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詩 351

  エトワール

正方形は ひそやかに
回廊 めぐる 迷いこむ
よろこび かなしみ 歌いあげ
あこがればかり 追いもとめ

炎に照らされ 巨像たち
たったひとつの黒い目に
背をむけ おびえ 朽ちはてて
羽根も うろこも 化けの皮

まるい顔して 旅に出て
ふと 立ちどまる 細い道
隣人たちは いつのまにか もう

黄昏 しずむ 灯台へ
敷石 数え 百歩目で
暗い輪郭 定着する 線

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