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【小説の書き方 124】


プロット、キャラクターを創って書き出しても、途中でこの作品はつまらない、と感じることがあります。救う方法はありますか?


最初の着想があなた自身の審査を通過したのであれば
「途中でこの作品はつまらない、と感じること」はないはず。

書きはじめる前に「つまらない」かどうか判断できないなら
それは、技巧以前の問題なのでどうしようもない。


技巧を問題にするとしたら
未熟な作者は例外なく
「見聞きし考えたことをすべて書く」。

(性行為の描写も含んだ)映画のなかで、登場人物が車やエレベーターに乗り込むとき、言説の時間が物語の時間と一致するかどうか確かめるのです。フローベールはフレデリックが長い旅行をしたと言うために一行を使いますが、普通の映画のなかでは、登場人物が飛行機に乗ったかと思うと次のカットですぐに到着しているのにお目にかかります。ところがポルノ映画では、だれかが一〇ブロック先まで車に乗っていくとなると、車は一〇ブロック——現実の時間で——移動します。だれかが冷蔵庫を開けてテレビをつけてソファで飲むためビールを注いだとすると、みなさんが家でそれをするのにかかるのと同じだけ時間がかかるのです。

エーコ『小説の森散策』

この「物語の時間と言説の時間の一致」を忠実に守り
それぞれの章で時間や場所が飛躍しない。

「プロット」を
「漠然とした作品の見通し」以外の意味で
つまり、「作品の構成」として定義しているのかどうか。

「救う方法」があるとすれば
加筆するより、カットの方針で読みかえすほうがいいと思う。
作品の本質と関係のない「尺かせぎ」をしている可能性が高い。


いずれにせよ
具体的なアドバイスをするためには
あなたの作品を読むしかない。


お気軽にご相談ください。


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