見出し画像

Retros on Weekend (02)

(1) Michel Caillaud (Messigny 05/2012, 2nd Prize)

#2 (11+9)
b) Checkless Chess

 なくなった駒は白がQBBSSの5枚で、黒はQBBSSRPの7枚。また、盤面を注意深く観察すれば、白Ph7はc2から来たものであることが分かる。従って、白側の駒取りはこのPh7及びPe3,Pf3によるもので尽きており、白Ph6は駒取りをしていない。
 一方、黒はPh5が2枚、Pc6も1枚駒取りをしている。更に、a筋の黒Pは成っているので(これが直進途中に取られることはない)、ここでも2枚の駒取りがある。以上で黒側の駒取りも尽きており、結局双方とも駒取りは全てPによるものであることが判明した。

 では、このことを念頭に置いて逆算手順を考えてみよう。すぐ分かるように、e3,f3の白P、c6,g6の黒Pのいずれを戻すのも、Bが初形位置で取られたことになりillegal。よって、黒Re6をc1でunpromotionして、戻した黒Pで白駒をuncaptureする他ない。すると、c1=Rの直前は、例えば以下のような図になっている筈だ。

           (図1)

 もし普通のチェスならば、ここから Pc1=R+ Rd1 Rc5...と進めて全く問題ない。よって、a)では白はcastling可能である。ところがChecklessでは、この局面におけるPc1=R+はillegal!これより、先に白がRd1としてからPc1=Rと進めることになるが、この瞬間に白はRかKを動かさなくてはならない。従って、b)では白はcastling不可能ということになる。

           (図2)

以上より、作意順はこのようになる。
a)1.0-0-0 --- 2.Rh1# (1.Kd2?? Rd6+!)
b)1.Kd2 --- 2.Rh1# (1.0-0-0?? illegal!)

 このルールをcastlingの可否に結びつけるCaillaudの発想力の豊かさ、見習いたいものだ。

(2) Thomas R. Dawson (The Chess Amateur 1918)

1枚白Rを追加して#1とせよ (12+10)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?