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小説の書き方

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2019年1月の記事一覧

【小説の書き方 30】

【小説の書き方 30】

「生命」、「身体」と書いて
それぞれイノチ、カラダと読んでもかまいません。
現在の私は、当て字的な表記はやめて
できるだけシンプルにしようとしていますが
クチビルは「唇」ではなく「口唇」にしたいです。

【小説の書き方 29】

【小説の書き方 29】

「うっそうとした森」というような
読んでもなにも感じられない
決まり文句があります。
「森」以外に「鬱蒼」がつかわれているのを見たことがありません。
どんな森なのでしょう。

【小説の書き方 28】

【小説の書き方 28】

いつもよりさらにうろ覚えですが
誰かの『文章読本』(谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫の著作が有名)で
「『樫』という字が好きだ」
という内容の誰かからの手紙を森鴎外が紹介して
「好きな字だけを書いているわけにもいかない」
と言ったそうです。

【小説の書き方 27】

【小説の書き方 27】

坂口安吾は
よく「レンラク」などとカタカナで
漢字の熟語を表記しますが
想像力がブーストされているとき、手書きは
筆の動きが遅すぎていかにもじれったいので
なんとなく気持ちは分かります。

【小説の書き方 27】

【小説の書き方 27】

神学者・哲学者のギリギリのことばには
なんらかの種類の感銘を受けます。
それが、神と自分と世界の存在理由、存在価値を賭けたことばだからでしょう。
なかでも
スピノザ『神学・政治学論』は
夢中で読みました。

【小説の書き方 26】

【小説の書き方 26】

改行にもルールはありません。
折口信夫、谷崎潤一郎は
改行しても字下げをしません。
ほかにもこのスタイルの作家は
たくさんいたはずですが
ちょっと思い出せません。

【小説の書き方 25】

【小説の書き方 25】

叙事詩、宗教の聖典、賛美歌、お経など
長く伝えられ、多くの人の口から発せられたことによって
心を動かす詞章になったことばがあります。
現代の文学で
このような魔力を得るようなことばが存在するでしょうか。
これから、あらわれるでしょうか。

【小説の書き方 24】

【小説の書き方 24】

愛誦されている小説の冒頭があります。
カフカ『変身』は衝撃的です。

 木曾路はすべて山の中である。

 メロスは激怒した。

 吾輩は猫である。名前はまだ無い。

 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

 「え、ガチで?」

 きょう、ママンが死んだ。

【小説の書き方 23】

【小説の書き方 23】

エレファントカシマシ『歴史』で
森鴎外『渋江抽斎』について
「凄味のある口語文」の「輝きは極限」と歌っています。
当時読了した私には、なにがおもしろいのか分かりませんでした。
「叙情」ならざる「叙事」の世界に目を開いたのは、最近です。

【小説の書き方 22】

【小説の書き方 22】

一説によれば
タイトルが作品の9割だといいます。
的確に内容を象徴するすばらしいタイトルをつけましょう。
ところで
ボリス・ヴィアン『北京の秋』は
内容に「北京」も「秋」もまったく関係ないからつけたタイトルだそうです。

【小説の書き方 21】

【小説の書き方 21】

芥川龍之介の「筋の面白さが作品そのものの芸術的価値を強めるということはない」という意見に
谷崎潤一郎は「筋の面白さを除外するのは、小説という形式がもつ特権を捨ててしまふことである」と反論しました。
もちろん、純文学vsエンタメではありません。

【小説の書き方 20】

【小説の書き方 20】

処女作には作家のすべてが出る
とはよく言いますが
私は、すべて出しきったほうがいい
とも思います。
過去のトラウマ、葛藤、コンプレックスなどを書きつくすことで
次の作品からは
自分の主観をコントロールできるようになります。

【小説の書き方 19】

【小説の書き方 19】

「カギカッコで地の文とセリフを区切るのは
決まりではありません」
(このようにセリフをあらわすこともあります。日影丈吉『かむなぎうた』で見たときは衝撃を受けました)
――これも海外小説でよくあります。
あえてセリフを地の文に融合させることも。

【小説の書き方 18】

【小説の書き方 18】

毎日少しずつ書くか、〆切ぎりぎりで一気に書くか。
私は前者ですが、同じスタイルの人には
ほとんど会った記憶がありません。
スタイルなので、どちらでも構いませんが
急な仕事があって一晩で書くときなど、精神的にも肉体的にも本当につらいです。