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ショート動画コント職人徹底解剖。サンドウィッチマン+麻枝准+AI=ハネハネ (ゲスト ハネハネ @HANExHANE_GS)

YouTuberや業界のキーマンに根掘り葉掘りインタビューをする「本音で語るゲームコミュニティラジオ」。元Supercellでクラロワ・ブロスタのコミュニティ・マーケティングに携わっていたSide & Co. CEOの脇と、FENNELに所属のプロゲーマーで、クラロワでは公式のチーム戦で世界4位の実績もあるけんつめしさんと隔週でX Spaceにて配信しています。今回はショート動画の神ハネハネさんをお迎えしました!今回は前編と後編に分けてお届けします。

▶️ 後編:ショート動画コント職人の神に聞く、ショート動画のアドバイス

連載はこちら:本音で語るゲームコミュニティラジオ


ハネハネ=登録者数100万人達成&月間5,000万再生

:改めまして、100万人登録おめでとう!

ハネハネ :ありがとうございます。

:あくまで通過だと動画では言ってたけど、さすがにね、嬉しいよね。

ハネハネ :嬉しいっちゃ嬉しいですけど、大きな心境の変化があったかといったら、そんなにないですね。

:そうなんだ。YouTubeから盾は送られてきたの?

ハネハネ :来ました来ました。開けてはないですけど、七輪(で焼肉を食べながら語る)動画を明日撮るんで、その時に開けようかなって思ってます。

:動画楽しみにしてます。

ハネハネ :ありがとうございます。

:早速、色々と聞いていけたら。まず、ハネハネくんのチャンネルについて。100万人登録者数を達成したチャンネルだけど、月間再生はどのぐらいで、どんな人が見てるんですか?属性とか年齢とか。

ハネハネ :再生数で言うと、月に5000万ぐらいですね。

:すご。

ハネハネ :視聴者層としては、7:3で男性が多くて、年齢は割とばらけてる感じですね。小学生から、55歳くらいまで、割と見てくれてますね。

:意外と思う気持ちもありつつ、わかる気がする。僕は38歳なんですけど、普通に面白いと思えるし、今3歳と5歳の息子がいるんだけど、ネタによっては、ギリギリいけるのもあるだろうなって思うから。

ハネハネ :そうですね。動きで見せるやつならいけると思いますね。

ヒットシリーズの産みの苦しみとその乗り越え方

:ショート動画を始めて2年くらいだよね。その中で何回かヒットシリーズを生み出してると思うけど、産みの苦しみってあるの?あるならどうやって乗り越えてるの?

ハネハネ :産みの苦しみはそんなになくて。僕は台本作るのが好きで、それでコントやってるようなもんなんですよね。

:好きなんだね。

ハネハネ :演技とか編集ではなく、台本作るのが好きなんですよ。小説書いてた延長でやってるみたいな感じなんですよね。だから基本的には産みの苦しみはないんですけど、勇者ひろゆきは辛かったですね。

:前に聞いたね。最後にストーリーをまとめていくのが結構大変だったとか。

ハネハネ :物語があるって大変なんですよ。例えば柊さんシリーズは物語はないじゃないですか、基本的には。

:そうだね。

ハネハネ :(柊さんシリーズは)1話完結なので、その回が3分だったら、3分の中で起承転結つつければいい。一方で勇者ひろゆきだと、1話の中で起承転結をつけて、なおかつ、7話あるとしたら7話全体でも起承転結をつけるみたいな感じで、2段階あるんで、かなり難しくなるんですよね。

:なるほどね、それは大変だわ。

ハネハネグッズは日常使いも考慮したファングッズ

ハネハネグッズ。あれはファンサービス的なのか、それとももっと色んな展開をイメージしてやっているのか、どっちなんですか?

ハネハネ :理想としてはファン以外の人にも売っていきたい気持ちはあるんですよ。

:あるんだ。ちょっと意外。

ハネハネ :(それをやれていないのは)シンプルにそこは思いつかないからって話ですw

:思いつかないっていうのはデザインが?

ハネハネ :ファン向けならどんなグッズを作ればいいかはわかるじゃないですか。一方で、ファン以外の人に売っていくことを考えた場合、何をどうやって何売ってけばいいのかってわからない。だから出してないだけです。

:なるほど。今できることをしてると。

ハネハネ :できるなら普通の商品も売っていきたいんですけど。

:でも、ファングッズといっても、普段から使えるものを売っているイメージ。僕、エンジェルオブダークネスのトレーナーを持ってるんだけど、テイストが80年代風?70年代風?のシティポップを意識した感じで…

ハネハネ:…?

:え?嘘でしょ?当時シティポップが流行ったのを意識したわけじゃないんだw 「そうなんですよ」ってくると思ってたw

ハネハネ :あははははw

:当時シティポップって音楽のジャンルがやたら流行ってて、そのシティポップっぽいデザインだったんですよね。それで着やすいなって思って、日常使いしてました。

ハネハネ :でもそうなんです。日常使いしやすいように作ってるんで。そこはめちゃくちゃ考えましたね。デザイナーがすごい優秀で。

:いいデザインだったと僕も思う。

ハネハネ :ありがとうございます。

:ハネハネくんがコントでやってるキャラクターがそのままプリントされたシャツとか、買ってもいいんだけど、着ないよね実際w

ハネハネ :そうなんですよねw 萌えキャラすぎても着づらいじゃないですか。

:ちょっと着づらいよね、特に38歳としては着れない。

撮影から編集から全て一人。その理由は「不確定要素をなくしたい」から

:(動画の制作を)完全に一人でやってるいると100万登録者記念の動画で言ってたよね。誰かと仕事する未来とか、より大きな仕事をする未来ってあり得るの?

ハネハネ :あり得るとは思いますけど、僕一人向きなんですよね。

:一人向きだよね。

ハネハネ :誰かと仕事すると、口出したくなっちゃうんですよねw 細かいところまでこだわり尽くしちゃうんで、気になっちゃうんですよね。

:あと、ハネハネくんは自分のペースがめちゃめちゃあるよね。

ハネハネ :ありますあります。

:生活リズムのレベルからある。朝起きて、その後散歩してとか、そういうレベルからあるもんね。

ハネハネ :そうなんです。誰かに任せるってのは、自分じゃコントロールできない部分がめちゃくちゃ多いじゃないですか。それがあまり好きではなくて、自分でコントロールできる範囲内でやっていきたいってのはありますね。一人だったら、自分で頑張って成果出したら全部自分のおかげだし、うまくいかなかったら自分の責任だしってことで、全部納得いくし、成長にもつながるし。

:確かに。

ハネハネ :不確定要素がないってのが、一番ですかね。

:共感するところはある。僕も起業して、今は一人で仕事してるけど、(会社員だった時は)「これ超面白いんじゃないか」みたいなことを思いついても、社内的にタイミングが合ってるかとか、うまくそれをプレゼンできるかとか、根回しする順番を考えるとか、そういったことが、そもそも好きじゃないし、苦手。そういうストレスはあったよね。それが別に退職した理由ではないんだけど。

ハネハネ :脇さんは誰かと仕事したり協力したりが得意そうに見えてましたけど、そうじゃなかったんですね。

:相性がいい人とすごいスピードで物事を進めていくみたいなことは得意だ思う。なぜかっていうと、全部本音ですぐ喋っちゃうんだよね、よくも悪くも。それはいいことだねって言われることもあるんだけど、実際には人を傷つけたりとか、タイミングが合わなかったりとかして物事がすぐ止まっちゃうことは多くて。一方で、本音が全然OKで、向こうもあんまり気を使うの得意じゃないみたいな人とだと、お互い遠慮しないで話が進むんで、めっちゃ早い。相性がいい時は問題ないんだけど、相性があんまり良くない時に調整できなくて。

ハネハネ :それはめちゃくちゃわかるw 脇さんは本当に嘘つけないというか、本当に本音で言うタイプですもんね。

:そうなんだよね。

ハネハネ :それわかるなw

:顔にも出ちゃうっていう問題もあって。

ハネハネ :会社員あんま向いてないかもしれないですねw

:38歳になるまで会社員があんまり向いてないことに気が付かなかったのは良かったかもしれないw

ハネハネ :僕も本当にそれで、サラリーマンとか絶対無理っすもん。誰かにやらされる仕事は無理なんですよ僕。

:僕より無理だと思うw

ハネハネ :やらされることには全くやる気が出ないんで。自分でやるって決めたことだったら、本当に無限にやれるんですけど。

憧れは「麻枝准」さん

:こんな人みたいになりたいとか、こういう人かっこいいな、みたいなロールモデルはいるの?もしくは憧れる人とか。

ハネハネ :憧れだと麻枝准さんっていうシナリオライターさんが好きですね。CLANNADとか、Angel Beats!とか作ってた人で、僕その人が大好きで、尊敬してます。

:そっかそっか、そっちをハネハネくんは経由してるもんね。

ハネハネ :めちゃめちゃ経由してます。Key作品は特に影響受けてます。アニメの影響はめちゃくちゃ大きいと思います。

:昔、ライトノベルの話もしたよね。最初のコントはラノベのお店とかだったもんね。

ハネハネ :最初はアニオタ向けにやってたんですよ。ウケないから変えたんですけど。

:確かにニッチすぎるかもしれないね。今いる3割の女性とか、ほとんどの年齢層も取れないもんね。

ハネハネ :そうなんですよ。でも今となっては昔の動画も伸びてるんで、結果的には伸びてるんですよ。アニメショップコントも100万再生前後いってるんで全部。

:そうなの?すごいね!

「背景は自作」「未来には漫画やアニメも」AIを活用したコンテンツ作り

:YouTube以外のことも考えたりとかするの?

ハネハネ :しますね。僕は台本作るの好きなので、漫画とかアニメとかも作ってみたいっていうのはありますね。

:そうなんだ。

ハネハネ :昔小説家目指してたんこともあり、やっぱりまだ物語書きたいっていう欲は全然残ってるんで。それに、AIの力で漫画も作れるようになると思うんで、話だけ自分で作って、AIにプロンプト打ち込んで絵描いてもらうみたいな感じに5年、10年後はなってくんじゃないかなと思います。

:なるほどね。ハネハネ君が漫画家の画力をつけるのはさすが無理だもんね。一方で、物語とか、コンテンツの中身は作れるから、あとはテクノロジーでカバーすると。

ハネハネ :そうですね。もちろん誰かと協力してうまくいけばいいんですけど、その相棒がうまく見つかるかどうか。絵を描いてくれる相棒が見つかればいいんですけど、見つからなければAIですよね。

:最初からAIでいいんじゃない?

ハネハネ :僕、実はコントでAIめっちゃ使ってるんですよ。背景画像、全部AIで最近作ってるんですよね。

:そうなんだ。

ハネハネ :最近、ウサミンの豪邸シリーズをやってるんですけど、あれ全部自分で呪文を打ち込んで作ったんですよね。

:あれね!(動画)見てるときに、背景どこから持ってきてんだろうって、思ったのよ実際。こんなピッタリの画像あるのかな?って。最初のディズニーランドみたいな背景からして、これどっから持ってきたんだろうなって思ってたけど、そういうことね。

ハネハネ :(動画の背景で使っている)城って、どこからも持ってこられないじゃないですか。著作権的に危ないし。だから自分で作っちゃえばいいなって思って、それでAI勉強したら割と簡単にできて。

:なるほどなー。

ハネハネ :YouTuberでAI使ってる人いないと思いますよ。そもそも僕みたいに、撮影をグリーンバックでやってる人がほとんどいないんで。

:確かに。

ハネハネ :画像生成を生かせれる人があんまりいないと思います。それに、AIで背景作っていて思ったのは、どれだけ自分の頭の中で想像できてるのか。それがないと、AIを使って何を作っていいのか分からない。だからどれだけ自分の頭の中にあるのかが、一番大事かなって思います。

「デスノート」「サンドウィッチマン」が元ネタなハネハネコント

:コント番組は見るの?

ハネハネ :そんな見ないですね。

:となると、コントを作る時に、何からインスパイアされてるの?

ハネハネ :漫画からもってくるパターンが多いですね。例えば直近、餃子一個を取り合う心理戦のコント動画を作ったんですけど、あれはデスノートの構造なんですよね。デスノートの心理戦を、めちゃくちゃギャグに寄せて作った。

:それはわからんかった。

ハネハネ :(デスノートは)大好きで10回ぐらい見てるんですよね。何十回とか見てると、自分で使えるようになってくるんですよね。

:ちゃんと見てるってことなのかな。

ハネハネ :10回とか見てると自然と体に染み込んでくるんで、そうすると、どうやって組み合わせたら面白いものを作れるのかがわかってくるんですよね。そんな感じで、割といろんなとこから持ってきてます。

:そういうことね。

ハネハネ :コントでいうと、サンドウィッチマンさんをめちゃくちゃ研究してました、昔。

:そうなんだ。

ハネハネ :僕の笑いはサンドウィッチマンのコントの構造がベースになってます。

:どうしてサンドウィッチマンを参考にしたの?好きだから?

ハネハネ :好きだったのもそうだし、あと、当時一番ネットで伸びてたのがサンドウィッチマンだったんですよ。例えばYouTubeでコントで検索すると、上位10個ぐらいがサンドウィッチマンなんですよね。

:全然知らなかった。

ハネハネ :サンドウィッチマンって平均2-3,000万再生いってるんですよ、コントが。他の芸人さんでそこまでの数字を出している人はいないんですよね。いってもアンジャッシュのすれ違いコントで1,000万再生、陣内さんで数百万再生とか。それをみて、サンドウィッチマンの構造を自分に取り入れたら絶対うまくいくよねっていうのがあって。

:なるほどなあ、勤勉だ。

ハネハネ :何十回も見まくって、それで構造を理解することでスキルを身につけたって感じですかね。

:お笑い芸人がYouTubeやってても、コントじゃない形式の方が多いもんね。特に最近は。

ハネハネ :コントって作るのめちゃくちゃ面倒いんですよ。テレビに出てる芸人さんがやるのは無理なんですよね。あと、テレビの笑いとネットの笑いって全然違うんで。一番はテンポ感が違う。テレビの笑いってめっちゃ遅いんですよ。テレビって大体みんな、誰かと喋りながら見たりとか、料理しながら見たりとか、「ながら見」するじゃないですか。だからテンポ感早いと、見てもらえないんですよね。あと高齢者が多いっていうのもあって。一方で、ネットは視聴者が若いし、(ながら見ではなく)ちゃんとみる人が多いんですよ。だからテンポ感早くやった方が受けるんですよね。

▶️ 後編:ショート動画コント職人の神に聞く、ショート動画のアドバイス

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