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2023年2月の記事一覧

詩 391

詩 391

   蓮歩感覚

あわい色 染め 花の色
線路 あざやか ペイズリー
自転車 ころんで 迷彩の
王は 笑って 救うから

万年筆の欺瞞など
とっくに気づいて 飴の窓
夢に まで 出て 金の橋

ものがたり 蜜 みんな 0
雨の味して 交差点
ゴシック体は 広がって

白いトランク 注文 多い
いつつの誓い 石板に
海に あこがれ えがくほど
遠すぎる まだ 雲 遠すぎる

詩 390

詩 390

   水の声(黒の魚)

青のカプセル 処方され
幕がとじても 見つからず
ピエタの背中に 見つからず
本のなかには 飛行船

火花 ちる ちる 教室の
花瓶の底でも あなた 泣く
音楽 はじまり あなた 泣く
記憶のなかで 歩むから

かなしい 姫君 塔の上
月夜 助けてほしいのです
工場 髪 ゆい さばきの日には

網に とらえた 万年筆
白昼 刺してほしいのです
夢を 盗んでほしいのです

Les jours d'écume (36)

Les jours d'écume (36)

自動販売機は水槽で、ソーダと金魚を百円で買える。きっと世界の終わりまで立っていて、世界が終わっても立っていて、らんちゅうだけが泳いでいる。