見出し画像

Work From Home

リモートオフィスって細かく分類すると、基本的に在宅勤務っていう条件の職種から、今日は出社しないで自宅で仕事しますっていうのまでいろいろあると思うんですよね。英語では、主に後者を指してwork from homeって言ったりするらしいです。

申し遅れましたが、わたくしナガテと申します。小さなコンサルティングファームを5年前に立ち上げてからボチボチやっております。現在は自宅の一部をオフィスとして活用しております。だから厳密にいうとリモートオフィスではないんですが、私の状況をご説明することがリモートオフィスを検討されている方にとっては有益かもしれないと思い、筆をとってみた次第です。

前まで弊社は東京都墨田区にあった東京都の創業支援施設に入居していたのですが、その閉鎖を受けまして昨年の5月に今のオフィスに引っ越してきました。その際に、これまで別々だった住居とオフィスとを一緒にすることにしました。今回はそのメリット・デメリットについてディスカッションしてまいります。

現在のオフィスの状況

オフィス兼自宅は小田急線・京王井の頭線の下北沢駅から徒歩5分のところに選びました。墨田区の前は明大前に住んでいたり、幡ヶ谷にいたこともあり、代々木から世田谷のあたりの雰囲気が好きだっていうのもあってこの辺を選びましたが、人が来てくれることを前提にしていたので「駅近・新築・できればデザイナーズ・50平米」っていう条件で探しました。家賃はお高めで178,000円、管理費5,000円なので、月額の固定費183,000円ですね。下北沢はやはり人気のエリアらしく、家賃は相場より高めですが、意外と交通の便はよく、都内のクライアント先であればどこでも1時間以内で行けます。下北沢は現在再開発の真っただ中で、この町がどんなふうに変わってゆくのかということを見届けることができればいいな、なんて思って、この物件が出たときには即決しました。

オフィス兼自宅は以下のような構造になっています。この部屋、実際には45平米で条件にしていた50平米より小さいのですが、部屋の構造がやりたいことの条件を満たしているのでここにしました。ちなみに冒頭の写真が現在のオフィスの状況になります。私とアシスタントの席と、もう一席分のスペースがあって、3人で十分仕事ができると思います。

画像1

良かったこと

さて、この仕組みにして一番良かったのは何といっても固定費の節約ですよね。ウチは個人事業ではなく会社にしているので、契約者は私個人なのですが会社が家賃を全額負担し、私と7:3で按分して給与から控除しています。つまり私の家賃負担分は54,900円ですし、会社の負担分は128,100円ですのでどっちを取ってみてもお得です。それ以外にも、水道光熱費、火災保険料は全部会社持ちですので、私個人としては実に低予算で、下北沢の一等地の新築に住めているわけです。このメリットは見過ごせないですよね。

後は不動産取得費の節約ができたのも大きいです。というのも、ここは一応事務所ではなく「住居」として借りているので、敷金1ヶ月、礼金1ヶ月で色々合わせても120~130万程度で引っ越し等もろもろできちゃいました。あとは、家主さんが「ポストに会社名を付けてもかまわない」と言ってくれることが大事ですね。勝手につけると揉めることになると聞いていますので。

もう一つ欠かせないのが、通勤がないということです、当たり前ですが。私は勤め人だった頃、何が嫌かって、通勤の苦痛だけは本当に嫌で、調布に住んでいたころ、品川まで自転車通勤したり、幡ヶ谷から日本橋まで走って通勤したりしていた時もありました。日本のサラリーマンの生産性の低さって、満員の通勤電車と朝の出社時間が事実上固定されていることに尽きると思うんですよね。実際、中国の旅行代理店の従業員を対象にして行ったある実験では、在宅勤務者は通勤者と比較して15%も生産性が上がったという結果を報告しています。まあ、この副作用として満員電車に対する耐性がものすごく下がってしまったというのがありますが。最近ではなるべく午前中にクライアントとの打ち合わせを入れないようにしていますw。

今のところ、あまり良くはないこと

さて、在宅勤務の三大脅威と言われているものがあります。なんだと思いますか? それはベッド・テレビ・冷蔵庫だそうです。まあ、いかにもですよね。私が良く聞くポッドキャスト番組でも取り上げられていました。

うちには現在は週3日のペースでアシスタントの方が来て下さるのですが、その人も基本的には午後イチで登場しますので、なかなか午前中からアクションを起こすという感じにはなりません。この状況ですと、基本的に自分を追い立てるものって、締め切りぐらいしかないんですよね。アシスタントさんが来ない日には基本上下スウェットで仕事してますし。楽ではあるんですが、やっぱり切り替えができないというのはあります。時間を自由にマネージできるので、気が向いたときにジョギングして、そういうのは楽ではあります。それでも生活にメリハリがつきにくいというのはありますね。この生活をしていると、自分を十分にストレッチ出来てはいないのかもしれない、と思うこともあります。

あとは、人によって、特に女性に関しては「ナガテさん個人の家に行って仕事をする」ことに抵抗があるということもあるかと思います。この間、2か月で辞めていかれた人も、そういう理由もあったのじゃないかなと思ったりします。それでも全く気にせず働いてくださっている方もいるので、人それぞれなのかなと。いずれにせよ、人を呼ぶことに制約があるというのも大きなデメリットだと思います。もしビジネスをこれからどんどん大きくしてゆきたいと思っているのであれば、どこかのタイミングでやっぱりきっちりとした箱を用意する必要があるのかな、とは思っています。

まとめると

おかげさまで今の仕事はそれなりに順調で、自分一人が楽しく生活してゆくだけの目的であれば、今のままの職住近接で十分回せると思うんですよね。けれども、10年も20年もこのビジネスが同じように維持されるはずはないし、だから今こそ事業を成長させてゆきたいと思うのであれば、然るべきタイミングで外部のオフィスを借りるという必要はあるのかなとは、何となく感じております。自分が将来にわたってイメージしているビジネスの展望に合わせて、自分のワークスタイルを設計してゆくのが良いのかなと思ったりします。

最後に、The New Yorker誌の2年前のコラムを引用します。ここまで読んで頂き、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?