無憂獣のコピー

詩 316

  無憂獣

めざまし時計が鳴ったとき
終わりから見た はじまりで
廊下の長さを知っていた
水が流れる音じゃない

帰りそこねて 夜 遅く
蛍光灯を踏みつぶし
チョーク にぎって 寝ころんだ
月の軌道が魔法陣

門に あじさい 庭に 亀
なにかと出会うための部屋
柱をかざる ベル 綿ぼうし

終わりから見た 裏表紙
もうすぐ わたしは 壁のなか
結局 瓶にのぼれなかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?