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#脚本
モノクロ同盟 (16) 終
3−4
福永、登場。
福永 先生! ……大森さん。
大森 どうも……
福永 先生、いま、先生の本、読み終わったんですよ。
おもしろいじゃないですか。やっと、先生も小説の書きかたが分かったんですね。
岩谷 どうも……
福永 早く感想を伝えたくて!
つづきは、いつ書けるんですか?
岩谷 つづき?
福永 つづき!
岸田 それは……
三上 ぼ
モノクロ同盟 (15)
3−1
書斎。
岩谷、ひとり。
本棚、机の上、がらんとしている。
チャイムが鳴る。
岩谷 はい。
伊藤、登場。
伊藤 ……ずいぶん……
岩谷 きれいになったか?
伊藤 ……さみしくなった。
岩谷 引っ越し、するんだ。
伊藤 そう。
岩谷 処分した。
伊藤 本、全部?
岩谷 ほとんどね。
伊藤 命より大切なんだと思ってた。
岩谷
モノクロ同盟 (14)
2−8
岩谷、くろかわ、はいじま、しろい。
岩谷 おまえら……
三人 はい!
岩谷 なにがしたいんだ?
三人 はい?
岩谷 なにしてたんだ?
くろかわ 先生に……
はいじま よろこんで……
しろい もらうため!
岩谷 ……
くろかわ さあ!
はいじま どうです!
しろい さあ!
三人 さあ!
沈黙。
岩谷 おれにどうしろというんだ……
三人
モノクロ同盟 (13)
2―4
岩谷、篠原、登場。
岩谷 道、覚えた?
篠原 弟子は?
岩谷 知らん。
篠原 いないのか?
岩谷 そういえば、一週間か十日くらい見ていない気がする。
篠原 なにかあったのか?
岩谷 なにも。突然。なにも言わず。
篠原 ……それで?
岩谷 そのうち帰ってくるだろ。
篠原 いや、おまえだ。なんの用かと思って。
岩谷 ……引っ越す。
篠原
モノクロ同盟 (12)
2−1
書斎。
大森、本をはこんでいる、
福永、登場。
大森とぶつかりそうになる。
福永 なんです。
大森 あなたこそ。
福永 玄関があいてたものだから、ふらっと。
大森 へー。
福永 また、本を売るんですか、先生?
大森 そうですね……ありがたい……
福永 あの。
大森 はい。
福永 決着を、つけませんか。
大森 ほう?
福永 お分
モノクロ同盟 (11)
1−32
岩谷、ひとり。
しばらく黙々とパソコンをたたく。
やがて、息をついて、いすにもたれる。
目を閉じて、寝る。
1−33
しろい、登場。
しろい 先生! 天才!
寝ていることに気づき、しずかにする。
いったん去って、毛布を持ってくる。岩谷にかけてやる。
くろかわ、はいじま、帰ってくる。
「しー」と、しろい。
くろかわ 読んだの?
しろい う
モノクロ同盟 (10)
1―28
くろかわ、はいじま、登場。
く・は お待たせしました!
篠原 どうも……コーヒー? ……こぶ茶? 紅茶? 麦茶? なにこれ?
はいじま 正解!
篠原 ……?
はいじま 全部、ブレンドしました。
岩谷 カフェオレか?
くろかわ いい色でしょう?
岩谷 そうだな。
くろかわ 茶色!
岩谷 コーヒーと牛乳?
くろかわ 茶色!
岩谷 茶色?
くろかわ 茶色!
岩
モノクロ同盟 (9)
1−24
岩谷、篠原、登場。
岩谷 ……また、来たのか。
伊藤 忘れもの。
岩谷 そうか。
伊藤 お客さん?
篠原 どうも……篠原です。
岩谷 大学のときの友人だよ。来るのは、はじめてなんでね。
篠原 こちらは?
岩谷 むかし、つきあってた女。合鍵を置きにきたんだってさ。
篠原 ああ……やっぱり、小説を書いたり、読んだり、批評したり……
岩谷 いや。
モノクロ同盟 (8)
1−21
しろい、原稿を手に、登場。
はいじまも、登場
しろい 呼んだ?
岩谷 呼んでない。
しろい なんだ……(あくび)
岩谷 (時計を見る)留守番してて。
はいじま はい。
岩谷 すぐにもどる。
1−22
岩谷、パソコンを閉じて、去る。
はいじま、しろい。
しろいは眠くなって、机で寝る。
くろかわ、登場。
くろかわ 先生、本をまとめました!
は
モノクロ同盟 (7)
1−18
岩谷、福永。
福永 ……
岩谷 いま、鑑定中なんで、少し待ってもらえますか。
福永 え?
岩谷 家賃でしょ?
福永 ああ、そうね。
岩谷 はいじま。
はいじま (顔をのぞかせる)はい。
岩谷 この人に、お茶をあげて。
はいじま えー……
岩谷 いやか?
はいじま いやです。
岩谷 なんで?
はいじま ……かしこまりました(福永に舌を出して去る)
モノクロ同盟 (6)
1−16
しろい はーい。
福永としろい、はちあわせる。
尻もちをつく、しろい、福永。
岩谷 おまえか。
しろい だめですか?
岩谷 原稿、読んでればいいのに。
しろい でも……くろかわさん、はいじまさん。
くろかわ、はいじま、顔をのぞかせる。
すぐに去る。
しろい ……いやなんですって。
岩谷 なんで?
しろい ……こわい思いをしたんですって。木刀
モノクロ同盟 (5)
1−10
三上、岸田、あっけにとられて、ふたりを見送る。
岩谷 (岸田へ)書いてきたんだろ。
岸田 ……はい。
岩谷 置いていけよ。
岸田 ありがとうございます。
岩谷 三上さん、読んだの?
三上 いえ、まだ……
岩谷 いいの? 先に読んで。
三上 岸田くんに聞いてください。
岸田 ぼくは……はい(机に原稿を置く)これです。
岩谷 じゃあ、たしかに。
モノクロ同盟 (4)
1−6
岩谷、伊藤、しろい。
岩谷 (いすにすわる)……うん?
伊藤 え?
岩谷 合鍵、返しに来たんだろ?
伊藤 ええ……あと、ぼうし……
岩谷 ああ、そう。
伊藤 ……さっさと帰れってこと?
岩谷 もう用がないなら。
伊藤 ……あいかわらずね。
岩谷 変なこと、言ってるかな。
伊藤 ……原稿、また返されたの。
岩谷 まあね。書きなおしてた。1日
モノクロ同盟 (3)
1−4
しろい 先生、原稿ができました!
伊藤に原稿用紙を押しつける。
しろい 読んでください! 先生!
伊藤 ……じゃない!
しりぞく、しろい。
しろい ……誰?
くろかわ、はいじま、「知らない」のジャスチャー。
しろい (伊藤へ)誰?
伊藤 伊藤ふゆみ。あんたたちの先生の、もと恋人ですけど。
ぼうし、とりに来たんですけど!
合鍵、返