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「萬歳」

~寿柳流チャンネル2021年12月公開~

今回ご覧頂く動画は2019年11月に歌舞伎座で踊らせて頂いた義太夫の
「萬歳」です。
この映像は、三代目花柳壽輔追善公演として、
歌舞伎座という素晴らしい舞台で、
寿柳流にとって初めての舞踊会を執り行わせて頂いたときのものです。

本当に沢山の方のご協力、ご支援、ご理解のお陰で、寿柳流を創流することが出来たこと、さらに、三代目様の追善公演を歌舞伎座で開くことが出来たことに、感謝の気持ちでいっぱいでした。

また、「萬歳」は追善公演昼の部の幕開けで踊らせて頂きましたが、
舞踊会開催のためにご尽力下さった方々、出演して下さる方々、流儀の皆さん、スタッフの皆様、また、幕開けから足を運んで下さり、いつも応援して下さっているお客様、すべての皆様のご厚情に感謝し、そのお気持ちに応え、またこの会が成功で終われるように真摯に踊らせて頂きました。

序幕という重圧もありましたが、会の幕開けとして、とにかく華やかな舞台になるように努めました。

「萬歳」は、以前に、自分のリサイタルで踊らせて頂いたことがありましたが、その時は素踊りという紋付き袴で踊らせて頂きました。
追善公演は、歌舞伎座公演ということもあって、衣装付けで踊らせて頂きました。

「萬歳」は、基本的に男性の役なので、足を割って踊ります。

素踊りの際には袴を着けているので、しっかりと足も割れますし、腰を落として踊ることが出来ました。
追善公演は、衣装付けということで、袴を着けず、着流しの形となり、生まれて初めての扮装でした。着流しですと、足を割りすぎて着物の裾が開き、中が見えてしまうとみっともないので、足の割り方には苦心しました。

役としては男性ですが、どうしたら中性的な美しさ、たおやかさも表現できるのか悩みました。

この演目を通して、「足を割る」、「腰を入れる」ということ、そして「魅せる」ということの難しさと本当の意味を再度考えさせてもらえました。

振りのもつ意味に加えて振りと振りをどう繋ぎ、どう踊るのか、本当に舞踊の深さを痛感しました。

これからもっと精進してその深淵をもっと覗き、これからの励みにしていきたいと思います。

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