牙一本のコピー

詩 338

  牙一本

コバルト 波頭の シルエット
ひざをかかえて 小ヤギの目
かわいた 小道は 白と黒
疎外の窓から 水の音

長い手足が もつれそう
エコー あふれる 庭園に
存在理由 置き去りで
ベール ゆるやか テラコッタ

雨の庭園 夕日の目
むすびつくのは むずかしく
魚の名前 片隅 よどむ

そびえる ピアノ 温度計
顔色 かくした 鳥の群
行く あてのない くだけ 散る 雲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?