石川優実『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』批判と疑問【周辺事項編】
1.はじめに
※「最後に、noteの方針です。」以降だけ読めばいいです。
石川優実さんによる初の著書、『#KuToo(クートゥー) 靴から考える本気のフェミニズム』が現代書館から出版されたのは2019年11月。このnoteを書いている時点で既に5ヶ月以上が経過しています。
発売当初と比べるとさすがに批判の勢いも落ち着いたように感じますが、それは批判・疑問に石川さんや出版社が対応し、納得する人が増えたからではありません。批判が黙殺され、追及を続けることに意味を見出すことが出来ず、無力感とともに諦めた人が多いからです。
私も『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』を読み、疑問点があったため出版社にメールで問合せしましたが、納得出来る回答が得られず、現在では疑問を解消する手段を失ったと思っています。もう諦めました。今後出版社や著者の態度が変わることもないでしょう。
この一連のnoteを書くのは、『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』を読み、疑問を抱いた人に「その疑問が解消されることはないけれど、同じように考える人がいるよ」と伝えるため、そして解消されていない問題点を誰でも確認出来る形で残しておくためです。Twitterで垂れ流しはしていましたが見つけにくいでしょうし。
念のため書いておきますが、タイトル通り『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』をめぐる批判や疑問についてのまとめです。#KuToo(運動)への批判をまとめている訳ではありません。
また、当然ながら石川優実さんに対し人身攻撃や誹謗中傷を行う意図はございません。
最後に、noteの方針です。
基本的に著書での記述と食い違う説明や、著書における問題がある(と考えられる)記述について指摘していく予定です。それを見てどう判断・評価するかは読んだ皆さんにお任せします。最後の「おわりに」では私の意見を書いているので、事実関係だけを見たいという人はその前まで読めば十分です。
もう一点、書かれていることを鵜呑みにすることは避けてください。批判的に読んでいただけると幸いです。頁数を記載しますので、著書での記述は出来れば現物を手元において確認してください。あまり中身の写真をあげたりはしたくないので。
それでは本論です。
2.著書に関連する人々
必要があるか分からないが、関係者(+と思われる人)の確認。
2.1.石川優実氏
著者。以下は著書における著者紹介から引用。
1987年生まれ。グラビア女優・フェミニスト。2005年芸能界入り。2014年映画『女の穴』で初主演。2017年末に芸能界で経験した性暴力を#MeTooし、話題に。それ以降ジェンダー平等を目指し活動。2019年、職場でのパンプス義務付け反対運動「#KuToo」を展開、世界中のメディアで取り上げられ、英BBC「100人の女性」に選出される。
2.2.山田亜紀子氏
担当編集。以下ページ等で確認可能。
石川氏によるとフランスフェミニズムに詳しく、動画内で「影響を受けたフェミニストは?」という質問に答える際に(名前を出さず、「『#KuToo』の本を作ってくださった現代書館の編集さん」という形ではあるが)言及している(動画14:29~)。
また、Twitterにおいて
・『ちいさなフェミニスト宣言――女の子らしさ、男の子らしさのその先へ』(現代書館)の編集担当者であることをツイート
・山田氏の企画編集書籍である『フィギュアスケートとジェンダー』のamazonリンクをツイート
・プロフィールにボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」
上記を満たすアカウントが存在するが、本人かは不明(なお、ツイートに関連する情報について、一部表現を変更している)。
2.3.くぼゆうすけ氏
吉峯耕平弁護士がツイートしているように、関係者のような言動をとっている。
吉峯弁護士が挙げているのは以下のツイート。
一つ目はsushikennsyou氏へのリプライ。
「こんど窓口つくるんで」のツイートが行われたのが2020年2月28日。現代書館による、問合せ先のメールアドレスを公開したツイートよりも前のことである。
二つ目のツイートが以下のものである。
このツイートだけでは話が通じないが、以下の石川氏のツイートについての説明であると考えられる(画像はGoogle翻訳、笑顔ジニーは多分違う)。
「みなさん向けにご説明しておきますと」「……話しになったから」(←誰と?)などから関係者であることが窺われる。
なお、その後 #KuTooが韓国のトレンドに入るほどハッシュタグリレーが行われ 、#KuTooに関する日本語の情報を検索することが難しくなり、#KuToo公式アカウントが以下のツイートを行うこととなった。
また、吉峯弁護士のツイート以降でも関係者のような動きが見られる。
ツイートが著書に掲載されているはるかちゃん/ぬいぐるみ/恋話氏が石川氏にリプライしているところに突然現れている。
また、Twitterカードを見れば分かるように、Radiotalkの「石川優実のフェミニズムエンカレッジ」で石川氏と話している人物でもあると思われる(説明欄に「#KuToo 署名発信者の石川優実と、久保くんによるフェミニズムについて適当に真面目に語る番組。」、番組内で「28flashesの久保です」の発言あり(Twitterプロフィールも参照のこと))。
2.4.#KuToo公式アカウント
石川氏と比べるとフォロワーが少ない。
3.出版に至る経緯
WEZZYのインタビュー記事で確認可能。以下引用。
――新刊『#KuToo(クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム』を上梓された経緯をお話いただけますか。
石川:版元の現代書館さんとは以前からお付き合いがあって、「女性向けのヌードがもっとあってもいいと思う」とお話したことをきっかけに、11月7日に発売された『シモーヌ(Les Simones)Vol.1』 で「ヌードになりませんか?」とお声がけいただいたんです。その撮影日が「#KuToo」の署名を厚労省に提出した直後くらいで、担当編集さんに「ブログやnoteなどとは違って収益につながらないのに、クソリプに返信して大変ですね」と声をかけていただき、その流れで「本を出しませんか?」というお話をいただきました。
ここから、#KuToo の署名を厚生労働省に提出した「直後くらい」に行われた、『シモーヌ(Les Simones)Vol.1』のための撮影以降に「本を出しませんか?」という話になったことが分かる。
なお、署名を厚生労働省に提出したのは2019年6月3日である(提出した署名を確認できるツイート)。
6月24日が6月3日の「直後くらい」であるかは判断が分かれるところであろうが、「インベカヲリ★氏が石川氏のヌードを撮影」という条件に当てはまり、この2019年6月24日の撮影がWEZZYインタビューで語っている『シモーヌ』のための撮影であると思われる。
したがって、2019年6月24日以降に著書についての話が始まったと考えられる。
それ以降のツイートを見ると以下のようなものが見つかる。
「夢」についてはこれ以前に次のようなツイートをしており、本を出すことと考えても不自然ではない(#KuTooのきっかけとなったツイートをするより前のことであるため、内容については考えない)が、根拠は全く無く、単なるこじつけである。
また、『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』164頁下には以下のような記載がある。
引用したツイートは2019年7月1日~9月15日に閲覧したものです。削除となったものについては、スクリーンショットから引用しました。
引用した「クソリプ」の閲覧を(編集者が関与することなく)石川氏だけで行うとも考えられず、また、Googleドキュメントで「石川クソリプセレクト」を編集者と共有していると思われるツイートも確認出来る。
以上のことから、最も幅広く考えたとしても
2019年6月4日(署名提出翌日)以降の撮影日~2019年6月30日
には「クソリプ」に関する本についての話が出ていたはずである。
ツイートから考えれば、
2019年6月26日若しくは2019年6月28日~2019年6月30日
とするのが妥当だろうか(但し2019年6月28日のツイートでも「何らかの形で仕事に繋がりそうだよ」としか言っておらず、確定しているようには見えない)。
なぜこのような話を続けたかというと、取材に対し担当編集者が「6月の時点では出版の話はなかった」としているからである(以下参照)。
出版の話が出た時期についてまとめると、
・著書内の「引用したツイートは2019年7月1日~9月15日に閲覧」が誤り
(2019年6月の時点で出版の話が無いのに2019年7月1日から引用したツイートの閲覧を行うことはおかしい)
・「6月の時点では出版の話はなかった」とする担当編集者の言葉が事実とは異なる
(2019年6月の時点で出版の話があったからこそ2019年7月1日から引用したツイートの閲覧を行うことが可能だった)
・引用したツイート(「クソリプ」)の閲覧を石川氏のみで行った
(2019年6月の時点で出版の話は無く、2019年7月1日から石川氏が単独で引用したツイートの閲覧を行い、その後2019年9月15日までに出版の話になった)
・2019年7月1日に出版の話になり、その日のうちに石川氏と編集者で引用したツイートの閲覧を行い始めた
(矛盾はしないがこわい)
のいずれかに当てはまらないと説明がつかない。
4.おわりに
本の中身について全く触れていませんが、出版されるまでの前段階として関係者と企画開始時期についてで一区切りとします。
石川さんのTwitterには色々な情報が転がっていますが、それ以外の情報(『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』も含む)と併せて考えるとどこかが矛盾し、「いつ『本を出しませんか?』という話になったのか」ということすら確定することが出来ません。これから書く(であろう)出版社見解についても同じです。矛盾が生じていますがその点について出版社や著者が回答することはありません。
次回以降は本の中身にも触れ、そのような矛盾・おかしな点を指摘する形になる予定です。今のところ
・「クソリプ」定義に当てはまらないツイート
・「クソリプ」定義の広がり
・出版社見解
・引用ではないとされる石川氏の反論部分
・私が行った問合せ
等について書く予定です。
以上です。
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