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#87 2011(平成23)年岩手県におけると畜・畜産食料品・水産食料品の県内生産額の再推計(その1)

今回の投稿は、#75で推計した2011(平成23)年岩手県における「と畜」・「畜産食料品」・「水産食料品」の県内生産額について見直したものになります。

1111(と畜)

平成23年(2011年)産業連関表総合解説編によると、

原則として、品目別に[生産額]=[生産量]×[単価]によって推計した。

平成23年(2011年)産業連関表総合解説編

と記載されています。

(1)牛肉、豚肉、その他の食肉

生産量は、畜産物流通調査のと畜場統計調査の表1-2「都道府県別枝肉生産量」の岩手県のデータを採用しました。そして、単価は、「平成17年部門別品目別国内生産額表」の値を用いました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、単価を「平成23年部門別品目別国内生産額表」の値に変更して再推計を行いました。

(2)鶏肉

本研究では、生産量は、畜産物流通調査の食鳥流通統計調査の表2-2「肉用若鶏の月別処理羽数及び処理重量(都道府県別)」の重量(生体)のデータを用いました。また、単価は「平成17年部門別品目別国内生産額表」の値を用いました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、単価を「平成23年部門別品目別国内生産額表」の値に変更して再推計を行いました。

1112(畜産食料品)

(1)肉加工品

本研究では、以下のような方法で推計しました。

まず、平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計 表番号3-1産業細分類別事業所数、従業者数 、事業に従事する者の人件費及び派遣受入者に係る人材派遣会社への支払額、原材料・燃料・電力の使用額等、製造品出荷額等及び付加価値額(全事業所)より、0912 肉加工品製造業の製造品出荷額等を従業者数で除することで、従業員1人あたりの製造品出荷額等を算出しました。

その値に、平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業横断的集計 表番号2-1 産業(細分類)別民営事業所数,男女別従業者数及び1事業所当たり従業者数-都道府県における岩手県の従業者数をかけることで、県内生産額を推計しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、指標の対全国比×平成23年産業連関表(総務省)生産額により、県内生産額を推計することにします。指標は、「製造品出荷額等」になります。

総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計」の表「産業細分類別事業所数、事業者数 、事業に従事する者の人件費及び派遣受入者に係る人材派遣会社への支払額、原材料・燃料・電力の使用額等、製造品出荷額等及び付加価値額(従業者4人以上の事業所)」における「0912肉加工品製造業」の全国の「製造品出荷額等」のデータを得ます。

次に、岩手県の「0912肉加工品製造業」の製造品出荷額のデータを入手します。

総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計」の表「都道府県別の産業細分類別統計表(従業者4人以上の事業所)」では、データが「x」と秘匿処理がされています。

なので、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計」 の表「工業地区別、事業所数ウェイト順による産業細分類別統計表(従業者4人以上の事業所)」から、従業者数で上位60産業までに「0912肉加工品製造業」がランクインした以下の工業地区の製造品出荷額等のデータを用いることにしました。

  • 盛岡地区(盛岡市、八幡平市、雫石町、葛巻町、岩手町、滝沢村、 紫波町、矢巾町)

  • 岩手中部地区(花巻市、北上市、西和賀町)

算出した指標の対全国比に、総務省「産業連関表 平成23年(2011年)産業連関表(確報) の「生産者価格評価表(基本分類)」の「1112011_肉加工」の国内生産額をかけることで、岩手県の県内生産額を再推計しました。

(2)畜産びん・缶詰

本研究では、本研究では、以下のような方法で推計しました。

まず、平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計 表番号3-1産業細分類別事業所数、従業者数 、事業に従事する者の人件費及び派遣受入者に係る人材派遣会社への支払額、原材料・燃料・電力の使用額等、製造品出荷額等及び付加価値額(全事業所)より、0919 その他の畜産食料品製造業の製造品出荷額等を従業者数で除することで、従業員1人あたりの製造品出荷額等を算出しました。

その値に、平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業横断的集計 表番号2-1 産業(細分類)別民営事業所数,男女別従業者数及び1事業所当たり従業者数-都道府県における岩手県の従業者数をかけることで、県内生産額を推計しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、平成23年(2011年)産業連関表総合解説編の方法に基づいて、(公社)日本缶詰協会の「缶詰時報」の生産金額を用いることを考えています。

総務省統計局の統計データFAQによると、

公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会がまとめている「国内生産数量統計」(日本缶詰びん詰レトルト食品協会)により、缶詰・びん詰・レトルト食品や冷凍食品の生産量を品目別、都道府県別に調べることができます。
⇒ 缶詰時報  月刊

総務省統計局の統計データFAQより

となっています。なので、「缶詰時報」の該当箇所を入手でき次第、再推計に取り掛かる予定です。

(3)酪農品

本研究では、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 製造業(産業細分類別統計表)」より、

・0913 処理牛乳・乳飲料製造業
・0914 乳製品製造業(処理牛乳,乳飲料を除く)

の生産額の値を採用しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、(3)酪農品を「飲用牛乳」と「乳製品」とに分類して、各々の県内生産額を推計します。

「飲用牛乳」については、生産数量×単価で県内生産額を推計します。以下の製品について、生産量を「平成23年牛乳乳製品統計」からデータを得ました。

  • 牛乳

  • 加工乳

  • 乳飲料

  • 乳酸菌飲料

  • 発酵乳

また、単価は、「平成23年部門別品目別国内生産額表」からデータを得ました。

「乳製品」については、指標の対全国比×平成23年産業連関表(総務省)生産額により、県内生産額を推計することにします。指標は、「製造品出荷額等」になります。

総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計」の表「都道府県別の産業細分類別統計表(従業者4人以上の事業所)」における「0914 乳製品製造業(処理牛乳,乳飲料を除く)」の岩手県の「製造品出荷額等」と、

総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計」の表「産業細分類別事業所数、事業者数 、事業に従事する者の人件費及び派遣受入者に係る人材派遣会社への支払額、原材料・燃料・電力の使用額等、製造品出荷額等及び付加価値額(従業者4人以上の事業所)」における「0914 乳製品製造業(処理牛乳,乳飲料を除く)」の全国の「製造品出荷額等」から、指標の対全国比を算出しました。

算出した指標の対全国比に、総務省「産業連関表 平成23年(2011年)産業連関表(確報) の「生産者価格評価表(基本分類)」の「1112032_乳製品」の国内生産額をかけることで、岩手県の県内生産額を再推計しました。

1113(水産食料品)

(1)冷凍魚介類

本研究では、生産量は、水産物流通調査の平成23年水産加工統計調査の「陸上加工都道府県別品目別生産量(平成23年)」のデータを用いました。

また、単価は、生鮮水産物の冷凍では、東京都中央卸売市場年報の「冷凍魚」の部類別平均価格を、その他の加工品の冷凍では、冷凍食品に関連する統計データ(一般社団法人日本冷凍食品協会)の金額/数量を用い、生産額=生産量×単価で推計しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回も、#75と同様の方法で推計を行うことにしました。

(2)塩・干・くん製品

生産量は、生産量は、水産物流通調査の平成23年水産加工統計調査の「陸上加工都道府県別品目別生産量(平成23年)」のデータを用いました。

また、単価は、東京都中央卸売市場年報の市場別品目一覧表(市場別・部類別・品目別取扱高)の平均価格を用いました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回も、#75と同様の方法で推計を行うことにしました。

(3)水産びん・かん詰

本研究では、以下のような方法で推計しました。

まず、平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計 表番号3-1産業細分類別事業所数、従業者数 、事業に従事する者の人件費及び派遣受入者に係る人材派遣会社への支払額、原材料・燃料・電力の使用額等、製造品出荷額等及び付加価値額(全事業所)より、0921 水産缶詰・瓶詰製造業の製造品出荷額等を従業者数で除することで、従業員1人あたりの製造品出荷額等を算出しました。

その値に、平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業横断的集計 表番号2-1 産業(細分類)別民営事業所数,男女別従業者数及び1事業所当たり従業者数-都道府県における岩手県の従業者数をかけることで、県内生産額を推計しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、平成23年(2011年)産業連関表総合解説編の方法に基づいて、(公社)日本缶詰協会の「缶詰時報」の生産金額を用いることを考えています。

なので、「缶詰時報」が入手でき次第、再推計に取り組む予定です。

(4)ねり製品

経済センサス - 活動調査の「都道府県別の産業細分類別統計表(従業者4人以上の事業所)」において、0923水産練製品製造業を営む事業所数は1で、従業員が9人のため、生産額はx(秘匿処理)となっています。

本研究では、岩手県の水産練製品製造業の県内生産額は0と推計しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回も、#75と同様に、「ねり製品」の県内生産額は0と推計しました。

(5)その他の水産食品

本研究では、総務省・経済産業省「平成24年経済センサス‐活動調査 製造業(産業細分類別統計表)」より、

・0922 海藻加工業
・0929 その他の水産食料品製造業

の生産金額の値を採用しました。

「#75 2011(平成23)年岩手県食料品製造業の県内生産額を推計」より

今回は、指標の対全国比×平成23年産業連関表(総務省)生産額により、岩手県の「その他の水産食料品」の県内生産額を再推計しました。

指標は、「平成24年経済センサス‐活動調査 事業所に関する集計 産業別集計 製造業に関する集計」の「従業者4人以上の事業所における製造品出荷額等」になります。

つまり、

  • 0922 海藻加工業

  • 0929 その他の水産食料品製造業

の従業者4人以上の事業所における製造品出荷額等の対全国比を合計し、「平成23年産業連関表」の「その他の水産食料品」の国内生産額を掛けることで再推計しました。

まとめ

今回の投稿では、1111(と畜)、1112(畜産食料品)、1113(水産食料品)の県内生産額について見直しを加えていきました。

それぞれ、基本分類から県内生産額の再推計を試みました。推計方法は、生産数量×単価や指標(製造品出荷額等)の対全国比×平成23年全国産業連関表(総務省統計局)を用いました。

また、一部の部門では「月刊缶詰時報」を入手する必要があると判断し、再推計は入手後となりました。

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