詩 241〜245
光合成
わたしの体は欠けていて
明暗 あざやか ここに谷
ひとり 立たされ 英雄の
あかしにもらった風ぐるま
わたしの正面 熱気球
夕日 讃える人々の
聖なる結合 緋のころも
あざやかすぎてうそみたい
膨張させても貯水池で
脳みそに血がまわらない
こんなに わたし 自分を殺し
おみやげだけでもわたせたら
もっと会いたくなるでしょう
感覚 カラス 宙吊り 木馬
初夏の候
生まれてはじめて 崖の上
若葉トンネル くぐりぬけ
子供 眠らせ 雲のなか
浄化の期待は初夏の候
懐中電灯 点滅し
まるで胎動 環状線
ロゴスもバニラ ノスタルジア
トタンも もみじ 郵便局
今度は砂丘 電柱は
やじろべえ(雌) 死屍累々
あじさい 変幻 オキシドールに
どうせ おもかげ カナリアで
モザイクごしで 月面の
遠いどこかの 坂を ごろ ごろ
鳥人間
裾をなびかせ 紫外線
内出血と反応し
礼儀ただしく ひざまずく
やすらぎ 皆無 燃えさかる
亜麻色ウイルス 廃棄して
うなずく あなたは満足で
はるかな上空 見あげては
はじらいながら 手も足も
あいもかわらず 滑走路
黄金回廊 でも なぜか
肉眼なんかでとらえられない
やさしい心の持ちぬしで
一歩を希望と交換し
風化 芳香 うたがいたくない
真鍮王妃
氷河期 こえて へびいちご
朝が苦手な なれのはて
拍手をおしまず 遠慮せず
あなたのダンスを芸術と
肯定したなら 焼きつくす
投影された症状に
みんなの助けが必要で
手さぐり 赤裸々 吐きだした
荒れはて まずしい 形容詞
発音なんて 鈴パルス
十字を切って 簡単 発掘
わたしは不滅の管楽器
足どり やわらか よく見える
生命線上 弱音は禁物
フィアンセ
惰眠 かたくな 最前列
誕生日 でも 猫舌で
大きな目をしてクッキーに
こっそりまぜたビスケット
地球の重力 はぐらかし
あらゆる称賛 あこがれて
餌食になって 泣きもした
王なき時代の星の下
約束したなら 行く 真昼
破片 集める ブルドーザー
光を投げかけ 蜜月 いまこそ
熱く ほてって こげて 黴
行進 ひそかな 最後尾
あなたはかがやかしい模範囚
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