バクテリア失踪のコピー

詩 283

  バクテリア失踪

とぎれた線の眠る部屋
かたく むすんで ひらいた手
紙風船は待ちぼうけ
花壇のすみで 繭のなか

かがやく葉っぱに身をつつみ
ブリキの太鼓は 赤と黒
泳げば 時計の歯車と
きしむ 旅する 万華鏡

しょせん あなたは ハンカチの
エンゼルフィッシュ ほつれ 燃え
分かりはしない 砂糖 骨 灰

空と煙突 その あいだ
ランプ ゆらゆら 落ちた 夜
きりとり線に そって 吸う 吐く

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