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妻と縄 第二章 95.受胎告知

産院から出た私は歓びに包まれていた。
ああ、とうとう私にも子供が・・・
誰の子供か分からないけれど・・・。
縄師や会長、そして酒屋の大将や中華飯店の社長の顔が浮かんだ。
誰の子供でも構わない。みんな私の愛する夫なのだから。
あの人たちの子供を産めることに歓びを感じる。

しかし私はあることに気付き、ハッとした。
父親の候補に、夫の顔が浮かばなかったのだ!
夫もショックだろうが、私自身ショックだった。
まさか夫の顔が浮かばないとは・・・。
ゴメン・・・本当にごめん・・・・。
このことは口が裂けても夫には言えない・・・・。

でも一体いつ?
3か月前と言えば・・・
あっ! 私の脳裏にあることが閃いた。
キャンプだ! あのキャンプに違いない!
私は確信した。
二日間にわたって昼夜のべつ幕なしに、私は5人の男に犯され続けたのだ。
中で出された数も数え切れないぐらい。

それに縄師は、私を妊娠させようと足を抱えてワギナを上に向かせ、次々と男たちに杭を打つように犯させたのだ。
5人の出した精液は膣を満たし、犯されるたびにペニスの隙間から押し出され、私のお尻を伝い腰の下に溜まっていった。
その時私は・・・満ち足りていた。
男たちの肉便器になれたことを歓んでいたのだ。
私はもう、自他ともに認める肉便器に成り果てていたのだ。

きっとあの時に違いない。
妊娠しない方が難しいぐらいだったと思う。
しかし、私は医者から可能性は低いと言われていた。
とっくに諦めていたのだ。
その上、万が一のことを思って体内避妊用具まで付けている。
確立的には、限りなく0%に近いと思っていたのだ。
それがこんなことになるなんて・・・・。

流石に夫には顔向けできない。
父親が分からないほど私は多くの男に抱かれていたのだから。
ビッチと呼ばれても言い返せない。
しかし夫は、例え誰の子か判らなくても自分の子供として育てると言っている。
それは何度も聞いていた。
縄師にもそう言っていた。
縄師はそれを聞いて、大した男だ、と言っていた記憶がある。
私に向かって、お前は本当に愛されているのだな、と関心もしていた。
あの人の私を思う気持ちに勝てる人は恐らくいないだろう。
誰よりも深く広く、私を愛してくれている。
だからこそ・・・辛いのだ。
責めて夫の子供であってくれたなら・・・。
しかし、その可能性は極めて低い。

可能性が高いのはキャンプに行った5人。
第一に縄師だ。
あの大きいペニスを子宮に当てながら精液を出していたのだ。
もっとも子宮に近い所で射精したのは間違いなく縄師だ。
そして次に、酒屋の大将だ。
縄師に次ぐ大きさの彼のペニスは、十分、子宮に当たる。
それに、キャンプ以外でも抱かれているし・・・・。

いやしかし、大きさだけでは計れないだろう。
回数の多さなら会長だし、精子の強さや多さなら一番若い水野が濃厚だ。

これは本人たちにも言うべきなのか?
もちろん言うべきだろう。
あなたたちの誰かの子よ、と。
彼らは歓ぶかしら?
それとも逃げ出すかしら?
認知を求める気はさらさらないが・・・・。

トモカズは何て言うかしら?
やっぱり歓んでくれるかしら?
それとも寂しそうな顔をするかしら・・・⁉
きっとあの人のことだ。
優しい目でこう言うだろう。
「よくやった、カズミ!」と。

暑さがまたぶり返した九月の半ば、ベランダから満月を見上げながら私は言った。
「出来たみたいなの」

夫は一瞬、息を飲んだ。
そしてゆっくり振り向くと静かに言った。
「そう・・・ありがとう、カズミ」
そして優しく私を抱きしめた。

その底知れない心の深さと果てしない心の広さに、私は胸が震えた。
誰の子か、訊かないの?
私を責めないの?

感動が胸に込み上げ、瞼が熱くなった。
「トモカズ・・・・」
何を言っても傷つけてしまいそうで、それ以上何も言えなかった。

何も言わずに、黙って全てを受け入れてくれてありがとう。
こんな私と一緒にいてくれてありがとう。
こんな私に・・・愛をくれてありがとう。
私は夫に抱きつき、声に出して泣いた。

満月に近い月は、そんな二人を優しく包んでいた。



「そうか、とうとう出来たか⁉ いずれ出来るとは思っていた」
ファミレスの隅の席で、縄師は静かに言った。
まるでそれを知っていたかのように。

先ずは縄師に報せようと私は思ったのだ。
そしてめったに会えないスタッフの水野も一緒に来てもらった。
彼もまた父親候補として、報告を聞くべきだと思ったのだ。

「え⁉ マジ⁉ どうして・・・⁉」
目を丸くして水野は驚いている。
正直な反応だろうと思う。
私の代わりに縄師が答えた。
「当たり前じゃないか。あのキャンプであれだけ犯しまくったんだ。出来ない方が不思議なぐらいだ」
「でも避妊はしてるって」
「あんなものは気休めだ。出来る時は何をやってもできるし、出来ない時はどんなに頑張ってもできない。そういうものさ」
「でも・・・・」
「諦めろ」
そう言って縄師は笑った。
「覚悟を決めるんだな。女を犯したらこうなるって分かってたろ!? お前も父親候補の一人だ。おめでとう」
「やめて下さいよ」
「でもまあ、心配はするな。例えそうでも認知する必要はない。この女の亭主が認知してくれるはずだ。そうだな⁉」
「はい・・・自分の子供として育てるって」
「よかったな、やり逃げ出来て」
縄師は上機嫌にそう言って笑った。

「たぶん私の子供だろうな」
「はい、たぶん・・・・」
「嬉しくないのか?」
「嬉しいです」
「わはは・・・それは良かった。私も嬉しい」
そう言って縄師は笑った。
これだけ上機嫌な縄師を見るのは初めてだった。

「先生、歓んでくれるのですか?」
私は彼に訊いた。
「当たり前だ。これで一生お前と繋がるんだ。最初に私が決めたように」
そう言えば、最初に縄師に犯された時、彼は言っていた。
私に子供を産ませ、自分のものにすると。
全てが彼の思惑通りに動いている。
どこまで分かっているのだろう、この人は?
空恐ろしい様な気がする。

でも正直なところ、私は驚いていた。
こんなに喜んでもらえるとは思っていなかったのだ。
「水野さん、心配しなくて大丈夫ですよ。責任を取れなんて言いませんから」
縄師と一緒に私も笑った。

「それで奴は歓んでいたか?」
「はい。歓んでました」
「誰の子か訊いたか?」
「いえ、何も」
「そうか、流石やつだな。腹が座っている。誰の子でも自分の子供として受け入れたのか。誰でも出来る訳じゃない。大した男だよ」
私は夫のことを褒めてもらって嬉しかった。
こんな人に厳しい人に褒められるなんて。
私は夫のことを誇りに思った。

「じゃあ、暫くはお預けだな!?」
「え⁉ どうしてですか? もう妊娠する心配はないし、やり放題じゃあ・・・」
「まだ3ヶ月だろ。安定していない今は辞めといた方がいい。それに生まれるまでは奥まで突っ込めないぞ。どうしても出したいなら、口か手でやってもらえ」
「そんな・・・じゃあ、今、やってもらっていいですか?」
「わはは・・・仕方ないな。隣に行ってやってもらえ」

彼は縄師に言われ、私の隣にやって来た。
私はそっと彼の股間に手を置いた。
ジーンズの上からでも分かるほど、硬くなっている。
チャックを開け、トランクスからペニスを引っ張り出す。
そして熱いペニスを握り、扱いた。

もう既に私の感覚はおかしくなっていた。
男のペニスを扱いたり咥えたりすることに抵抗がないのだ。
言われればすぐにでも咥えることが出来る。

「わはは・・・嬉しそうだな。それでこそ肉便器だ」
「はい」
私はニコニコしながら答えた。
肉便器という言葉さえ、罵倒されているようには思えないのだ。
それよりも、私に欲情していることが嬉しかった。

「どうだ!? 気持ちいいだろ!? 惚れた女に扱いてもらうのは」
「やめて下さいよ、先生」
そうは言いつつ、彼のペニスは既に我慢汁をとくとくと溢れさせていた。
今にも射精してしまいそうだ。
以前のように私を見下していた彼はもういない。
女として好感以上の気持ちを持ってくれていることが伝わって来る。
「ああ、もうダメだ。イキそうだ・・・」
私は周囲を見渡し、素早く扱きながら頭を彼の股間に埋めた。

「んんっ・・・こいつ・・・ああ、出そうだ」
「どうした? そんなにうまくなってるか?」
「凄いですよ。前とは全然・・・うっ、出すぞ⁉」
私は夢中でペニスを咥え、扱き上げた。
うっ! という声と共に、熱い粘液が口の中に飛び散った。
ゴクゴクと喉を鳴らして精液を飲み込む。
若い彼の精液だけは、他の男とは味が違うと思った。
最も生々しいと言うか、臭いというか・・・。

「ふう、美味しかった」
思わずつぶやいてしまい、私は赤くなった。
あははは・・・・
男たちの笑い声はレストランに響いた。



次は会長だ。
夫を除いて、私の身近にいて最も数多く私と交わった男。

「どうしたんだ? そっちから来るなんて珍しいな」
コミセンに会長がいるのを聞いた私は、一人で出かけた。
「こんにちは」
「今はお気に入りの永田はいないぞ。市役所に戻っている」
「お気に入りだなんて・・・」
「わはは、赤くなったぞ。旦那が聞くと凹むぞ」
彼に会えないのは少し残念だが、キャンプに行ったメンバーではないので今日は用がない。

「もう・・・今日はお話があって来ました」
「ほう、わしに話とはなんだ?」
「出来ちゃったの」
「でき・・・そうか、出来たのか。それはわしの子か?」
会長は驚きはしたものの、歯に布を着せずに言った。
しかし歓んでいるようにも見える。

「それが・・・分からないの。キャンプの時の子供だと思うの」
「ああ、あれか。あれじゃあ判らんな。あれだけ中で出されてちゃな。そうか、あの時のな・・・・」
彼は感慨深げに記憶を辿っているようだ。

「旦那は知っているのか?」
「ええ、最初に話したわ」
「どうだった?」
「歓んでくれたわ。自分の子供として育てるって」
「そうか、別にわしが認知してやっても構わんぞ。子供の一人や二人ぐらい」
「大丈夫。トモカズが認知してくれるって言ってるから」

「それじゃあ、もう3人でやるのは無理か⁉」
「そうなの、4カ月を過ぎる迄控えた方がいいって。でも5カ月に入っても奥まで入れられないの。赤ちゃんを突いちゃうから」
「わしのなら大丈夫だろ?」
「ダメよ。小さくはないんだから。姿勢によっては奥に当たるもの」
「そうか、小さくはないか」
会長は嬉しそうに笑った。

「だから産むまでは手か口で出してあげる」
「ふふ・・・いい心がけだな」
「新井先生に言われたの。みんなにもそう言っとけって。我慢出来なくなったらそれで我慢してもらえって」
「わはは・・・仕方ないな。永田にも言っておこう。あいつのはデカいから余計にダメだな」
そう言って高らかに笑った。

口にこそ出さなかったが、会長はこの子供の父親が自分であることを確信していた。
縄師にしろ助手の水野にしろ、そう信じているようだ。
男は女に自分の子供を産ませたがる。
本能がそうさせるのだろうか?

さあ、次は酒屋の大将だ。
歓んでくれるだろうか?






第二章が始まった。
妊婦の性に興味を持つかどうか、ここが分かれ道だ。
妊娠によって変わる男たちとの関係。
妊娠を利用して金儲けを図る縄師。
妊婦に群がる男たち。
その欲望に臨月まで応える妻。

そして出産。
しかしまだ「妻と縄」は続く。
これからがメインステージだと言えるかも知れない。
妊娠を越えるような夫婦最大の危機が訪れる。
その危機をどうやって乗り越えるか、僕もまだ知らない。
分かっているのは、妻を心底愛していることだけ。
妻のためなら、喜んでこの身を投げ出すだろう。
妻が幸せになれるのなら。







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