石川優実『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』批判と疑問【まとめ・参考リンク編】

1.総まとめ

 (まとめも日本語も)乱雑ですが、主張されている(と思われる)批判についてとりあえず挙げてみます。

 以下で挙げるものは、各個人の考え方や評価によっては「問題ではない」という判断になる論点も含みます。主張している人を見たことがあるだけで、どのような論拠に立っているかは分かりません。論点を挙げたからといって、それを私が支持しているとは限りません。取り上げて分類しただけです。私のnoteで触れたものについては根拠となるツイート等を示していません。

 批判をするなら、どのような観点から批判が行われているかを知り、きちんと自分の中で根拠を持ったうえで行いましょう。デマや誹謗中傷は許されません。

 「批判的なことを呟くときは事実に基づいているか確認する責任がある。」(93頁)

1.1.「クソリプ」の定義

・同じ本の中で二種類登場する

・「引用リツイート機能による誹謗中傷、#KuTooのハッシュタグをわざわざつけたバッシングツイート」を含むのは広すぎる

・↑の拡張的定義によって掲載された人からは「自分はリプライしていないのに」という批判が起こることが当然予想される(のにこの定義を決めた)

・#KuTooのハッシュタグを「わざわざ」つけたのか判断出来ない

・「誹謗中傷」「バッシングツイート」とは思えないものまで引用されている(例:以下のツイート、#KuTooのハッシュタグはついているが「単純な疑問」と言っており、バッシングではないと思われる)

・実質「誹謗中傷」「わざわざつけた」「バッシング」の要件は機能せず、石川さんにリプライしたか引用リツイートを行ったか#KuTooのハッシュタグをつけて投稿したものは「クソリプ」とされている可能性がある(そうだとすると#KuTooに言及しただけで「クソリプ」とされることも考えられる)

・実際に石川さんにリプライを送っているのは51件のうち12件しかない(KSL-Live!の集計

1.2.「第2章 #KuTooバックラッシュ実録 140字の闘い」

 第2章に関するもの

1.2.1.デザイン

・ページ下部に「リプライ」「リツイート」「いいね」「ツイートを共有」のアイコンのようなものがあり、「石川氏による反論部分」(石川さんは引用ではないと主張)もそのデザインの中に組み込まれているため、どこが引用部分なのか分かりにくい

・左側にはスレッドを表す線のようなものが引かれていて、石川さんがリプライしたように見えるが、実際には全て引用リツイートである

・スレッドを表す線のようなものは引用した「クソリプ」の上にも伸びており、誰かにリプライしたように見えるが、実際には単独ツイートであるものも存在する

・上部には「Tweets」という表示があり、「Tweets」が「Tweet」の複数形であるとすると「クソリプ」「石川氏による反論部分」ともに実際に行われたツイートであると認識されるが、「石川氏による反論部分」の中には実際のツイートと異なるものが存在する

1.2.2.「クソリプ」

・研究目的や第2章前書きから、引用するのは「クソリプ」に限られるはずだが、本の中の「クソリプ」の定義から外れるものまで引用されている

・空行や改行が実際のツイートと異なる

・(大文字と小文字の違い、「、」の有無などミスであると思われるが)実際のツイートと異なるものがある

・割愛しているにも拘らず、割愛表記が行われていない

・上のような「実際のツイートとの違い」を確認するにはわざわざURLを手打ちするかTwitterで検索するかしなければならない

・↑既に削除されているものについては検証出来ない

・「削除されているため、スクリーンショットからの引用」としているものがある(64頁)が、転記の際のミスを確認する手段が無い

・会話の一部を文脈が分からない形で引用しているものがある

1.2.3.「石川氏による反論部分」

・「引用ではない」としているが、完全に一致するツイートが見つかる

・絵文字若しくは#KuTooのハッシュタグ、またはその両方を削除すれば一致するツイートが見つかる

・誤字を修正すれば一致するツイートが見つかる

1.2.4.石川さんによる研究(奇数ページ)

・「クソリプを飛ばす人たちのメンタリティを研究する」としているが、本の中に「クソリプ」の定義が二種類存在し、リプライした人・引用リツイートした人・#KuTooのハッシュタグをつけてバッシングツイートを行った人が区別されていない

・「プロフィールに人畜無害って書いてある。ウケる! どこがだよ! 笑。」(69頁)という記述があるが、クソリプを飛ばす人のメンタリティを研究するための発言ではなく、ただ馬鹿にしているようにしか見えない

・↑の他にもプロフィールに言及する様子が見られるが、メンタリティの研究に繋がっているように見えない
(例:「プロフィールに『皇統の話からサブカルなど、カオスな闇鍋状態です。誰とも敵対する気はない』ってあるけど、やっぱり伝統好きで、敵対心マンマンだよね?この人と普通に会話できる人っているの?」(91頁)
 文章はここで終わり、そのプロフィールから何かを考察する訳でもない。)

・「[…]こいつのおかしな思想が私の本に載っちゃったのか。一緒に載るのちょっとやだな。」(71頁)とあるが、載せないという選択をせず、「クソリプ」として掲載したのは石川さんである。よく分からない。「こいつのおかしな思想」も気になる

・会話の一部分を切り取る、ツイートの一部分を省略するなどにより恣意的な解釈・研究となっている(下note「2.(4) 他の人との会話のうち1ツイートだけを抜き出されるなど、文脈が変わっているものがある」及び下リンク「はるかちゃんのスレッド全文」を参照のこと)

・「クソリプ」の解釈を誤っている(上で挙げたはるかちゃん/ぬいぐるみ/恋話さんのケース)

・「Best of クソリプ認定します!」(109頁)とされているものが本の中の「クソリプ」定義に当てはまっていない

・↑「このツイートは反響も大きかった。『マジで言ってんのこいつw』みたいな感じでね。」(109頁)としているが、どれだけ反響が大きかったとしても、非「クソリプ」の引用を正当化する理由にはならない

・「プロフィールに甲子園好きってあるけど、女子マネージャーが男子のサポートしてくれるから好きなのかな?」(123頁)

・↑「私が言ってもいないことを発言したかのように書いて、それを批判する、みたいな。本当にひどい手法だなと思う。」(93頁)

・↑本当にひどい手法だなと思う

・全体を通して、「クソリプを飛ばす人たちのメンタリティ」を研究しているとは感じられないし、メンタリティについて理解出来た気もしない(私の読み込みが足りないのかもしれない)

・本の目的が「クソリプに反論する」であればかろうじて納得出来る(但し、反論にしてもツイートに対して行うのではなくプロフィールから/を批判するなど、的確に行われているとは感じない)

・現代書館のnoteで「研究」部分についても試し読みが出来るので、一度ご覧になってみてはいかがでしょう?

・↑のnoteでは「現在もクソリプに攻撃され続けている石川さんの紙の上での反撃を一部ご紹介します。」と書かれている。やはり「反撃」しかしてないじゃないですか。研究はどこ行った

1.2.5.ガイドライン

・Twitterガイドラインに基づく批判(ツイート内容の引用について、商標について)も存在する

1.3.出版後の対応

1.3.1.出版社見解

・↓本に掲載されている「クソリプ」の状態とは矛盾する

・投稿発言を原文のまま引用していない

・「割愛する場合は[…]を表記しております」としているが徹底されていない

・「著作物の中〈投稿内〉にリンクを貼った記事の見出しなどが含まれている場合は引用をしておりません」としているが実際は引用している

1.3.2.石川さんの対応(Twitter)

・↓参考にどうぞ

・各noteでも触れているが、「クソリプ」の定義について著書には無い説明を繰り返し、後付けで拡張している

・批判に対し「問題だと思うなら早く訴えればよい」「弁護士が問題ないと言った」「出版社が見解を出している。2回も」といった趣旨の発言

・批判に誠実に対応していない(と思う)

・回答するのを避けている批判がある(と感じる)

1.3.3.出版社の対応

・ツイートの不適切な引用が疑われ、かつ著者が後からTwitterで説明しているのに、本の内容についての問合せを著者へのリプライでやるなと要求

・返信ください

1.4.その他

・本にツイートを掲載したことくらい知らせてほしかった(引用する許可を取るべきだったと主張している訳ではない、著作権法32条1項が定める引用要件を満たしていれば、無断で他人の著作物を利用することが可能である)


 一部私の感想(根拠無し)が多くなった気がしますが、大体こんなところでしょうか。この中にも言いがかりみたいなものはありますし、これ以外の点からの批判も当然あり得ます。


2.参考リンク

「1.全体の把握に役立つもの」「2.一連のnoteの中で触れたもの」「3.私が詳しくは触れていない論点」という分類にしています。

1.全体像の把握にどうぞ

・猫柳さんのnote

 網羅的な整理です。

・吉峯弁護士によるTogetterまとめ

 法的な見解。私のnoteでは特に触れなかった出版社見解「ウィキペディア投稿者に抗議する」に対する批判も。

 同趣旨のまとめ(短いもの)

・sushikennsyouさんによるTogetterまとめ

 Twitterでのリアルタイムな反応・出版後の石川さんの動きを確認可能。

 発売後、初期の反応。不適切な例の発掘。

 現代書館の見解について

 「石川氏による反論部分」について

 これも後半は「石川氏による反論部分」について

 横田祐美子氏による書評+第2章のデザインについて

 会話の一部のみを文脈が分からない形で引用していることについて(はるかちゃん/ぬいぐるみ/恋話さんのケース)

 韓国での反響、くぼゆうすけ氏も登場

 はるかちゃん/ぬいぐるみ/恋話さんのケース

 石川さんによる正当化発言

 「クソリプの定義をしめす必要が必ずしもありますか?」発言

 現代書館が問合せ受付け開始、石川さんの挑発(?)ツイート

 「石川氏による反論部分」について

 以上古い順に紹介しました。吉峯弁護士によるまとめと内容が重なっているものや『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』の内容とは直接の関係が無い石川さんの発言についてのまとめなどは挙げていません。ご自身でご確認願います。

2.私のnoteで扱ったもの

・WEZZYの記事

 出版の話が出た時期、「クソリプを飛ばす人たちのメンタリティを研究する」という目的を確認可能。

・KSL-Live!の記事

 デザインについて、出版社見解の矛盾について、「石川氏による反論部分」について、「石川氏による反論部分」投稿日の偏りについて+担当編集者への取材(6月の時点では出版の話はなかったとの説明)

・石川さんによるTogetterまとめ

 コメント欄に本人、「クソリプ」の定義について拡張した説明。「石川氏による反論部分」は引用ではないと説明。

・現代書館のnote

 「クソリプ」定義の拡張

・現代書館の見解

3.私が扱っていない論点

・以下略ちゃんさんのブログ

 Twitterのスレッド表示について(割愛についても)

 Twitterガイドラインについて

 はるかちゃん/ぬいぐるみ/恋話さんへの取材。切り取られたやり取りの全体も確認可能。


 「批判の根拠となるもの」と考えるとなかなか難しいですね。

 他にも『#KuToo 靴から考える本気のフェミニズム』の感想文や、著書をめぐる対応への批判なんかはTwitterやnoteで見つかるので、「他の人はどう感じたんだろう?」と思ったら調べてみるといいと思います。

 以上です。


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