庭園公女のコピー

詩 278

  庭園公女

あなたのほどけた髪の下
くらがり うつむく 雪割草
温室 ひそむ 退屈に
抵抗すること できなくて

背中 なだらか 日が暮れて
生まれて一度も 手をつなぎ
笑ったことがない 秘密
漂白剤の犠牲者で

いつもの同じ現象に
不安げ かじかむ 金魚草
とねりこ 慟哭 出発は まだ

タイムマシンは未完成
離陸の合図も無責任
芽吹き 花 咲き 一歩 残照へ

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