リア充という特権階級 第九話(マンション経営の場合)

アキラは奈良に住む両親が持っているマンションの管理をアバターに任すことにした。

アバターは、全国のつぶやきをサーチして、奈良に住みたいと言っている人を探し出す。そして、その人に部屋の様子やコンビニに近いことなどをアピールし、家賃の交渉をして入居の手続きまでしてくれる。

空いている部屋は、airbnbへ貸し出し、清掃の依頼や予約の受付までしてくれる。もちろん、英語やフランス語にも対応している。

アバターが導き出した収入は年200万円±20万円で、アバターを提供している会社が5%のマージンを取る。つまり、何もしなくても、お金が入ってくる。

より高性能なアバターは、旅行者の数や、入居者数のシミュレーションをして、需要があると判断した場所に土地を買ってマンションを建てる。銀行へ返済する金額や、大災害や金融トラブルが起こった時の保険のための費用も計算し、毎月の利益がいくら出るかを計算する。

つまり、何もしなくてもお金が入ってくる。

今では、どうしても働きたい人以外は、アバターにマンション管理を任すようになってしまった。

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