新・透明駒源泉館(レトロ編)

「新・透明駒源泉館」が好評だったかどうかは分かりませんが、その続編として今回はレトロ入りの作品を6作揃えてみました。
「レトロって何?」という方はまだ沢山いらっしゃると思いますが、要は「通常の透明駒のルールに加えて、局面の合法性も考慮して下さい」ということです。合法な局面とは「実戦において、先後双方がルールを守って指した場合に到達可能な局面」のことをいいます。言葉だけでは分かり難いでしょうから、まずは一つ例題をご覧ください。

           例題

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           ばか詰 3手(透明駒 0+1)

32馬、同角、X迄3手詰。

 32に玉方透明駒がいるのは明らか。先手はこれを取って打った訳ですが、さて何を取ったのでしょう?例えば、32歩だった可能性はあるでしょうか?
 一寸考えてもらえばお分かりのように、それはあり得ませんね。何故ならその場合、後手はこの歩を直前に打ったとしか考えられませんが、そうするとそれ以前に既に香で先手玉に王手がかかっていたことになります。つまり、その局面は非合法なのです。

 同様の理由から、32の玉方透明駒は香、銀、金、及び小駒成駒でもないことが証明できます。角は売り切れていますから、残っているのは桂と飛ですね。「あれ、飛でも不可能局面では?」と思われた方はいませんか。でも、飛の場合は直前に32で先手の駒を取った可能性がありますから、非合法ではありません。

 3手目に透明駒で王手できたことから、32で先手が取った駒は桂でもないことになり、透明駒の正体は飛だったことが分かりました!従って、3手目のXは実は22飛ということになり、これで確かに詰んでいます。(尚、2手の時点ではまだ透明駒が桂である可能性も残されているので、3手目を22飛と書くことはできません)

           (詰め上がり)

2-0(詰め上がり)

「局面の合法性も考慮する」という意味がお分かり頂けたでしょうか?では、以下の6題に挑戦してみて下さいな。いずれも、作意手順中に透明駒の正体は成生を含め完全に決まる筈です。

          (1)

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           ばか詰 1手(透明駒 0+1)


           (2)

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           ばか詰 3手(透明駒 0+1)


          (3)

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           ばか詰 3手(透明駒 0+1)


          (4)

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           ばか詰 3手(透明駒 1+0)


          (5)

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           ばか詰 3手(透明駒 0+1)


          (6)

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           ばか詰 3手(透明駒 0+1)


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