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Twitterが本当に沈没する前に、ゲームコミュニティの戦略について考えておくnote

Special Thanks

一緒に議論してくれた@Relyh くん、@はまちマシッソ@けんつめし ありがとう!みんなから教えてもらったことでnote書かせてもらいました!

Q. Threadsでゲームの公式アカウントを作った方がいいですか?
A. いや別に…?

ゲームコミュニティがTwitterを中心としている場合と、Twitter以外(Discordとか)を中心としている場合があります。

前者は、「Twitterの機能」「そこにいる人々」「人々との繋がり」のセットに価値があるので、ThreadsがどれだけTwitterの機能をカバーしていたとしても、Twitterの体験を得られるわけではない。なのでThreadsは不要です。

後者の場合は当然Threadsは不要です。DiscordやInstagramやYouTubeを引き続き頑張りましょう。

また、コミュニティを死に向かわせる主因の一つに「規模が縮小すること」があると考えていますが、Threadsでアカウントを作ることで、TwitterとThreadsでコミュニティを分散させることにつながるので、悪手なのではないかと思います。

もっと言えば、プレイヤーにとってめんどくさいと思います。公式がTwitterとThreadsにあったら選ばないといけないのがめんどくさいですよね。運用している側は「どちらも同じ情報を出しているだけだからどちらでもいいよ」と思うかもしれませんが、プレイヤー側からしたら「同じ情報を出しているかどうか」はちゃんと確認しないとわからない。めんどくさいことをプレイヤーに強いるのはあまり好ましくない気がします。

Threadsをはじめたり公式アカウントを作るのは、Threadsが流行ってからでも遅くない。いや、流行らないとそもそも意味ないと思います。

Q. どういうゲームコミュニティはTwitterを中心としてるんですか?
A. コミュニティリーダーが中心にいる場合です

たとえば「クラロワコミュニティ」「APEXコミュニティ」に対して「LINEツムツムコミュニティ」を比べたら、前者はTwitterへの親和性が高く、後者は低いと感じます。

それは、クラロワやAPEXが「特定の人(=コミュニティリーダー)」を中心としたコミュニティである一方で、LINEツムツムの場合は「主婦の集まり」のような「特定の興味や元々のつながり起点」で集まっているコミュニティという違いがあるからです。

前者の場合、eスポーツチームだったり、元プロだったり、情報屋さんだったりをピラミッドの頂点としたコミュニティになります。その人をフォローしている人の集まりがコミュニティになっていく側面があります。

後者のコミュニティは「無言でハートを送り合う巨大なLINEグループ」みたいなのが日本中に点在しているような感じです。それも立派なコミュニティではあると思いますが、まあ、Twitterは不要ですね。

Q. クラロワとAPEXコミュニティは全然違うように見えます
A. はい。ファン活的か、情報収集的かの違いがあります

Twitterを中心としたコミュニティの中でも、たとえばAPEXや第五人格のコミュニティはよりTwitterへの偏りが大きいです。それは、これらのゲームコミュニティには「ファン活要素」があるからです。ファン活要素があるコミュニティは、基本的にはTwitterが圧倒的で、ゲームというよりは推しプレイヤー・推しYouTuberをおっかけて、いいねやリプをして、そこにいいねや返信やいいねをもらうことが一番の活動内容だったりします。ファン活は女性の方が割合として高いので、「女性ユーザーが多いゲームコミュニティはTwitterがより大事」だと言ってもいいかもしれません。(Twitterの死について色々考えましたが、この部分の代替が一番難しそうです。)

一方で、たとえばクラロワやモンストなどは「情報・戦術」が中心にあります。そのため、Twitterも大事ですが、どちらかというとYouTubeが起点になります。YouTuberのチャンネルは登録しているけど、Twitterはほとんどチェックしないという人もたくさんいると思います。

もしくは、Discordが中心になる場合もあります。コミュニティDiscordサーバーにも、Valorant-JPサーバーのような「コミュニティが立ち上げた」サーバーと、スト6のハイタニサーバーのような「インフルエンサー主体の」サーバーがあります。いずれにせよ、ゲーム情報を仕入れる場としては、Discordはとても理想的です。Twitterのおすすめ機能のように邪魔な情報など一切流れてきませんし、情報が流れて見れなくなることもありません。API制限されることもありません(笑)。

このように、同じ「情報・戦術」が中心のコミュニティでも、それぞれYouTubeとDiscordが中心になる場合があります。その違いは、コミュニティの立ち上がりタイミング(昔はYouTube、今はDiscordになりがち)や、ゲーム動画の配信者のプラットフォーム(YouTubeなのかTwitchなのか)によって変わるようですが、本質的には似ているというのが私見です。

ちなみに「情報・戦術」中心のコミュニティでは、一緒に遊ぶ仲間を探すという要素も大きいです。YouTubeを中心としたコミュニティの場合、その役割をTwitterに求めるユーザーが多い一方、Discordの場合はそれもDiscordで満足できるという違いはあります。

Q. インスタは?インスタ!
A. わかりません。

不勉強ながら、ゲームコミュニティがInstagramを中心に盛り上がっている事例を知らなくて…なのでわかりません。TikTokもわかりませんごめん!!!

Q. 結局Twitterの危機に向けて準備すべき?しないべき?
A. 準備はしてください!

TwitterのAPI制限が行われた時、どう思いましたか。「これはまずい」と思いましたか。それとも「結局自分はTwitter使えてたし、今後もTwitterが潰れるわけじゃないし」と思いましたか。

私は「これはまずい」と思いました。なぜなら、自分はさておき、コミュニティリーダーの動きが止まっているのが見えたからです。これは本当に怖いことだと思います。

というわけでシンプルなんですが、下記の方向性が良いのではないかと思います。

  • Discordをよく知らないなら、Discordの理解度を徹底的に高める。学ぶために公式サーバーを作ってみても良いと思う

  • ファン活ニーズを満たせるプラットフォームは現状存在しないので、目を皿にして代わりになるものが生まれる兆しを見逃さないようにする

…とここまで書きましたが、僕も正直わかりません。前々職から数えると15年ほどコミュニティの仕事をしていますが、Twitterはその時からそこにありましたし、Discordがde factoになるなど思ってもいませんでした。Twitchも来るとは思ってませんでした。そんな人が未来を予見できるわけもないんですが、さすがにTwitterの危機はインパクトが多すぎるので、日々考えているという次第です。異論・反論は大歓迎で、 @Toshizumi Waki までどしどしお願いします!

Navicusさん主催のウェビナーにて、前職で経験したコミュニティ施策についてがっつりお話しさせてもらうことになりました!7/20の14:00からです。(ご参加の登録はこちら)

コミュニティについてもっと学びたいと思い「本音で語るゲームコミュニティラジオ」というラジオ的番組を @Kent_Golemeshi  と一緒にはじめます。twitterスペースにて、7/6の21:30からです。(カレンダー)

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