夏至物語のコピー

詩 274

  夏至物語

うつくしい蛾に選ばれて
寒い夜には 靴の音
おびえたように ゆれ 動き
あなたに似た人 知っている

変形しながら顔をなで
大きな青い目だけ残る
表情 空中 縫いあわせ
あなたもわたしもリトマス紙

わかちあうもの なにもなく
ただ ふりつもる パンの耳
季節の国境 そびえる サボテン

石を蹴っては 共鳴し
路地裏 なんて 絶縁体
光を愛する心を守る

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