白い病院の親子丼〜こども病院受診②〜
クリニックの先生に紹介されて、初めて受診した県立こども病院は、大きくてきれいな病院でした。
これまでの経過はマガジンにまとめています。よかったら覗いてください。
病院の隣りはIKEAで、そちらには家族で時々買い物に来ていたので、病院があることは知っていました。でもまさか自分たちがそこに行くことになるとは、考えたこともありませんでした。
ちらりと目の端に映っていた建物、自分たちが立ち入ることになるとは、予想もしてなかった建物を見上げ、その大きさと白さに圧倒されました。
さてどこから入るのか、入口がどこかもよく分からず、病院の外を一周してようやく中に入ると、次は受付がどこかよく分からないくらい、広くて静かでした。
病院は、天井が高くて清潔感あり、大きな木の絵が描いてあったり、壁の一部が子どもの通り抜けるサイズでくりぬいてあったりして、おおらかさと温もりがあり、子供も安心できるような配慮が感じられました。
主人と落ち合い、産婦人科へ。
通路のベンチに腰かけて呼ばれるのを待っていると、どうしようもなく緊張して、身体がこわばってきました。
この時、私は風邪をこじらせていて、熱もしんどさもなかったけど、一度咳込むとなかなか収まりませんでした。
その咳が出てきました。
しんと静まった白い空間に、場違いなくらい繰り返し咳が出ました。咳き込むたびにお腹が振動し、赤ちゃんによくないんじゃないか、また出血してしまわないかと心配しました。
止めなきゃ。
思えば思うほど、余計に苦しくておさまりませんでした。不安な私の心境を現すかのように、抑えようとすればするほど、胸の辺りが苦しくなりました。
主人は心配そうに、私の方を見ていました。
尿検査、体重や身長、血圧を測り、横になると看護師さんからテンカウントの仕方を教えてもらいました。
【テンカウントタイム法】
10回の胎動を自覚するのに要する時間を測定する方法です。
胎動が活発な時には短時間で測定が終了するため、
簡便なスクリーニングとして用いられることが多いようです。
再び待合い室で待ち、いよいよ先生の診察。
クリニック以外の産婦人科の先生は初めてで、とても緊張しましたが、柔らかいゆったりした声で
「ちょっと小さ目かな。でもエコーって結構誤差があるんですよ。そんなに心配することない。様子見ていったらいいと思います。次は一週間後にしとこうかな」
以上!!!
拍子抜けするくらい楽観的な診察結果!!!
クリニックの先生の見立てが厳しかったのかも、設備の整った大きな病院では、これくらいの状態は大したことないのかも。
緊張感が一瞬にして解かれ、とにかく安心した私は、主人と病院の食堂に行き、親子丼をぺろりと食べました。ご機嫌で、よくしゃべりました。
そのまま仕事に戻ろうとする私を、主人は引き止めました。主人は診察結果に一喜一憂することなく、クリニックの先生の見立てと、こども病院に継続して受診することになったことを冷静に分析していました。
そして、今は赤ちゃんのことを最優先するべきだから、休めるなら仕事を休んで、できるだけ身体を大切にしようと言ってくれました。
心配することはないと言われたけど、やはり出産はこども病院ですることになりそうだ。。。
そう思うと、やはり今回の妊娠が通常ではないのだと気持ちが沈みました。
いつも自分ひとりで戦っているような気になってしまうのですが、主人の理性的な言葉を聞いていると落ち着きました。
翌日職場で上司に相談し、翌週から病休扱いで、仕事を休ませてもらうことにしました。同僚は皆優しい言葉をかけてくれて、思わず涙が止まりませんでした。
妊娠出産という人生の大イベントの過程で、自分ではどうすることもできないことだらけだけど、なんとか無事に赤ちゃんを産みたいという希望が強くて、喜んだり悲しんだり不安になったり、出来事に翻弄されて、体と気持ちは翻弄され続けていました。
主人と息子は、
いつも一番近くで、
そんな私を応援してくれていました。
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