベントカレンダー2022

月に人間が住みだした経緯についてはWikipediaでも見てほしい。そこには住みだしたものの月の…

おとこが卵を産むようになっちまった世界の最低最悪なボーイズラブ

※以前書いたこれを印刷用に追記しました。 (これを含めた何篇かを本にして、22年5月29日の…

悪魔をはねても物損事故(特盛)

吉野弟、軽トラで物損事故をおこす 吉野弟は遮光器土偶に似ている。おおらかな体型に丸顔タレ目、そして眼鏡。 吉野兄は武人の埴輪に似ている。特に目のあたりが。 金属加工なんでも請け負いますご相談ください『吉野製作所』。兄弟の名刺に印刷されている文言を考えたのは亡き父親だ。 今は兄が営む小さな金属加工工場に弟が転がり込んだのは秋の丑三つ時だった。ガタガタと震える弟の腕の中には、ぐったりとしたイヌ足ヒツジ角の悪魔が収まっていた。夜中にも関わらずなぜか作業着姿の兄は悪魔を見下ろ

おとこが卵を産むようになっちまった世界の最悪なボーイズラブ

人類は進歩する。 加速する少子化の果て、人類はとがった進化をとげた。女は腹に胎児をはらみ…

さよなら阿修羅は手紙を書いた

(こっちを先に読んでください!) フユミはパンクじゃない。サイバーじゃない。ゴスロリじゃ…