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[投げ銭小説]ミズモの夢時間

[全文無料の投げ銭小説です]

みなさん、おはようございます。
ぷちウェブ作家のとし兵衛です。

今日は物語の切れ端を、お目にかけようかと思います。

魔法的写実の小説を、ふと書きたいなと思い立ち、ほんのさわりですができましたので、えいやと公表しちゃいます。

どなたか気のいい読者の方が、投げ銭一つくださったなら、うひょーと叫んで続きを書いて、お披露目するかと思いますので、何卒よろしく願います。

とし兵衛 拝 @high!

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ミズモの夢時間

「ぼくも今年は還暦だから、長年の夢をかなえたいと思ってね」

うちのが突然そんなことを言い出したもんだから、まな板の上でキャベツを刻んでたあたしの手は、凍りついちまったのさ。

あたしの母ちゃんが丹精込めて作ったキャベツでね、そこらの速成栽培のキャベツとは全然違う、甘くておいしい、朝獲りのしゃきしゃきキャベツだよ。

このキャベツのおいしさの秘密は、母ちゃんのミミズ牧場にあるのさ。毎朝母ちゃんが、とびきり上等のごちそうを用意してくれるんだから、ミミズたちも大喜びってわけでね。

あんただってシマミミズとヤマミミズの区別くらいつくだろう? 畑にはヤマミミズがたーんといなくちゃいかんのよ。母ちゃんのご馳走をたっぷり食べて、畑いっぱいのヤマミミズがこんもりと糞を出してくれなくちゃ、このキャベツの甘さは味わえないのさ。

あんたにだけは教えてやるけど、母ちゃんの畑の土は、ゴールデンブラウンって言って、結構な値段で取引されるんだよ。うちのろくでなしの夫は稼ぎなんてないも同然だけど、母ちゃんのおかげで、毎日おまんまにありつけるってわけなんよ。

「今年いっぱいで仕事はやめちゃっていいかな? 幼稚園からやり直したいと思って」

まったく、うちのやつときたら、どうしてこうも人の気を逆なでするようなことを、いけしゃあしゃあと言えるもんだろうねえ。

ねえ、あんた、どう思う? ロクな稼ぎもないノータリンが、仕事をやめて幼稚園だなんてさ。冗談も休み休み言ってほしいってのは、こういうのを言うんじゃないのかい?

まな板の上で母ちゃんのキャベツが、血の涙を流してたよ。

母ちゃん自慢のミミズたちも、今頃畑でげんなりとしてることだろうねえ。

☆続きはこちら→https://note.mu/tosibuu/n/n3b1039bdba85

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