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畳の主要な構成要素と素材について詳しく解説します/盛岡市前田畳店

畳の主要な構成要素と素材について詳しく解説します

こんにちは、岩手盛岡の前田畳店です。今日は、私たちの大切な商品である畳の素材と構成について畳の業界に18歳の頃から30年以上畳業界に携わっている僕が詳しく解説します。


【執筆者】前田畳店 代表 前田昌俊
・岩手県盛岡市で60年以上続き地元の皆様に愛され続けている 前田畳店の二代目店主
・畳、襖、障子、壁紙、網戸の張り替えと襖紙販売店『和紙屋』代表
・現在登録者4000人の襖系Youtuber https://youtube.com/@tatami777
・畳技能士資格、畳職人指導員資格と壁装技能資格を保有
・『お客様への真心』が仕事の原点。これからもその信念を大切に貫く51歳

先に結論

畳は、畳表、畳床、畳縁の3つの主要な部分から成り立っています。それぞれの部分は異なる素材で作られ、それぞれが畳の特性、つまり耐久性、吸湿性、断熱性などを形成しています。これらの素材とその特性を理解することで、自身の住環境や用途に最適な畳を選ぶことが可能となります。


畳は、その独特な香りと感触で、和室の空間を豊かに彩ります。畳は主に畳表、畳床、畳縁の3つの部分から成り立ち、それぞれ異なる素材が使用されています。これらの素材は畳の耐久性、吸湿性、断熱性などの性能を決定します。畳を選ぶ際には、自身の住環境や用途を考慮しながら、最適な素材を選ぶことが重要です。

その特有の香りと感触が和室の空間を一層豊かに演出します。畳には室内の湿度を調節する能力があり、重苦しい空気を取り除き、リラクゼーション効果の高い空間を提供します。しかし、畳の品質は使用されている素材や材料によりかなり変わります。今回は、畳の構造とそれぞれの部分で使用される素材・材料について解説していきます。


畳表(たたみおもて)の素材

畳表とは表面に見えているゴザの事です。主にイ草(藺草)と経糸(たていと)から成り立っています。イ草は、イグサ科の単子葉植物で、湿地帯で育つことが多いです。畳表に用いられるのはイ草の茎部分で、その特有のスポンジ状の構造が、室内の湿度や不快な臭い、有害物質を吸収する役割を果たします。


畳表の国産と中国産

国産と中国産の違い 畳表の素材として使われるイ草には、主に国産と中国産の2種類があります。国産のイ草は品質が高いとされていますが、その分価格も高くなります。一方、中国産のイ草を使用した畳表は、品質は国産に比べて劣るものの、価格を抑えることが可能です。また、最近では天然のイ草を使用しない化学表も出回っています



化学表は日焼けに強く、耐久性に優れていますが、イ草の香りや雰囲気を楽しむことはできません。これらの違いを理解し、自身の予算や好みに合わせて選ぶことが重要です。


さらに、畳表の経糸(中に通してある糸)には、「綿糸」や「麻糸」など、綿や麻から作られた糸が使用されます。一般的に麻のものが耐久性もあり値段も高いとされています。


畳床

畳床(たたみどこ)の素材 畳の中心部分である畳床には、主に藁、ワラサンド畳床、そして建材床の3つの素材が用いられます。伝統的な藁は、その柔らかな感触と優れた吸湿性、弾力性が特徴です。一方、ワラ床の次に登場したワラサンド畳床は、藁と発泡スチロールを組み合わせたもので、軽さと湿気への強さ、そして優れた断熱性を持っています。また、建材床は発泡スチロールや木材チップだけで作られ、硬めの踏み心地が特徴ですが、軽量で断熱性に優れダニの発生が少ないという利点があります。


ワラ畳床【わらどこ】
ワラ床は、伝統的な畳床の素材であり、その名の通り、藁(ワラ)を使用して作られます。藁は、稲穂から米を取り除いた後の茎部分で、自然素材であるため、独特の風合いと温もりを持っています。

これの最大の特徴は、その優れた吸湿性と放湿性です。これは、藁が持つ自然の性質によるもので、室内の湿度を適切に保つ助けとなります。これにより、畳の上で過ごす時間が快適になります。

また、その柔らかさと弾力性により、独特の踏み心地を提供します。これは、特に床に直接座ったり寝転んだりする和室の生活スタイルにおいて、大きな利点となります。

しかし、ワラ床は耐久性にやや劣るとも言われています。特に湿度が高い場所や、頻繁に重い物を置く場所では、形が崩れやすいという欠点があります。また、ワラ床はダニが発生しやすいという点も注意が必要です。

しかし、その自然素材特有の風合いと機能性を求める方にとって、最適な選択となるでしょう。ただし、メンテナンスや耐久性を重視する場合には、他の素材を検討することも考えられます。


ワラサンド畳床
ワラサンド畳床は、伝統的な藁(ワラ)と現代の素材である発泡スチロールを組み合わせた新素材の畳床です。

ワラサンド畳床の特徴は、藁の自然な風合いと発泡スチロールの機能性を併せ持つ点にあります。藁は、自然の吸湿性と放湿性を提供し、室内の湿度を調節します。一方、発泡スチロールは、軽量でありながら強度があり、優れた断熱性を持っています。


断面図

これらの組み合わせにより、ワラサンド畳床は、伝統的なワラ床よりも耐久性が高く、形状の安定性も優れています。また、発泡スチロールの使用により、ワラ床に比べて重量が軽減され、取り扱いが容易になります。ただしワラを使っているのでカビ、ダニなど虫の発生する確率はゼロではありません。

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しかし、ワラサンド畳床は、全体的に硬め(少しだけ)の踏み心地となるため、ワラ床のような柔らかい踏み心地を好む方には不向きかもしれません。また、横から見た時に発泡スチロールの部分が見えることがあるため、見た目の美しさを重視する方には、伝統的なワラ床の畳がおすすめです。しかしながら畳を敷いている時には見えないので気にしない方はワラサンド畳床も一択かと思います。

ワラサンド畳床は、耐久性と機能性を重視し、かつ自然素材の風合いも楽しみたいという方に、最適な選択となるでしょう。

僕が畳の修行をしていた頃はワラサンドが主流でした。畳屋さんによって、ざっくり言えば昔ながらの堅い仕事をする畳屋さんはワラ床にこだわる職人さんが比較的多いように感じます。僕が修行していた頃はワラサンドもかなり出ていましたが最近ではどこの畳屋さんでも建材の畳床を使う事が多いです。軽くて敷き込み感は抜群、虫は湧きづらく臭いもさほど・・しない。さほどで思い出しましたが2年くらい前の夏に当店で建材の畳床を12畳入れた事がありましたがひと月くらいしてお客様から「酸っぱい臭いがする」とご連絡をいただきお伺いすると確かに酸っぱい臭いがします。材料屋さんも首をかしげるばかりでしたのでネットで検索すると例がありチップの部分を固める時の工程で出る時の臭い(水とか薬とかの記載なし)らしく、いずれ臭いはなくなるという事でらしくお客様にお伝えし、その後、酸っぱい臭いは消えたようです。臭いは商品によってムラもあるとの事ですが今現在はかなり気をつけて製造されているそうです。

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建材畳床

建材畳床は、発泡スチロールや木材チップなどの建築材料を使用した畳床のことを指します。これらの素材は、軽量でありながら強度が高く、優れた断熱性を持っています。

建材畳床の最大の特徴は、その耐久性とメンテナンスの容易さです。発泡スチロールや木材チップは、湿気に強く(比較的)、形状が安定しているため、長期間にわたって使用することが可能です。また、ダニやカビの発生が少ないという特性もあります。


断面図

さらに、建材の畳床は、軽量であるため取り扱いが容易で、畳の交換や移動がしやすいという利点があります。これは、特に頻繁に畳を移動させる必要がある場合や、自分で畳を掃除したり干したりのメンテナンスを行いたい方にとって、大きなメリットとなります。

しかし、建材畳床は、踏み心地が硬めであるため、柔らかい踏み心地を好む方には不向きかもしれません。また、自然素材の風合いや香りを楽しむことはできません。

建材畳床は、耐久性とメンテナンスの容易さを重視する方、またはアレルギーを持つ方にとって、最適な選択となります。


畳縁

畳縁(たたみべり)の素材 畳縁は、畳表の端を保護する役割を果たします。伝統的な畳縁には、蝋引きして磨き上げた綿糸や麻糸が使用されていましたが、現在では化学繊維のものが主流となっています。畳縁には多種多様な素材、色、模様があり、和室の全体的な印象を大きく左右します。

畳縁(たたみべり)の素材とその役割 畳縁は、畳の周囲を覆う部分で、畳表を保護し、畳全体の見た目を整える重要な役割を果たします。畳縁の素材や色、デザインは、和室の雰囲気を大きく左右します。

伝統的には、綿糸や麻糸を蝋引きして磨き上げたものが畳縁に使用されていました。これらの素材は、自然な風合いと耐久性を持ち、長年にわたって使用することが可能です。

しかし、現代では化学繊維が主に使用されるようになりました。化学繊維の畳縁は、色やデザインのバリエーションが豊富で、耐久性やメンテナンス性にも優れています。また、価格も比較的手頃であるため、頻繁に畳縁を交換したい方や、特定のインテリアスタイルに合わせたい方に適しています。

畳縁を選ぶ際には、自分のライフスタイルやインテリアのテイスト、予算などを考慮に入れることが重要です。自然素材の風合いを好む方は、綿糸や麻糸の畳縁を、耐久性やメンテナンス性を重視する方は、化学繊維の畳縁を選ぶと良いでしょう。

個人的には僕のブログでも紹介していますが無地のアースカラーの畳縁が今イチオシです。無地ゆえどんなお部屋にも調和しますし落ち着いている中間色はトレンドです。ちなみに当店では僕がチョイスした4種類のアースカラーの畳縁(オプション料金は無料)をご用意しております。

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まとめ

畳は、その特性を形成する主要な部分である畳表、畳床、畳縁から成り立っています。それぞれの部分は異なる素材で作られ、それぞれが畳の耐久性、吸湿性、断熱性などの特性を生み出します。これらの素材とその特性を理解することで、自身の生活環境やニーズに最適な畳を選ぶことが可能となります。

畳表のイ草は、国産と中国産の違いにより品質と価格が変わります。畳床は、藁、ワラサンド、建材床といった異なる素材があり、それぞれに特性と利点があります。畳縁は、畳の見た目を大きく左右し、綿糸や麻糸、化学繊維などの素材があります。

これらの素材とその特性を理解し、自分の生活環境や予算、好みに応じて選ぶことが、最適な畳選びの鍵となります。

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