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今日の仕事は仕事ですか。

少し前に話題になったこちらのキャッチコピー。

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僕はこのコピーが気に入ってて、広告主も知ってる人だったのですが、世間の一部で炎上しているのに驚きまして。

この広告をどう捉えるかは人それぞれなので、そういう見方もあるんだなーと納得しつつも、「仕事」の定義も人それぞれであることが理解されていないなーと思い、こちらの書籍を紹介します。

4つのメガネ

著者の榎本さんは、多くの人が前時代的なメガネを通して仕事を捉えているといいます。

1. 仕事とは、生計を立てるための手段である
2. 仕事とは、やりたくないことをやることである
3. 仕事とは、既存の職業に自分を合わせることである
4. 仕事とは、同時に1つしか持てないものである

この仕事観は、物質的な豊かさを求めることが明白だった時代にはいいものでした。バブル崩壊前あたりまで。
稼いで、テレビが買えて、車が買えて、家が買えて、それで幸せになれるとほぼ全員が信じていました。

その後、少なくとも日本では、物質的な豊かさを享受できる人が増えたわけですが、
幸せは物質的な豊かさにはなく、精神的な豊かさのなかにあるのではないかと考える人が増えてきました。

精神的な豊かさを求める時代にフィットする仕事観は、以下の4つであると著者はいいます。

1. 仕事とは、自らの存在意義を探求し、表現することである
2. 仕事とは、やりたいことをやることである
3. 仕事とは、自分に合わせるものである
4. 仕事とは、同時に複数持ってもいいものである

2と4は、堀江さんやひろゆきさんが有名になったり、パンデミック祭りの後押しもあり、ノマドワーカーが増えてきた感じもするので、この本が出版された2014年よりも浸透しつつあるのかなと思います。

全部事細かに説明してしまうとつまらないし、ぜひ榎本さんの語り口を堪能してほしいので、僕が特に感銘を受けたところをかいつまんで書きます。

存在意義

自分の存在意義なんてそんなかんたんに言葉にできるものではありませんよね。
これだ!と適当に定めてみても、なんかしっくりこなかったり、実は社会の要請に合わせてただけってこともあります。

でも、それでいいらしいです。
自分で見つけた存在意義に従って、自分の外に向かって働きかける。
働きかけてみて、それが自分にフィードバックされて、ありたい姿はこれなのかと自身に問い直す。
そうして、存在意義がアップデートされていく。
より解像度が上がっていったり、より抽象度が上がっていったり。

仕事には2つの方向性があり、自分の内側に向かうものと、自分の外側に向かうものがあるそうです。
内なる仕事は、自分の存在意義を探求すること。
外なる仕事は、自らの存在意義を目に見えるかたちで具体的に表現すること。

外なる仕事ばかりに目が行きがちで、内なる仕事がおろそかになると、仕事が単なる手段に成り下がってしまう。

純粋意欲

そんな存在意義を探求するには、純粋意欲をヒントにすると良いらしいです。

純粋意欲とは、誰に何を言われるまでもなく、心からやりたいと思える意欲のこと。
夢中になれることと言ってもいいですね。

たとえば、サッカーが好きな人は、サッカーのことを好きになるぞと決意して好きになるわけではありません。
親に連れられてサッカー観戦に行ったら面白かったとか、やってみたら楽しかったとか、きっかけはいろいろ考えられますが、
それで好きになるかどうかは人それぞれで、そこに論理的な理由なんてないわけです。

論理的に説明できない、でも心から湧き上がる気持ちが、純粋意欲です。
つまり恋ですね。

自分のやりたい気持ちが純粋意欲かどうかを判別する方法は、それを行っている、考えているときに、魂が潤うかどうか、だそうです。
潤うのではなく擦り減るようであれば、それは純粋意欲ではないとのこと。

自分のなかにある純粋意欲を組み合わせると、それが存在価値になり、オンリーワンの、ココロが震える仕事ができるんですって。

書籍内では、自分に合わせた仕事をマネタイズするまでの道のりや、生計を立てるための仕事との一時的な付き合い方についても書かれています。
ぜひご一読を。

僕個人はどうなの

僕は肩書的にはエンジニアだったり、弓道を教えたことがあったり、間借りカレーをやっていたりします。
ですが、1つ1つの個別の肩書で自分のことを他者から認識されると、なんか違うなと思ってました。
Do の肩書もわかりやすいし大切だけど、自分の在りよう、Be の部分を伝えたい、理解してほしい。

そう感じるのは、自分のやっていることが自分の存在意義とミスマッチしているからなんですよね。
できそうだからの延長線で、承認欲求ドリブンでここまできました。
実際にやりたいことを仕事にしているフリーランスや起業家と知り合って、悔しさや劣等感を感じたり。

自分自身のことは昔に比べるとまぁまぁ大切にしている。
でも振る舞いに自分軸がなかった。

この本を読んで、自分を表現することが収益を生む形になっていなくても、目に見える形になっていなくてもいいんだと気づきました。
自分の存在意義を探求するのも立派な仕事らしい。

こんなことを考える自分でいるのが今日も楽しみです。

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