足半は短い草履?
前の記事では、
「短い草鞋(わらじ)が足半(あしなか)」か、「長い足半が草鞋」かと、
足半と草鞋と台座の長さの違いから考えてきたけれども、
そもそも「足半は草履(ぞうり)じゃないの?」
という疑問をもたれるかもしれない。
確かに足半は「足半草履」とも呼ばれるため、「短い草履」と思ってしまいがちだ。
でも、足半と草履の間には長さの他に明らかに違う点が存在する。
それが鼻緒の位置。
普通の草履は足全体が台座に乗るよう、
鼻緒は台座の先端から一寸程下がった位置に挿げられている。
対して足半の鼻緒が挿げられるのは台座の先端。
このため足半は、足指が台座からはみ出して直接地面を踏むことができる。
この「足指で直接地面を踏むことができる」という点が
足半と草履を機能面で明確に隔てる点であり、
それこそがまさに足半と草鞋との共通点でもある。
見た目は大きく違えど、
共に鼻緒を先端に挿げ、
同様の機能性をもつ足半と草鞋。
足半:短距離・瞬発系 手軽に脱ぎ着できる。動きやすい。
草鞋:長距離・持久系 長く履いても踵が安心。
という特性の違いがあるのだから、
用途に応じて使い分ければいいじゃん。
そんな当たり前のことに気がついて
「足半でハーフマラソン挑戦」なんていうこだわりを
あっさり棄てることができましたとさ。
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