第4回透明駒解答選手権(解答・解説)後編

           8

8 対面協力詰(3手 透明駒1+0)修正図

           対面協力詰 3手(透明駒1+0)
          *余詰

X、41銀、43角迄3手詰。

☆2手目に41銀という対駒が出ていることから、初手は42へ飛か金(小駒成駒)を打つか移動させる手だったことが分かります。3手目43角は玉でも桂でも取れず、また42は既に塞がっているので42に対駒を打つこともできません。よってこれで詰。
☆勿論銀合は限定で、これより弱い駒だと4手目に42の透明駒を取って逃れます。この意味付けが面白いと思ったのですが、如何でしょうか。
☆後から気付いたのですが、前作(7)と同時期の創作なので、手順構成も似通ってしまっていますね。
ほっと-派手な手順。
NZ-2手目が気の利いた合駒。
☆作者お気に入りの作だったのですが、これもまた余詰んでしまいました(泣)。
(余詰1) *ほっとさん、一乗谷酔象氏御指摘
31X、同玉、32桂迄3手詰。
(余詰2) *一乗谷酔象氏御指摘
43角、42歩、同X迄3手詰。

☆前者の見落としも相当情けないのですが、致命的なのが後者の筋。作意と被っているので消しようがありません。仕方がないので、ノーマルなフェアリー詰将棋として修正することにしました(というか、実は元々この図だったのを、「飛が透明駒にできそうだ」と思いついて発表図にしたのでした)。

          (8の修正図)

対面協力詰 3手(透明駒1+0)修正図

           対面協力詰 3手


           9

9 天竺協力詰 5手(透明駒0+1)

           天竺協力詰 5手(透明駒0+1)

89角、21玉、X、11玉、12角成迄5手詰。

☆本作のポイントは後半の3手。12角成の瞬間に11玉は馬の利きとなりますから、最終手が合法になるためには11と77を結ぶ線上に透明駒がなくてはなりません。そうすると3手目X(これは初手で取ったもの)は22か33からの王手だったことになりますが、22歩や33桂では天竺ルールより11玉と動くことはできませんね。つまり、3手目は22飛だったのです!左下で詰めると思いきや、駒の陰もない右上に玉を追い出す順は、かなり意外性があるのではないでしょうか。

          (詰め上がり図)

9-1 天竺協力詰 5手(詰め上がり図)


☆これが今回の最難解作。正解者は、ほっとさんただ一人でした。
ほっと-22飛か。なるほど。

           10

10 禁欲協力詰 5手(透明駒1+0)

          禁欲協力詰 5手(透明駒1+0)
          b) -33歩

a) X、18角、同X、22玉、11角迄5手詰。
b) X、88飛、同X、12玉、11飛迄5手詰。

☆前作とうって変わって、こちらは非常に簡単。21銀成という王手があるので、このルール下だと普通に合駒を出してそれを取るのは反則ですが、王手は例外だと言いたい訳です。単純なアイデアですが、感触は悪くないのではと思っています。
☆2解の構成は典型的なODT。こういうのが当たり前すぎて見向きもされないという風になるまで、しつこくこういうツインを作っていきたいですね。
ほっと-あまり禁欲っぽくないが。
たくぼん-きれいなツイン。81王の意味を考えれば解けました。
まゆしぃ-81玉はいかにもといった配置で解きやすかった。
NZ-簡単ですが、こういう作品は好きです。
一乗谷酔象-81玉で禁欲を回避。縦横の対比が面白い。
神在月生-遠駒で 飛角の対比 好みなり

総評など

たくぼん-最後と言うことで寂しいですね。WFPでもやっていただければうれしいです。
☆申し出はウレシイのですが、WFPでやるのは私には荷が重いです。こうして個人のブログでやっている分には、余詰ぼろぼろでもみんな「やっぱりね」と呆れるだけで済みますから…。
まゆしぃ-変則ばかりでしたが易し目な印象でした。透明駒解答選手権開催ありがとうございました、またもし開催することがあれば楽しみにしておりますのでよろしくお願いします!
☆次にやるとしたら、「透明駒入門」のスタッフが各自数作ずつ作品を持ち寄るという形かなあ。考えておきます。
風みどり-前回より、成績悪いです。最初の1時間はわりと好調かなと思っていたのですが、(8)をずっと考えていてあっという間に時間が無くなりました。
☆「詰まったら さっさと次の 大問へ」は、受験生の鉄則です(笑)。
NZ-久しぶりの透明駒でしたが、前回よりは解けていそうで安心しました。
占魚亭-前回よりは自信を持って解けたと思える作品が増えたような気がします(単に調子が良かっただけ?)。
一乗谷酔象-オール変身ルールなので参加しました。短手数かつ透明駒+変身ルールなので狙いを絞りやすい気がしますが、やはり難しかった。
神在月生-ひとつずつ ルール確認 手間取りし


解答成績発表

 ではお待ちかね、解答成績発表に参りましょう。今回の成績と順位は以下の通りです。

第4回透明駒解答選手権 成績表

ご覧の通り、今回は9題正解した上に2作の余詰を指摘されたほっとさんが優勝されました!例によって何も賞品はありませんが、ほっとさんには次回開催まで「透明駒解答王」を名乗る権利が与えられます(笑)。

ではみなさん、今度は第5回透明駒解答選手権でお会いしましょう!(あ、言っちゃった)

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