透明駒解答選手権対策講座(3)

3、天竺

 天竺詰の定義は、以下のようなものです。

天竺:双方の玉は、王手をかけられたとき、王手をかけた駒の性能に変わる(両王手の場合は、両方の駒の性能を併せ持つことになる)。

 「行き所のない駒」については、普通の詰将棋と同様禁手です(このルールでは性能が変化する駒は玉のみですから、当然ですが)。
 この天竺詰、線駒に王手されると盤面を広く飛び回る玉の様子が觔斗雲に乗った孫悟空をイメージさせるところから名付けられたようです。尚、これもまたチェスプロブレムに同様のルールがあり、あちらではtransmuted Kingsと呼ばれています。

天竺詰 5手


 初手23銀に対して13玉は14飛で詰。よって21玉と逃げます(玉は銀の性能になっていますから、11玉とはできません)。ここで31飛と捨ててから22銀生とすれば、何とこれで詰んでいます!
「龍で銀を取ったらいいのでは?」と思うかもしれませんが、取った瞬間に33の玉が龍の利きになってしまうので、これはセルフチェックの反則。従って、この局面はもう詰んでいるのです。

 続いて、透明駒を導入した例を見てみましょう。

天竺協力詰 1手


 21飛迄の1手詰ですが、すぐにピンときましたか?飛で王手した瞬間、11玉は飛の利きになりますから、これが合法であるなら12に何か透明駒がいる筈です。そして、それは角以外ありませんね。従って、21飛と打った瞬間、各駒の性能は以下のようになっています。

3-2a 鏡協力詰 1手(透明駒1+0)

従って、確かにこれで詰んでいますね。お分かり頂けたでしょうか。

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