令和5年度 自作ベスト3(1)
(1)
X、41玉、X、32角、42銀迄5手。
ロジックの流れは次のようになる。
(1)最終手が指せることから、詰め上がりでは43に透明駒がある
(2)3手目は透明角による王手だから、もし43の透明駒が玉方のものだとすると、初手が説明できない
(3)ということは、初手は43で玉方透明駒を取る手だった
(4)角は売り切れだから、その駒種は何であれ42と52に利きを持つことが確定
「最終手まで指して初めて、その全貌が掴める」という構成にしたかった。「手順が配置を規定する」という倒錯、特に時間軸を遡って配置が見えてくるというのは、他の詰将棋(フェアリー詰将棋も含む)ではあり得ない透明駒特有の現象で、レトロとの親和性も高い。
ただ、丹念に読みを入れていくというアプローチが通用しないので、解くのは大変だろう。出題時の正解者はわずか3名だった。
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