槇原敬之『2つの願い』痛みと優しさ
素敵なメロディーに、素敵な歌詞が載っていれば、もう十分だと、
槇原敬之、彼の音楽を聴くときにいつも思う。
彼の作品には好きな曲、思い出が詰まった曲はたくさんあるが、大人になってからよく聴く曲がある。
それが『2つの願い』だ。
屈指のメロディーメーカーであるマッキーだが、言わずもがな、歌詞が良い。辛いときにも楽しいときにも、心に刺さる。
この曲はストーリー仕立てになっているが、解釈はそれぞれだ。
ここでは特に刺さったフレーズを挙げたい。
それは「優しさを手に入れるときは、胸が少しだけ痛い」だ。
本当に凄いフレーズだと思う。こうやって文字にするとなんでもないのに、誰でも言語化できるわけではない。本当に喜怒哀楽に富み、そして優しく繊細な人なのだと思う。
胸の痛みがなければ、人は優しくなれないのかというと、そんなことはないはずだ。だけど、胸の痛みや悲しさを知ってる人は、やはり優しい人だ。
だから悲しい出来事だって、無駄にはならないことになる。それが、そう信じることが、悲しみに堪えるための、人間が生きていくための、作用なのかもしれない。生きていれば悲しいことはたくさんあるから。
そんなときに身を寄せたい音楽があるというのは、素敵なことだ。それも悲しみのおかげなのかもしれない。
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